久美子は前澤の会社の総務部調査係、柴田に緊急用のEメールを送り、千恵子の相手特定を依頼した。結局頼った方が早いのに意地を張って遠回りをしてしまった。
4日後、柴田からやはりメールで報告が届いた。
それによると、昨日三鷹にある千恵子の自宅で7月最後のいけばな教室が行なわれ、最後まで見届ける為車の中で待機していると、アウディが柴田の車より20m程先に停まり、以前Tデパートで見かけた男性が降りてきて千恵子の家に入っていったが、10分もすると一人で車に乗って出かけたので後をつけたとの事。
車は同じ三鷹市のK大学病院に入り、30分程で出てきて千恵子の家には戻らず、都心方向に向かっていったのでそれ以上の追跡は止め、また千恵子の家近くに車を置き様子を見ていたが、2時間過ぎても誰も現れなかったので打ち切りにした、なお家は30坪位の二階建て一軒家です、と打たれている。
K大学病院、そこは前澤の妻が入院しているところだ。前澤家と関係のある人間なのだろうか。
久美子はその男性の特徴をできるだけ詳しく、人相書きにしてパソコンに送ってくれないかと頼んでおいた。
翌日の夕方、久美子のパソコンにデジタルカメラで撮った人相書きが届き、プリントしてみると、白髪のまざった50代半ば位の落ち着いた紳士らしい顔が表れた。
弥生に電話を入れてみた。
「7月31日だけれど、慎一君と連絡を取った?」
「31日、一昨日ね、その日だったら私の家に来ていたわよ、お父さんは残業だか何かで遅くなるって言ってたから」
「何時頃までいたの」
「21時位だったかな」
[何か話さなかった」
「お母さんが家で仕事だからゆっくり帰った方がいいんだって、何かあったの?」
「いえ、まだはっきりした訳じゃないのよ、この間は有難う、花の好きなあなたは四季咲きの薔薇みたいね」
「叔母さんは白い百合の様よ」
4日後、柴田からやはりメールで報告が届いた。
それによると、昨日三鷹にある千恵子の自宅で7月最後のいけばな教室が行なわれ、最後まで見届ける為車の中で待機していると、アウディが柴田の車より20m程先に停まり、以前Tデパートで見かけた男性が降りてきて千恵子の家に入っていったが、10分もすると一人で車に乗って出かけたので後をつけたとの事。
車は同じ三鷹市のK大学病院に入り、30分程で出てきて千恵子の家には戻らず、都心方向に向かっていったのでそれ以上の追跡は止め、また千恵子の家近くに車を置き様子を見ていたが、2時間過ぎても誰も現れなかったので打ち切りにした、なお家は30坪位の二階建て一軒家です、と打たれている。
K大学病院、そこは前澤の妻が入院しているところだ。前澤家と関係のある人間なのだろうか。
久美子はその男性の特徴をできるだけ詳しく、人相書きにしてパソコンに送ってくれないかと頼んでおいた。
翌日の夕方、久美子のパソコンにデジタルカメラで撮った人相書きが届き、プリントしてみると、白髪のまざった50代半ば位の落ち着いた紳士らしい顔が表れた。
弥生に電話を入れてみた。
「7月31日だけれど、慎一君と連絡を取った?」
「31日、一昨日ね、その日だったら私の家に来ていたわよ、お父さんは残業だか何かで遅くなるって言ってたから」
「何時頃までいたの」
「21時位だったかな」
[何か話さなかった」
「お母さんが家で仕事だからゆっくり帰った方がいいんだって、何かあったの?」
「いえ、まだはっきりした訳じゃないのよ、この間は有難う、花の好きなあなたは四季咲きの薔薇みたいね」
「叔母さんは白い百合の様よ」