ゆりこは12月から、国立営業所のサブマネージャーに昇進した。
八王子にいた水野所長代理が、新所長で赴任してきた。
「沢田さん、おめでとう、心機一転頑張って下さい」
「所長に引き立てて頂いたおかげです」
「僕はずっと、あなたの実力を信じていましたよ」
「沢田サブマネージャー、お久し振り」
「あら、田口さん!」
田口は、ゆりこにお祝いの挨拶をするといって、勝手に決めて来たらしい。
「僕も、国立に来たかったのに、一人だけとり残された気分ですよ」
「田口君それは違うよ、君はこれからの会社を背負っていく人材だから、八王子で僕の代わりに責任者になって貰いたいんだ」
「そうよ、営業成績だってトップクラスでしょう」
「ずっといい訳じゃない」
「成績よりも、沢田君が気になるのか」
「そうです」
「ちょっと、田口さんやめてよ、ここは職場よ」
「田口君は相変わらず正直だな」
「所長もからかわないで下さい、私、帰りますよ」
「いや悪かった、まあそう言わないで、三人で昼食に行こう、仕事の予定も話したいからな」
柔らかな陽だまりの並木道の下を、行きつけのレストランに向かった。
食事が一段落すると、所長は表情を変えて話だした。
「実はね、君達二人に、内密の調査をして貰う事になったんだ。営業でもうまくやっていたからね」
「調査って、何の?」
ゆりこはいきなりの話に戸惑ったが、田口は嬉しそうだった。
「上海に転勤している黒木君なんだけど、どうも信頼しきれないところがあってね、会社に無断で日本に戻ってきたり、滝沢前所長と会っている事も偶然だが判明した」
「まあ、なにか企んでいるのかしら」
「所長、やりますよ、正体を掴んでみせます」
田口は急に鼻息が荒くなってきた。
「田口さん、そう簡単にいかないわよ、営業をやりながら調べるなんて出来るの」
「僕に任せて」
八王子にいた水野所長代理が、新所長で赴任してきた。
「沢田さん、おめでとう、心機一転頑張って下さい」
「所長に引き立てて頂いたおかげです」
「僕はずっと、あなたの実力を信じていましたよ」
「沢田サブマネージャー、お久し振り」
「あら、田口さん!」
田口は、ゆりこにお祝いの挨拶をするといって、勝手に決めて来たらしい。
「僕も、国立に来たかったのに、一人だけとり残された気分ですよ」
「田口君それは違うよ、君はこれからの会社を背負っていく人材だから、八王子で僕の代わりに責任者になって貰いたいんだ」
「そうよ、営業成績だってトップクラスでしょう」
「ずっといい訳じゃない」
「成績よりも、沢田君が気になるのか」
「そうです」
「ちょっと、田口さんやめてよ、ここは職場よ」
「田口君は相変わらず正直だな」
「所長もからかわないで下さい、私、帰りますよ」
「いや悪かった、まあそう言わないで、三人で昼食に行こう、仕事の予定も話したいからな」
柔らかな陽だまりの並木道の下を、行きつけのレストランに向かった。
食事が一段落すると、所長は表情を変えて話だした。
「実はね、君達二人に、内密の調査をして貰う事になったんだ。営業でもうまくやっていたからね」
「調査って、何の?」
ゆりこはいきなりの話に戸惑ったが、田口は嬉しそうだった。
「上海に転勤している黒木君なんだけど、どうも信頼しきれないところがあってね、会社に無断で日本に戻ってきたり、滝沢前所長と会っている事も偶然だが判明した」
「まあ、なにか企んでいるのかしら」
「所長、やりますよ、正体を掴んでみせます」
田口は急に鼻息が荒くなってきた。
「田口さん、そう簡単にいかないわよ、営業をやりながら調べるなんて出来るの」
「僕に任せて」