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あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

ビジネスという印籠

2013年08月27日 23時54分45秒 | Weblog
 最近、朝日新聞が「患者紹介ビジネス」キャンペーンをやっている。集中的に一面トップで批判的な暴露記事を掲載しているのだ。
 その詳細についてはググっていただきたいが、やはりこの社会がどこかで歪んでいるということが、こういう風に所々で起こる噴出でわかると思う。

 ベンチャーとかニュービジネスとかビジネスチャンスとか、隙間産業などという言葉もあるが、いつも何かうさんくさい感じがする。
 多くが、とは言わないが、それでもけっこうな割合で合法と非合法のギリギリと言うか、グレーゾーンを見つけて、そこで大きく儲けようという奴らもいそうである。
 ターゲットの家に行って、ガラクタを置いてくればビジネスだが、言葉だけでカネを取ってくれば犯罪だ。ビジネスと犯罪の境界線は限りなく薄い。

 いま一番賞賛される人間は「無から有を生む人間」である。何も無いところからカネを生み出そうという発想である。
 2ちゃんねるの「元管理人」ひろゆき氏が、現在も実質的な2ちゃんねるのオーナーであると認定され、税務当局から重加算税を課税されていたことが発覚したが、彼などは究極の「無から有」ビジネスであろう。

 こうした「ビジネス」は、また一方でいわゆるブラック企業化する。「有から有」のビジネスであっても、最初の「有」を出来る限り「無」に近づけようとするのである。

 困ったことに、しかしこれらは資本主義システムの基本原理でもあるのだ。
 とりわけ金融資本主義は文字通り「無から有」を生む文化である。ただカネを動かすだけでカネが生まれてしまう錬金術を基盤にしているのだ。

 誰が作っている風潮か知らないが、いまや「ビジネス」という言葉は錦の御旗であり、水戸黄門の印籠である。それをふりかざせば全ての人が地にひれ伏す。
 しかし「ビジネス」も資本主義も、本質的には人間社会を維持し動かすためのシステムではないのか? そこが転倒しているから社会が大きく歪むのではないのか。