こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です!
朝晩は冷えてきましたが、秋は過ごしやすくなりましたね。
私は少し寒いくらいが適温です。北海道出身なもので。
私は、社会保険審査会の裁決は「情報の宝庫」と思っています。
でも、裁決は慣れないと読みづらい・・・ですね。
前回は、慢性疲労症候群 (CFS/ME)の裁決(平成26年(厚)第830号)から
初診日について争われ、容認された部分を載せました。
今回は、同じ裁決の後半に、
「慢性疲労症候群 (CFS/ME)」は、どんな病気なのかを
丁寧に記述しているので、
こんなに病気について詳しく解説している裁決は少ないし、
とても参考になるのではないかと思い、抜粋することにしました。
【CFS/MEの定義】
慢性疲労症候群は、
明白な筋肉の衰弱を伴わない、長期にわたる重度で、
活動が困難となる疲労と定義され、
疲労を説明し得る基礎疾患はなく、
抑うつ、不安、およびその他の心理学診断は一般的に見られないとされ、
治療は安静、および心理的援助であり、
しばしば抗うつ薬の使用も含まれるとされている。
【CFS/MEの病因】
そして、病因については議論の余地があり、
現在のところ明白な原因は不明であり、
心理的因子が原因となっている割合も不明であるが、
基本的には、慢性疲労症候群は、
曲型的な抑うつ、不安またはその他の心理的・精神的な障害とは
異なっていると思われるが、
日常・社会的生活上の環境、
それに対するストレスが大きくかかわっていることも否定はできない。
一方では、慢性ウイルス感染が原因として挙げられているが、
これは多くの患者が慢性疲労症候群の発症を、
インフルエンザ、単核細胞症などの感染症と類似の事象と
関連づけて考えられているからである。
また、エブスタイン・バーウイルス、エンテロウイルス、
ヒトヘルペスイウルス、ヒトT細胞リンパ球ウイルスなどの
感染の関与も否定されていない。
【CFS/MEとアレルギー、免疫異常との関係】
アレルギー反応も同様に挙げられいるが、
患者の65%はアレルギー疾患を報告しており、
吸入因子または食べ物に対する皮膚反応の割合は、
一般の人よりも25〜50%も高いことが報告されている。
免疫学的異常については、
免疫グロブリンG値の低下、リンパ球増殖減少、
インターフェロンv値の低下、
ナチュラルキラー細胞の細胞毒性欠乏が認められ、
一部の症例では、循環自己抗体や免疫複合体を伴う
異常免疫グロブリンGを持っているとされている。
【CFS/MEの治療】
治療としては、非鎮痛型抗うつ薬が処方されているが、
その効果は確立されていない。
また、免疫グロブリンの大量療法、抗ウイルス薬、
透析可能な白血球抽出物、インターフェロン、ステロイドなどの
免疫学的療法も期待に沿うものでなく、
栄養補助食品、ビタミンの大量療法も行われているが、
有効性は確立できておらず、
心理的介入は、患者によって有効とされ、
体系的な社会復帰リハビリテーションプログラムが推奨されており、
継続的な長期的な休息は、
体力衰退やさらなる気力衰弱を推進することになるため
注意を要するとされている。
【この裁決での等級認定】
全身倦怠感、全身の痛み、音・光などに対する過敏症、
注意力の欠如、記憶力の低下、かゆみ、ろれつが回らない、
冷え、不整脈、食材によるアレルギー反応、
腹痛・下痢、しびれなど多彩な症状のために
外出はほぼ不可能で、
日中の50%以上は就床しており、
一般状態区分表は「エ」とされ、
Performance statusによる疲労/倦怠の程度はPS8であることから、
2級の程度に該当すると認められる。
------------------------
疲労や倦怠感のほかに、多くの症状を伴っていることを、
医師へ伝えて、それを診断書に反映してもらうことが
等級認定では、とても重要だと私は考えています。
【さいごに】
この裁決「平成26年(厚)第830号」は、
前半は初診日の認定について考察があり、
後半はCFS/MEの症状や原因因子について解説があり、
とても充実した裁決だなぁ・・・と思っています。
厚生労働省のホームページに全文掲載されていますから
全文読みたい方は、こちらをクリックしてください。
次回も「これは是非お伝えしたい」と思う情報を発信していきますので、
参考にしてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【お知らせ】
よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
直接お電話(03-6380-8611)いただくか、メール(info@cyoshino-office.com)でご連絡ください。
なお、匿名でのご相談は受けておりません。
一般の方向けに「スッキリ解決!みんなの障害年金」を商業出版しました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Have a nice day!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
社会保険労務士の吉野千賀です!
