府中駅から以前と同じようにコミュニティバスに乗り、美術館に近い停留所で降りた。
美術館の喫茶室に直行すると、誠二は既に待っていた。目が合った途端に、ゆりこは涙が出そうになるのをやっとの思いで堪えた。
「やあ、久し振り」
「本当に・・」
「仕事の方はいろいろあったらしいね」
「そうなの、半年足らずなのに、2,3年経った気がするわ」
「もう一段落したの?」
「まだ問題だらけなので、本当は辞めたくなってしまって」
「長い休暇を取って、海外旅行にでも行ってくればいいのに」
「そうしたいのだけれど、会社の役員が、サブマネージャーにするから仕事はずっと続けてくれって熱心なので」
「セクハラにもあったんでしょう」
「ええ、でもあの人は転勤になって、東京には戻れないらしいから」
「ゆりこさんなら、どこでも勤まりますよ、僕が紹介してもいい」
「ありがとう・・ところで誠二さんの方は、何か変化はあったの?」
「敦子はね、山梨に行ってしまったよ」
「山梨へ」
「あれの母親の実家が小淵沢にあって、財産分与で古い家と土地を持っていてね、そこで暮らしているよ」
「誠二さん、別れたの?」
「いや、まだ別居中なんだ、何を考えているんだか、いまは田舎で暮らしたいといって、しばらく会えませんが、あなたにも都合がいいでしょ、だって」
「干渉しないから、好きに行動して結構ですよって事ね」
「まあ、そうだね」
「病気はどうなの?」
「それが、この頃とても落ち着いていてね、病院の院長にも会ったんだけれど、まあ、完全に直る訳ではないけれど、今の状態では特に通院する必要もないので、また問題が出たら来てくれ、と体よく帰された感じだね」
二人は秋風を受けながら、けやき並木を歩き、日本庭園にある色とりどりの紅葉を眺めていると、これが一番自然で、穏やかな自分に戻っていると同時に思った。
美術館の喫茶室に直行すると、誠二は既に待っていた。目が合った途端に、ゆりこは涙が出そうになるのをやっとの思いで堪えた。
「やあ、久し振り」
「本当に・・」
「仕事の方はいろいろあったらしいね」
「そうなの、半年足らずなのに、2,3年経った気がするわ」
「もう一段落したの?」
「まだ問題だらけなので、本当は辞めたくなってしまって」
「長い休暇を取って、海外旅行にでも行ってくればいいのに」
「そうしたいのだけれど、会社の役員が、サブマネージャーにするから仕事はずっと続けてくれって熱心なので」
「セクハラにもあったんでしょう」
「ええ、でもあの人は転勤になって、東京には戻れないらしいから」
「ゆりこさんなら、どこでも勤まりますよ、僕が紹介してもいい」
「ありがとう・・ところで誠二さんの方は、何か変化はあったの?」
「敦子はね、山梨に行ってしまったよ」
「山梨へ」
「あれの母親の実家が小淵沢にあって、財産分与で古い家と土地を持っていてね、そこで暮らしているよ」
「誠二さん、別れたの?」
「いや、まだ別居中なんだ、何を考えているんだか、いまは田舎で暮らしたいといって、しばらく会えませんが、あなたにも都合がいいでしょ、だって」
「干渉しないから、好きに行動して結構ですよって事ね」
「まあ、そうだね」
「病気はどうなの?」
「それが、この頃とても落ち着いていてね、病院の院長にも会ったんだけれど、まあ、完全に直る訳ではないけれど、今の状態では特に通院する必要もないので、また問題が出たら来てくれ、と体よく帰された感じだね」
二人は秋風を受けながら、けやき並木を歩き、日本庭園にある色とりどりの紅葉を眺めていると、これが一番自然で、穏やかな自分に戻っていると同時に思った。