中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「中川幸夫没後10年回顧展」のお知らせ

2022年04月13日 | 工芸・アート
以前のブログにも書きましたが、2012年3月に93歳で亡くなられた前衛生け花の中川幸夫さんの没後10年回顧展が神奈川県藤沢市で開催されています。先日展覧会を拝見してきました。
会場は中川さんの従姉の方が住んでいらした古民家で、そのご子息でイメージ・テン代表の谷光章さんが企画されました。

展示作品は生け花写真、ガラス造形作品、書、中川さんが遺した言葉など。

中川さんを知らない若い世代、一般の方々にも見てもらいたい展覧会です。
風変わりな花を活けたのではなく、前衛というスタイルに嵌って活けたのでもなく、毎回花や器や環境と向き合い花の声、自分の内なるものを突き詰めていったのだと思います。ものの本質と真摯に向き合われたピュアな方です。

子供のころから親しんだ香川の自然、境遇、ジャンルを超えた芸術家との出会い、池坊脱退など、そして東京での様々な人や工芸、美術との出会い。全てが花に通じていたのでしょう。流派の型を破るためには型を知らなければならないとそのことも抑えた上での前衛だったのです。

中川さんの葦を使った生け花の実作を見た時は一週間位身体中の血がぐるぐる駆け巡ったことを覚えています。花は根、根は花と突きつけられたのです。根本を見詰めなければ花など咲かせられるはずもありません。
染織の仕事も表層を追っかけていては何もつかめない。いえ、どんな仕事もそうだと思います。


チューリップの花弁が腐り黴が生えるまでを見届けた作品の写真。
(左)死の島 (右)魔の山


従姉の蝋纈染に触発されて制作した中川さんの作品。
こんなこともこなされたのですね。


中川語録が垂れ幕でいくつも展示されてます。




写真は会場で撮らせて頂いたものですが、14分にまとめたチューリップの「天空散華」の映像も見せてもらうことも出来ます。

この節目の年に中川さんと親交のあった、かたちの笹山さんが中川幸夫さんについて語り、映像「華いのち 中川幸夫 」(90分)を見ながら、今私達が中川幸夫さんから学ぶべきことを話す会を企画しています。映像にはパートナーの半田唄子さんの花の作品も出てきます。この方も凄いです。中川さんもかなり影響を受けているし、互いが欠かせない存在だったと思います。笹山さんからでなければ聴けない話もありますし、詳細はこれからですが、ぜひ多くの方にご参加いただきたいと思います。

日時は5月28日(土)13:30~
鶴川ポプリホール 会議室
関心のある方はHPからご連絡ください。

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【中川幸夫没後10年回顧展ー消えない衝撃と記憶】

・会期 ~4月30日(土)
・開場時間 10:00 —17:00(入場は16:30まで。月・火、休み)
下記のイベント、講演日(4/16)は展覧会のみの観覧の受付はありません。
・大人 1,000円  学生/20歳未満 500円 (税込)

[特別イベント]

[特別講演]
4月16日(土) 実川暢宏(元銀座自由が丘画廊店主)
「画廊店主と作家・中川幸夫」

講演は各2回(どちらかをお選びください)。
13:00~14:00  15:00~16:00  各回定員20名
2,000円(税込)★展覧会観覧料含む。
・会場 SHONAN 喃(nan)の風 神奈川県藤沢市鵠沼橘1-9-10(江ノ電 石上駅下車3分)
・ご予約・お問い合わせ:イメージ・テン(谷光)まで 
fwie3377@nifty.com  携帯 090-3802-2760








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