よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録065(こと座 M57リング星雲ふたたび)

2023-05-27 06:00:00 | M天体

こと座 M57リング星雲

観望機材

Mak127+正立プリズム+レデューサ-(×0.5)+Neptune-CⅡ+CBPフィルター+VirtuosoGTi

*Mak127:SkyWatcher社製、口径127mm、焦点距離1500mm、F値11.8

*正立プリズム:笠井トレーディング GSO 90゜正立プリズム 31.7mm径 1.25インチ

*レデューサ;笠井トレーディング GSO 0.5x 1.25インチフォーカルレデューサー 31.7mm径

*CBPフィルター(サイトロン)

他に、

*SkyWatcher等倍レッドドットファインダー(Mak127+VirtuosoGtiセット標準付属品)

*バーティノフマスク(NorthernCross)

*望遠鏡フード(NorthernCross)

※合成焦点距離1010mm・・・ASPSとAstrometory.netを利用して測定

 したがって合成F値7.95(=1010÷127)

    レディ-サ-の効果0.67倍(=1010÷1500)

画像①(画像③よりVGA切り出し)

画像②(Astapによるディープスカイ・アノテーション)

画像③(視野回転部分トリミング)

長焦点での電視観望は難しいが、ネットの先輩方に多く事例を示していただいているので、私も重い腰を上げ、Mak127+レディーサ-による電視観望にチャレンジしてみた。

いつものように大変かつ感動の一夜になった。

大変①アライメントが中々成功しない。

北東の空の観望と言うことで、アルクトゥールスによる1スターアライメントから始めたが、ファインダーの赤いドットの中に導入しても、SharpCapProの画面には入ってくれない、失敗を繰り返し30分以上かかってアライメントを取りあえず終える。ブライトスターアライメントに進むが、アルクトゥールスとベガでは対象にならずやむなく、1スターアライメントで観望に入る。考えるに、惑星観望の時と同じように、40mmアイピースから始め、徐々に望遠鏡の中心にアライメント星を導いた方が結果的には早かったかも知れない。この経験を次に生かす。

大変②プレートソルブが成功しない。

雲がある関係か、その他の原因か、SharpCapProでのAstapのプレートソルブは成功しなかった。久しぶりに星空迷子になり、不安になる。

大変③自動導入の誤差が大きい。

不正確な1スターアライメントのみの観望ということで、自動導入の誤差も大きく、画面の中央への導入も難しい。中央に導入できても、自動追尾中に観望対象がずれる。

大変④ゴースト発生

近くの街灯の光が、窓の手すりで反射して望遠鏡に入りゴースト発生。慌ててMak127用のフードを装着。雨戸を望遠鏡の前だけ残し閉める。天文台の雰囲気。ここは良かった。

手始めにM57リング星雲。画面の中心には導入できなかった。諦めライブスタックに入る。でかい。一目でわかる。感動。苦労した甲斐があったと思う。自動追尾の誤差も大きいので、10分程度のライブスタックで切り上げた。次の対象へと思ったときには曇空。次頑張る。しばらく天気悪いけど。

 

観望翌日は、Mak127+レディーサ-の焦点距離確認。ASPS(オール・スカイ・プレート・ソルバー)とAstrometry.net(以下勝手に張られるリンクをさけるためアスメトネットと略記)を使うと調べることができる。ネットの先輩方のブログでは、焦点距離約1000mm、レディーサーの効果が約0.65倍となっている。ASPSを立ち上げ、設定→設定アシスタントから、M57のfitsファイルをアスメトネットにあげると、視野角が出る。それをASPSに打ち込むと、焦点距離1010mmとなった。従って合成F値7.95、レディーサーの効果は0.67倍となり、ほぼ他の方々と一致した。ディープスカイを観望するには、F値7以下の明るさが必要とのことだが、M57のような惑星状星雲なら妥協できる範囲のようだ。

副産物として、アスメトネットで解析されプレートソルブ情報が記入されたfitsファイルをAstapに読み込ませるとプレートソルブは成功しないが、ディープスカイ・アノテーションは実行された(画像②)。不思議だが、間違ってないので良しとしよう。(画像④・⑤はアスメトネットで生成された観望位置情報)

あまり大変は経験したくないが、大変なことがあるから感動も大きくなるかも知れない。終わってみれば1つしか観望できなかったが良い一夜だった。FMA135とMak127では難しさのレベルが全然違う。今後の課題も大きいが・・・継続あるのみ。先ずはアライメントを正確にする必要がある。

画像④(アスメトネットによる観望場所)

画像⑤(アスメトネットによる観望場所詳細)


参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)Player One Neptune-C Ⅱ | 株式会社サイトロンジャパン

5)天体望遠鏡セット「VIRTUOSO GTiシリーズ」| Sky-Watcher

6)CometBPフィルター(サイトロン)

7)笠井トレーディング GSO 90゜正立プリズム 31.7mm径 1.25インチ

8)笠井トレーディング GSO 0.5x 1.25インチフォーカルレデューサー 31.7mm径

  *Amazonで購入の場合は延長筒付属せず。その分安価。

9)Northern Cross 樹脂製バーティノフマスク 125-180mm

10)Northern Cross MAK127用フード

11)惑星状星雲3連発の1 - 悠々遊きまぐれ写真館

12)Sky-Watcher Mak127で撮るディープスカイ - 元天文少年の星撮りブログ

13)MAK127SPとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影(5) - KIMUKAZU blog

14)電視観望の記録035(こと座 M57リング星雲) - よしべや自然博物館

15)Astrometry.netへのファイルアップロード画面

16)Astrometry.netのホームページ


撮影データ

2023年5月24日晴れのち雲

メダカ部屋観測所
こと座M57
Mak127+Neptune-CⅡ+VirtuosoGTi+CBPフィルター+0.5×レデューサー+正立プリズム
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでpng保存
Raw16、Area2712x1538、Offset=120、Gain=340
Exposure=15s×41frames=615s
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
Astrometry.netでプレートソルブ、新しく生成されたファイルを保存
Astapで、上のfitsファイルを、α、δgrid表示、Deepsky annotation処理、jpeg保存
Microsoftフォトで、色・明るさ調整、トリミング等
 
 
追加)閑話の題材を集めるのも簡単ではなく、今週の閑話はお休みです。
集めていた画像を以下に付け加えます。

タンポポの綿毛。ほどよい数。

幾何学的な美しさがある。


カタバミ。葉が立派。環境が良いとここまで大きくなる。今まで見た中で最大かも。