障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金 不服申立の容認率(令和5年度)

2024-09-13 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

東京は9月になっても暑くてたまりませんね。
北海道へお墓参りに行きましたが、
気温は高くても風が涼しくて快適な気候でした。

さて、社会保険の不服申立機関である「社会保険審査会」の
令和5年度の(再)審査請求裁決等の状況が公開されました。

いや〜、驚くばかりの結果でした。
不服申立をしても、最近は容認が全く出ないことは実感していましたが、
数字で見ると愕然としました。

容認数が少なすぎです!

国民年金の容認は、たったの13件(267件のうち)!
被用者年金(厚生年金保険・健康保険)も、たったの19件(362件のうち)!
容認の合計は、32件(涙)

裁決629件のうちの容認32件です。

裁決による容認」は5%!え〜、少なすぎ。
95%が裁決で「棄却」または「却下」とは

不服申立のハードル、上がりすぎてませんか?

ちなみに「原処分変更による取下げ」というのもあり、
これは、不服を認めたから取下げしてね、というもので
実質上の容認です。

「原処分変更による取下げ」の件数も低いですよ。
国民年金 32件
被用者保険(厚生年金保険・健康保険) 36件 
合計 68件

【令和5年度の容認率(容認+取下げ)は?】

令和5年度の裁決状況によると、

容認 32件 すくな!←しつこ
棄却 541件 なんてこと!
却下 56件 
取下げ(原処分変更による取下げ)68件
取下げ(上記によらない取下げ)21件
合計処理数 718件

不服が認められたのは「容認」と「原処分変更による取下げ」なので
容認 32件
原処分変更による取下げ 68件 
合計100件が認められた件数です。

合計718件のうち100件ですので、
容認率(容認+取下げ)は、13.9%です。

【過去の容認数は?令和5年度だけ低いの?】

裁決による容認の数は、右肩下がりです。
ただ、処理件数も右肩下がりではあります。
( )は取下げを除いた処理件数、%は取下げを除いた容認率です。

平成24年 126件(2,242件)5.6%
平成25年 209件(1,873件)11.1%
平成26年 219件(1,744件)12.5%
平成27年 227件(1,784件)12.7%
平成28年 152件(1,943件)7.8%
平成29年  99件(1,676件)5.9%
平成30年  91件(1,345件)6.7%
令和元年   90件(1,256件)7.1%
令和2年   89件(1,244件)7.1%
令和3年   93件(1,299件)7.1%
令和4年   73件(1,013件)7.2%
令和5年   32件(629件)5.0%

やっぱり、令和5年度は低いのですね。 

弊事務所でも、平成25年から平成27年は容認を勝ち取っていたのですが
もはや過去の話。ここのところは、さっぱりです。

なので、不服申立の相談を受けても「やりましょう!」とは言えず、
他の方法を提案しています。

【他の方法とは?】

・不支給になった場合は、
もう一度やり直して請求することを考えてみる。
※ この場合は事後重症請求になります。

・決定された等級が不服の場合は、
1年経ってから「額改定請求」を行うことを検討する。

・障害認定日(遡及)が不支給や等級に不満の場合は、
不服申立を行うしかないですが、ほぼ認められることはない。

・更新(再認定)で等級が下がった場合は、
1年経ってから「額改正請求」を行うことを検討する。

・更新(再認定)で支給停止になったなら、
新たな診断書と「支給停止事由消滅届」を提出する。

不服申立と他の方法の両方を行うことはできますので、
正直ダメ元で不服申立を行いつつ、他の方法を検討するといいかもしれません。

令和5年度の社会保険審査会審査状況
厚生労働省のホームページに掲載されています。
こちらをクリック

では、よい週末を!
北海道の広い景色で涼んでください。


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Have a nice day!

Chika Yoshino

障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀

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