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グテーレス:「女性の権利は危機にひんしている。家父長制の毒が復活し、勝ち取った成果への逆行が起きている」

2025-03-11 11:48:00 | 政治経済問題
女性の人権に“逆行起きている” 国連で「女性の地位委員会」 NHK 2025年3月11日 8時59分

ニューヨークの国連本部では女性の地位向上に関する課題について話し合う会議「女性の地位委員会」が始まり、国連のグテーレス事務総長は妊娠や出産に関する女性の人権などについて「逆行が起きている」と述べて懸念を示しました。

会議は10日から2週間の日程でニューヨークの国連本部で始まり各国政府やNGOの代表が参加しています。

2025年は、女性の地位向上に向けた国際社会の指針となる「北京宣言」が採択されてから30年となり、国連のグテーレス事務総長はこの30年で女子教育の普及や妊産婦の死亡率の低下などの前進があったものの賃金などについては「格差が依然として大きい」と指摘しました。

また「女性の権利は危機にひんしている。家父長制の毒が復活し、勝ち取った成果への逆行が起きている」と述べて、妊娠や出産に関する女性の権利への攻撃や、AIなどの新しい技術が暴力や虐待を助長し女性蔑視やネット上での女性への攻撃を生んでいることに懸念を示しました。

そして会議では「30年が過ぎてもジェンダーの平等はどの国も完全には達成していない」として格差解消の取り組みを改めて強化するよう求める政治宣言が全会一致で採択されました。

ニューヨークでは8日、「国際女性デー」にあわせて女性団体などによるデモが行われ、アメリカでバイデン前政権が掲げてきた女性の人工妊娠中絶の権利を擁護する政策などがトランプ政権のもとで後退するのではないかと心配する人たちが抗議の声をあげました。

トランプ大統領を批判するプラカードを掲げた女性は「大統領は差別的だと思う。権利のために戦わなければならない。もっとひどくなると思う」と話しました。

また別の女性は「1950年代へ逆戻り」という内容のプラカードを掲げ、「大統領は女性を家庭に押し戻そうとしている。私はその時代を生きてきたが、そんなことはさせない」と話し危機感を強めていました。
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