こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です!
戻り梅雨でしょうか。
暑くてバテバテでしたが、湿気もなかなか辛いものですね。
皆さまは体調を崩されていませんか。
前回の続きで、
不服申し立ての第二審を行う機関の
社会保険審査会の統計等を元に、
相手を知るシリーズの続き です。
裁判までは考えていない方にとって、
社会保険審査会は、
不服申し立ての「最後の砦」です。
【社会保険審査会で扱う制度】
社会保険審査会では、障害年金だけでなく、
健康保険(国民健康保険は除く)や
老齢年金・遺族年金も扱っています。
審理される制度は、こんな感じです。
・健康保険 療養費・傷病手当金など
・健保・厚年 保険料・標準報酬など
・厚生年金保険 老齢年金・障害年金・遺族年金など
・船員保険 傷病手当金など
・国民年金 老齢年金・障害年金・遺族年金・保険料免除など
制度としては、多肢にわたっていますね。
【障害年金が占める割合】
扱う制度はたくさんあれど、
「主に扱う制度」となると、どうでしょう。
平成27年度の再審査請求の件数です。
・健康保険 138件
・健保・厚年 63件
・厚生年金保険 912件
・船員保険 5件
・国民年金 1,031件
合計 2,149件
厚生年金保険(42.4%)と 国民年金 (47.9%)が
「主に扱う制度」であると言えますね。
それでは、
厚生年金保険と国民年金において
障害年金はどれくらいの不服申し立てがあるでしょう。
<厚生年金保険>
平成27年度の件数です。
・老齢年金 31件
・障害年金 687件
・遺族年金 66件
・その他 128件
合計 912件
<国民年金>
・老齢年金 18件
・障害年金 920件
・遺族年金 2件
・保険料免除 73件
・その他 18件
合計 1,031件
厚生年金保険では 75.3%
国民年金では 89.2%
これが、障害年金の不服申し立て件数です!
不服申し立てのほとんどは、
障害年金に関するものであると
言ってもいい・・・と思います。
【なぜ、そんなに不服申し立てが多いの?障害年金】
ここからは、統計ではなく推測ですが・・・。
社会保険審査会の公開審理を傍聴する限り、
大きく2つにまずは分かれます。
・制度そのものを理解していない不服申し立て
・制度を理解したうえでの不服申し立て
制度そのものを理解していない不服申し立てとは、
たとえば、
納付要件を満たしていないことに対する不服申し立て
請求した傷病名とは別の傷病名で行おうとしている不服申し立て
・・・などが見受けられました。
障害年金の制度は、複雑です。
制度を理解することは、私たち社労士も多くの時間がかかりました。
まずは、「初診日」を確定しないと
初診日において納付要件が満たしているかどうかが
確認できない・・・ということが起こります。
さらに、不服申し立てで主張している初診日が
請求傷病の初診日と認められず、
結果的に納付要件を満たさないということもあります。
初診日はいいとして、次に
等級に該当しないため不支給とか・・・
等級が思ったより低いとか・・・
支給停止になったとか・・・
「障害の程度」に関することが待っています。
つまり、
「初診日」と「障害の程度」の両方のハードルを
クリアしないと
障害年金は受給することができないのです。
そのために、障害年金に関する不服申し立てが多いのかなと考えています。
【アドバイスできること】
皆さんが 不服申し立てを行おうとする時
私が 相談の電話やメールを受けた時に
まずはっきりさせたいのは、
・「初診日」の不服申し立てなのか、
・「障害の程度(等級)」の不服申し立てなのか、
・両方なのか
ということです。
両方とも問題だからといって
受給できないということはありませんよ!
どちらか一つでも
問題が深くてダメだったということもあります。
一番良くないのは、
論点をはっきりせずに、不服申し立てを行うこと。
次に難しいのは、
(自分が受給できるために)制度を変えてくれないか
というような懇願かなぁ。
これは公平性という観点から、まず無理だと思います。
アドバイスできることは、
まずは、社会保険審査会で公表している裁決を
読んでみることですね。
そして、不服申し立ての論点をはっきりさせること。
何度もいいますが、
障害年金でいえば、
「初診日」and/or「障害の程度(等級)」です。
そのうえで、
不服申し立てを扱っている社労士へ
相談してみる、ということを考えてもいいと思います。
少なくとも、不服申し立ての経験がありますから
見通しを立てたアドバイスはできると思いますよ。
参考:
社会保険審査会 統計
社会保険審査会 裁決
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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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【お知らせ】
よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
直接お電話(03-6380-8611)いただくか、メール(info@cyoshino-office.com)でご連絡ください。
なお、匿名でのご相談は受けておりません。
一般の方向けに「スッキリ解決!みんなの障害年金」を商業出版しました。
おかげさまで、刊行2か月ちょっとで1万部に到達しました。ありがとうございます。
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Have a nice day!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
社会保険労務士の吉野千賀です!
