よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録073(はくちょう座 HDE226868)

2023-06-05 06:00:00 | NGC天体他

はくちょう座 HDE226868(青色巨星)

画像①(QBPフィルターⅢ使用、640×640切り出し)

HDE226868は、太陽の約30倍の質量を持っていた青色巨星。連星であることが知られている。青色に写っていないのが悲しい。

全天に十数万個ある9等星の中でもっとも有名な9等星。1970年代の天文学ではこの青色巨星関連の論文が多く書かれたらしい。

その理由はHDE226868の相方にある。はくちょう座X-1と名づけられた相方は太陽の約10倍以上の質量を持ち驚くほど小さい。太陽と水星の距離の半分以下の近距離にあり、HDE226868の恒星風を自分の周りに纏わり付かせ(降着円盤)強烈なX線を宇宙にまき散らしているらしい。

重い、小さい、降着円盤、X線とくれば・・・

X-1はブラックホール(の可能性がもっとも高い天体)。

活動銀河核(銀河中心の大質量ブラックホール)以外で、単独のブラックホールにここで会えた(見えないけど)。一世を風靡した天体らしく、資料も楽しく読めた。研究者さんの熱気が伝わってくる。

はくちょう座、電視観望しがいのあるロマンあふれた星座。オリオン座に負けていない。

なお、Sh2-101はチューリップ星雲(画像⑤)。

 

画像②アスタップによるプレートソルブ、α, δ grid表示、ディープスカイ・アノテーション

画像③元画像、視野回転部分トリミング(約2300×1400)

画像④ステラナビゲーターLiteによる観望位置

画像⑤(チューリップ星雲Sh2-101部分の色強調、VGA切り出し)

 

参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)Askar 『FMA135』 口径30mmF4.5 EDアポクロマート鏡筒

4)Player One Neptune-C Ⅱ | 株式会社サイトロンジャパン

5)天体望遠鏡セット「VIRTUOSO GTiシリーズ」| Sky-Watcher

6)Quad BPフィルター III | 株式会社サイトロンジャパン

7)はくちょう座~Wikipedia

8)はくちょう座X-1~Wikipedia

9)宇宙の有名人とその配偶者〜「はくちょう座X-1」とHDE226868 / 宇宙の○人

10)Thesis 大阪教育大学卒業研究~ブラックホール天体 はくちょう座X-1

11)Cyg X-1 Oct. 2021 by PbO - 天体写真ギャラリー AstroArts

12)Cygnus~StelIaScenes

13)Sh2-101 - Wikipedia

14)Sh2-101(チューリップ星雲)

 

撮影データ

2023年6月3日快晴、月齢14.5(満月前日)
メダカ部屋観測所
はくちょう座HDE226868、Sh2-101(チューリップ星雲)、η Cyg
FMA135+Neptune-CⅡ+Virtuoso-GTi+QBPフィルターⅢ
FMA135ヘイリコイド位置53
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでpng保存
Raw16、Area2712x1538、Offset=120、Gain=380
Exposure=15s×36frames=540s
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
Astapで、fitsファイルをプレートソルブ、自動色補正、α、δ grid表示、Deepsky annotation処理、jpeg保存
Microsoftフォトで、スポット修正・色・明るさ調整、トリミング等

2024/07/16追加資料)
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