朝晩は冷えてきましたが、秋は過ごしやすくなりましたね。
私は少し寒いくらいが適温です。北海道出身なもので。
私は、社会保険審査会の裁決は「情報の宝庫」と思っています。
でも、裁決は慣れないと読みづらい・・・ですね。
前回は、慢性疲労症候群 (CFS/ME)の裁決(平成26年(厚)第830号)から
初診日について争われ、容認された部分を載せました。
今回は、同じ裁決の後半に、
「慢性疲労症候群 (CFS/ME)」は、どんな病気なのかを
丁寧に記述しているので、
こんなに病気について詳しく解説している裁決は少ないし、
とても参考になるのではないかと思い、抜粋することにしました。
【CFS/MEの定義】
慢性疲労症候群は、
明白な筋肉の衰弱を伴わない、長期にわたる重度で、
活動が困難となる疲労と定義され、
疲労を説明し得る基礎疾患はなく、
抑うつ、不安、およびその他の心理学診断は一般的に見られないとされ、
治療は安静、および心理的援助であり、
しばしば抗うつ薬の使用も含まれるとされている。
【CFS/MEの病因】
そして、病因については議論の余地があり、
現在のところ明白な原因は不明であり、
心理的因子が原因となっている割合も不明であるが、
基本的には、慢性疲労症候群は、
曲型的な抑うつ、不安またはその他の心理的・精神的な障害とは
異なっていると思われるが、
日常・社会的生活上の環境、
それに対するストレスが大きくかかわっていることも否定はできない。
一方では、慢性ウイルス感染が原因として挙げられているが、
これは多くの患者が慢性疲労症候群の発症を、
インフルエンザ、単核細胞症などの感染症と類似の事象と
関連づけて考えられているからである。
また、エブスタイン・バーウイルス、エンテロウイルス、
ヒトヘルペスイウルス、ヒトT細胞リンパ球ウイルスなどの
感染の関与も否定されていない。
【CFS/MEとアレルギー、免疫異常との関係】
アレルギー反応も同様に挙げられいるが、
患者の65%はアレルギー疾患を報告しており、
吸入因子または食べ物に対する皮膚反応の割合は、
一般の人よりも25〜50%も高いことが報告されている。
免疫学的異常については、
免疫グロブリンG値の低下、リンパ球増殖減少、
インターフェロンv値の低下、
ナチュラルキラー細胞の細胞毒性欠乏が認められ、
一部の症例では、循環自己抗体や免疫複合体を伴う
異常免疫グロブリンGを持っているとされている。
【CFS/MEの治療】
治療としては、非鎮痛型抗うつ薬が処方されているが、
その効果は確立されていない。
また、免疫グロブリンの大量療法、抗ウイルス薬、
透析可能な白血球抽出物、インターフェロン、ステロイドなどの
免疫学的療法も期待に沿うものでなく、
栄養補助食品、ビタミンの大量療法も行われているが、
有効性は確立できておらず、
心理的介入は、患者によって有効とされ、
体系的な社会復帰リハビリテーションプログラムが推奨されており、
継続的な長期的な休息は、
体力衰退やさらなる気力衰弱を推進することになるため
注意を要するとされている。
【この裁決での等級認定】
全身倦怠感、全身の痛み、音・光などに対する過敏症、
注意力の欠如、記憶力の低下、かゆみ、ろれつが回らない、
冷え、不整脈、食材によるアレルギー反応、
腹痛・下痢、しびれなど多彩な症状のために
外出はほぼ不可能で、
日中の50%以上は就床しており、
一般状態区分表は「エ」とされ、
Performance statusによる疲労/倦怠の程度はPS8であることから、
2級の程度に該当すると認められる。
------------------------
疲労や倦怠感のほかに、多くの症状を伴っていることを、
医師へ伝えて、それを診断書に反映してもらうことが
等級認定では、とても重要だと私は考えています。
【さいごに】
この裁決「平成26年(厚)第830号」は、
前半は初診日の認定について考察があり、
後半はCFS/MEの症状や原因因子について解説があり、
とても充実した裁決だなぁ・・・と思っています。
厚生労働省のホームページに全文掲載されていますから
全文読みたい方は、こちらをクリックしてください。
次回も「これは是非お伝えしたい」と思う情報を発信していきますので、
参考にしてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【お知らせ】
よしの社労士事務所では、障害年金に関するご相談は無料です。専門家としてアドバイス致します。
直接お電話(03-6380-8611)いただくか、メール(info@cyoshino-office.com)でご連絡ください。
なお、匿名でのご相談は受けておりません。
一般の方向けに「スッキリ解決!みんなの障害年金」を商業出版しました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Have a nice day!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