戻り梅雨でしょうか。
暑くてバテバテでしたが、湿気もなかなか辛いものですね。
皆さまは体調を崩されていませんか。
前回の続きで、
不服申し立ての第二審を行う機関の
社会保険審査会の統計等を元に、
相手を知るシリーズの続き です。
裁判までは考えていない方にとって、
社会保険審査会は、
不服申し立ての「最後の砦」です。
【社会保険審査会で扱う制度】
社会保険審査会では、障害年金だけでなく、
健康保険(国民健康保険は除く)や
老齢年金・遺族年金も扱っています。
審理される制度は、こんな感じです。
・健康保険 療養費・傷病手当金など
・健保・厚年 保険料・標準報酬など
・厚生年金保険 老齢年金・障害年金・遺族年金など
・船員保険 傷病手当金など
・国民年金 老齢年金・障害年金・遺族年金・保険料免除など
制度としては、多肢にわたっていますね。
【障害年金が占める割合】
扱う制度はたくさんあれど、
「主に扱う制度」となると、どうでしょう。
平成27年度の再審査請求の件数です。
・健康保険 138件
・健保・厚年 63件
・厚生年金保険 912件
・船員保険 5件
・国民年金 1,031件
合計 2,149件
厚生年金保険(42.4%)と 国民年金 (47.9%)が
「主に扱う制度」であると言えますね。
それでは、
厚生年金保険と国民年金において
障害年金はどれくらいの不服申し立てがあるでしょう。
<厚生年金保険>
平成27年度の件数です。
・老齢年金 31件
・障害年金 687件
・遺族年金 66件
・その他 128件
合計 912件
<国民年金>
・老齢年金 18件
・障害年金 920件
・遺族年金 2件
・保険料免除 73件
・その他 18件
合計 1,031件
厚生年金保険では 75.3%
国民年金では 89.2%
これが、障害年金の不服申し立て件数です!
不服申し立てのほとんどは、
障害年金に関するものであると
言ってもいい・・・と思います。
【なぜ、そんなに不服申し立てが多いの?障害年金】
ここからは、統計ではなく推測ですが・・・。
社会保険審査会の公開審理を傍聴する限り、
大きく2つにまずは分かれます。
・制度そのものを理解していない不服申し立て
・制度を理解したうえでの不服申し立て
制度そのものを理解していない不服申し立てとは、
たとえば、
納付要件を満たしていないことに対する不服申し立て
請求した傷病名とは別の傷病名で行おうとしている不服申し立て
・・・などが見受けられました。
障害年金の制度は、複雑です。
制度を理解することは、私たち社労士も多くの時間がかかりました。
まずは、「初診日」を確定しないと
初診日において納付要件が満たしているかどうかが
確認できない・・・ということが起こります。
さらに、不服申し立てで主張している初診日が
請求傷病の初診日と認められず、
結果的に納付要件を満たさないということもあります。
初診日はいいとして、次に
等級に該当しないため不支給とか・・・
等級が思ったより低いとか・・・
支給停止になったとか・・・
「障害の程度」に関することが待っています。
つまり、
「初診日」と「障害の程度」の両方のハードルを
クリアしないと
障害年金は受給することができないのです。
そのために、障害年金に関する不服申し立てが多いのかなと考えています。
【アドバイスできること】
皆さんが 不服申し立てを行おうとする時
私が 相談の電話やメールを受けた時に
まずはっきりさせたいのは、
・「初診日」の不服申し立てなのか、
・「障害の程度(等級)」の不服申し立てなのか、
・両方なのか
ということです。
両方とも問題だからといって
受給できないということはありませんよ!
どちらか一つでも
問題が深くてダメだったということもあります。
一番良くないのは、
論点をはっきりせずに、不服申し立てを行うこと。
次に難しいのは、
(自分が受給できるために)制度を変えてくれないか
というような懇願かなぁ。
これは公平性という観点から、まず無理だと思います。
アドバイスできることは、
まずは、社会保険審査会で公表している裁決を
読んでみることですね。
そして、不服申し立ての論点をはっきりさせること。
何度もいいますが、
障害年金でいえば、
「初診日」and/or「障害の程度(等級)」です。
そのうえで、
不服申し立てを扱っている社労士へ
相談してみる、ということを考えてもいいと思います。
少なくとも、不服申し立ての経験がありますから
見通しを立てたアドバイスはできると思いますよ。
参考:
社会保険審査会 統計
社会保険審査会 裁決
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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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