八面山だより

八面山 神護寺からのお知らせ&日常

不思議

2011-10-11 15:14:45 | インポート
護摩が終わる頃に男性がロウソクに火を灯していた。

どなただったかなあ~と思い御洗米の説明をしたら『若松の~』でSさんの弟さんだと直ぐに分かった。

『先月お姉さんが亡くなりましたので仏様に報告にきました』と涙ぐんでいました。少しSさんの思い出話しをして別れましたが…。


また少し後に『あれ?Sさんの娘さん?』と思われる方が家族で本堂に参られました。

やはりSさんの娘さん家族でした。

『駐車場で叔父に逢い驚きました。』とのこと若松と八幡からでしたが…。


お山で合うとは亡きSさんが巡り合わせてくれたんでしょうねえ。


とお話ししました。

晩年はSさんは弟さんに若松から乗せて貰って来てたのですが…弟さんはSさんが来れなくなってからは一人で参りに着ていたそうです。

何年か前に最後にSさんが娘さん家族と来られた時に『次は車を上まであげて下さい楽ですよ』と話したのをお婿さんに言われ私も思い出しました。


きっと一人で遠方から来ている弟さんの事が心配で娘さん達に『山に来るときは弟をお願いね』と伝えたかったのかなあー?

優しい方でした~。

Sさんは初代の爺ちゃんに子供の時にお母さんと着ては参って貰った!とひょうきんな方でした。


若松からの疎開時代に鍋島から山にお参りにくるのは楽しみだったそうで。

元気な時には、境内の仏様に一つつぶずつ飴をお供えしバスが来るまで歩きながら山を下るのが楽しみ。

と以前言ってました!


次の代に信仰を引き継ぎたかったのでしょうか?


きっと辛い戦時中の思いの中に純粋な信仰が生まれたのでしょう。


可愛らしいお孫さん二人が亡きオバチャンの為に真剣な顔で手を合わせてました。


不思議には中々出会えません。お金をだして巡り逢えるものではありません。


純粋な仏様への祈りが為すことです。


Sさんの約七十年の祈りの不思議を感じました。