コード進行の美しさに感動している者にとってワンコードで終始する楽曲は脅威だ。
ライブでどのようにメリハリをつけるのか、ハンディキャップをつけられたようでもある。
「青春の光と影」は、アンディ・ウィリアムスの奥様、クローディーヌ・ロンジェの歌が印象的だった。
美貌と透き通るような声に憧れたのだろう。
「Joni Mitchel」は1943年、欧州系の両親のもとにカナダで生まれた。
「Both Sides Now」の古いギター譜を見ると「Open G」で書かれており、コードネームは「G」「 GM7」「 Gsus4」「 C」くらいしか出てこない。
それもオープンコード上の説明であってどう弾いてもワンコードに聴こえてしまう。
それはウェス・モンゴメリーが「オクターブ奏法によってコードの制約から解放された」とする見方と相通ずるものを感じる。
ジャコ・パストリアスとのセッションを聴いても、交友があったというチャールス・ミンガスとの接点を見てもジャズに通じていく何かを感じる。
ジャコのベースの音の使い方、グルーヴが素晴らしい。
ハーモニクスの一音、一音までストレートに響いてくる。
映画「いちご白書」の感動的なシーンで歌われるバフィ・セントメリーの「サークル・ゲーム」も彼女の作品だった。
五線上を自由に行き交うようなメロディとセンティメンタルでない現実を歌う歌詞は青春を感じさせてくれた。
若いころキー「G」で歌っていたこの歌を「D」で歌う達人。
良い齢のとり方も芸のうち、か。
Joni Mitchell - Both sides now (on Mama Cass Show 1969)
Joni Mitchell & Jaco Pastorius - Coyote
Joni Mitchell - Sex Kills (Live In-Studio 1995)
Dry Cleaner from des Moines - Charles Mingus - Joni Mitchell
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