最近「ビギン」というリズムをあまり聴かなくなったような気がする。
いや沖縄のグループ名の方が通りが良くなったせいかもしれない。
「♪♩♪♫♫」 という軽快なリズムは案外難しくてノリ切れるまで時間がかかった記憶がある。
2拍目にアクセントがあるので無意識にベースをそこで弾いていたらしく先輩に注意された。
ベースは「クう」べきであるのに「モタって」いたのであろう。
このリズム、ギターは割とアップ、ダウンのストロークで「様になる」のだが、ウクレレはやりにくい。
「黄昏のビギン」は1959年、永六輔、中村八大コンビの名作だ。
「黒い花びら」で一世を風靡した水原弘さんの「黒い」シリーズのB面に収録されたという。
今や神がかり的な存在になってしまった「ちあきなおみ」さんの歌が印象的で、そちらがオリジナルかと思った向きも多いだろう。
ウィキによれば共作となっている歌詞のほとんどは作曲の中村八大氏が書かれたとか。
ポールとジョンのどちらが作っても「レノン&マッカートニー」作としていたビートルズを思い出す。
確かに歌詞がもたらす黄昏時の風情と、ビギンという軽快なリズムとのアンマッチが余計に詩情を掻き立てている。
「♩雨に濡れてた 黄昏の街♩」
「♩あなたと逢った 初めての夜♩」
「♫ あなたの瞳に映る星影 ♫」
「♩ 並木の影の初めてのキス ♫」
「C C6 CM7 C6」という明らかにメジャーの曲なのに、サビがマイナーにいってまたメジャーに戻るのもドラマチックな構成だ。
生まれて50年以上たつこの作品をカバーする人の多いこと。
挑戦しても思うように表現できないような、それだけ難しい楽曲だと思う。
名曲は永遠に残る。