百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

八百屋さん

2006-02-07 21:13:24 | 料理
百年以上も前から営業されている
伝統のある八百屋さんの話を聴く
機会に恵まれた・・・
でも少々がっくり・・
というのは「野菜は鮮度と質です!!
規格や等級、見栄えもありますが・
・・」とおっしゃるのを聞いて、今の
流通の在り方、消費者や農家とます
ます乖離していく分断された流通の
現状を垣間見た気がしたからです。
野菜達の栄養価は年々下がっていま
す。科学技術庁資源調査会編「五訂
日本食品標準成分表」によると、例
えば、ほうれん草のビタミンCは、50
年前の20~25%、トマトのビタミンC
は50年前の半分になっているといわれ
ています。そんな栄養価も収穫方法や
その時期、保存の方法等によって大き
な違いが生じます。
我々百姓はもっと土壌の力を活かした
農法を考え、大規模な栽培方法を見直
す必要があるかもしれません。流通は、
鮮度も大切ですが、力強い野菜をしっ
かり見分ける(形や大きさ、見栄えで
はなく)必要があり、そういう栽培農
家を育てる工夫も必要でしょう。消費
者も真の野菜づくりを支援する(いつ
でも、どこでも、誰もが・・・⇒ではな
く、季節感を大切にし、生産者と共に
歩む食の共同責任者的な)心意気が必
要な時期になっているのではないでし
ょうか。
先日お会いした滋賀県の朝宮で無農薬
のお茶づくりを始められ30年余りにな
る片木さんは「ペットボトルのお茶は
お茶ではありません、お茶はその場で
いれ、その場で互いに共に楽しむ、日
本の文化なのです。」とおっしゃって
おられました。
便利や合理化が文化や伝統を壊してい
く、食はただ単なる栄養補給では決し
ないはずなのですから。