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パリ同時テロ:「憎しみの贈り物あげない。君たちの負け」

2015-11-20 18:14:27 | 戦争立法
毎日新聞より転載

パリ同時テロ:ジャーナリスト・レリスさんメッセージ全文
毎日新聞 2015年11月20日 12時17分(最終更新 11月20日 15時11分)

 パリ同時多発テロで妻を亡くしたフランス人ジャーナリストのアントワーヌ・レリスさん(34)がフェイスブックに投稿した実行犯へのメッセージの全文は次の通り。

「君たちを憎むことはない」

 金曜日の夜。君たちは特別な人の命を奪った。私の最愛の人であり、息子の母親だ。だが私は君たちを恨まない。私は君たちが誰であるかを知らないし、知りたくもない。君たちは死した魂だ。君たちは、神の名において無差別な殺りくをした。もしその神が、自分に似せて私たちをつくったとすれば、私の妻の体に撃ち込まれた弾丸の一つ一つが、彼の心の傷になっただろう。

 私は君たちに憎しみの贈り物をあげない。君たちはそれを望んだのだろうが、怒りで憎しみに応えるのは、君たちと同じ無知に屈することになる。君たちは私が恐れ、周囲に疑いの目を向けるのを望んでいるのだろう。安全のために自由を犠牲にすることを望んでいるのだろう。それなら、君たちの負けだ。私はこれまでと変わらない。

 私は今朝、妻と再会した。幾日も幾夜も待ち続けてやっと会えた。彼女は金曜日の夜、出かけた時のままだった。私が12年以上前、激しい恋に落ちた日と同じように美しかった。もちろん私は悲しみにうちひしがれている。君たちの小さな勝利を認めよう。だが、それも長くは続かない。

 妻はこれからも、いつも私のそばにいて、私たちは、君たちが決して近づくことができない自由な魂の天国で一緒になる。私は息子と二人になった。だが私たちは世界の全ての軍隊よりも強い。

 君たちにかまっている時間はもうない。昼寝から目覚めたメルビルのところに行かなければならない。まだ1歳と5カ月になったばかりの彼は、いつもと同じようにおやつを食べ、私たちはいつもと同じように遊ぶ。この子の生涯が幸せで自由であることが、君たちを辱めるだろう。君たちには彼の恨みですら、あげることはない。

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