ワカメと銭婆との喜怒哀楽

年式'00のビーグル犬ワカメと'51の妖怪!銭婆が俺を困らせ悩ませる 痛快娯楽な毎日

オヤジのチャーハン

2008-09-23 19:08:37 | Weblog
新潟県は、無類のラーメン王国だ  と、よく言われる

オイラもそう思う 10年ほど前まで、大元と言うラーメン屋があった。

そこは、ガンコそうな親父と、やさしそうなオバサンが、夫婦二人でやっていた。

オイラが食べるラーメンは、味噌ラーメン! それにギョウザ! この二つは

相性ピッタリで、とてもウマイ 何故なのか、味噌ラーメンの時、

スープが表面張力で頑張っているほど、タップリと入っていて、まず、必ず

レンゲでスープをすくって飲んで、スープがこぼれない様になってから、

やっと本当にラーメンを味わえる ギョウザは、ちょっと大きめで

肉汁が口の中でとろけて実に旨い 親父に「ギョウザも旨いねぇ! 」

って言っても、ニコリともしない ニコリともしないが うれしそうな

感じが読み取れる しかし、ここで、本当に絶品なのは、

チャーハンであった あそこのチャーハンより美味い所は、まだ味わってない、

注文すると、中華鍋でお玉をコンコン言わせて、あっという間に出来てくる

フカフカで実に美味い、親父が出前とかで出かけたりして、

おばさんが仕方なく造ると同じ材料なのに味が全然違う 

でも、おばさんのニコニコ顔を見ると、味は違うのに何故かガッカリしない

そんな美味しく楽しく食べてたチャーハンも、親父の入院で、しばらく食べれなく

なって、オイラはガッカリしていた。オヤジは喉に癌が出来ていて、

もう治らないらしい、との噂をきいた。1・2ヵ月か経って、あの親父がまた

厨房に立っていた。でも見ると前の生き生きとした姿はなく、 

いかにも「 最後位は、店に立たせてくれ!」って感じの親父の姿に、思わず

涙が出そうになった。味噌とギョウザと、やっぱりチャーハンを頼んで、おばさん

が運んできた3点を、おいしく平らげた

勘定を払う時に、おばさんに「チャーハンうまかったよ」って言った

本当は親父に言いたかったのだが、また知らん顔されるので、親父にも聞こえる

ように言ったのだ  おばさんはオイラの気持ちを察したのか

「ありがとうね ありがとうね」ってこらえ切れずに涙を流して

何度もお礼を言ってきた。 オイラは、この夫婦が好きだ。親父は後ろを向いて

いたから顔は見えなかったが、オイラの気持ちが通じた気がした。

それから数日後、店が閉じてあり 隣に白黒の幕が垂れていた・・・

今も、その名前の店があるが、すでに後継ぎがメニューをすべてかえてあり、

最初に行ったっきり、それからは行かなくなった。

それは、味だけでなく、店の持つ雰囲気全体が、メニューにある味に加わるから

・・・あの親父のチャーハンがもう一度、食べたい・・・


ブログランキング・にほんブログ村へ ランキング参加中です。応援クリックお願いします。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする