DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(バンタム級:1994年5月16日)

2024年05月16日 05時50分05秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年5月16日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
バンタム級戦(10回戦):
WBCフライ級王者勇利 アルバチャコフ(協栄)TKO9回40秒 小林 宏(角海老宝石)

*現役の世界王者が無冠戦に出場するという事は、現在(2024年)の日本のリングではもちろんのこと、1990年代前半にはすでに非常に珍しい事でした。そんな希少価値のある戦いが30年前に行われています。

次の試合で指名挑戦者との防衛戦を予定していた勇利。前年の師走に防衛戦を行っていましたが、試合感覚を鈍らせないために、1992年に日本王座を獲得した経験を持つ小林を相手にノンタイトル戦のリングに登場しました。

(現役の世界王者と無冠戦のリングで拳を交えた小林)/ Photo: 角海老宝石ボクシングジム

当初の予定ではジュニアバンタム級(現スーパーフライ級)のリミットで行われる予定だったこの試合。しかし意外にも世界王者が契約体重を作れず、一階級上のバンタム級リミットの試合として決行されました。

この試合をあくまで調整試合として位置付けていた世界王者と、「大物を食ってやろう!」と意気込む元日本王者の一戦。格下選手の奮闘もあり、見てる側からすると中々面白い試合でした。実際に8勝10敗1引き分けの元日本フライ級王者小林を相手に、少々余裕を持ちすぎた感のあったこの日の有利勇利。自ら好んでロープを背負って戦う場面が目立ちました。そんな勇利を相手に小林は、ねちっこい連打で現役の世界王者に肉薄していきます。

(現役の世界王者が無冠戦のリングに登場)/ Photo: TBSテレビ

打たれても、打たれても前進を続けた小林でしたが、やはり勇利との実力差は大きすぎました。最後は世界王者のアッパーを中心とした攻撃の前にダウン。自陣営からのタオル投入で救われた形となりました。

敗れたとはいえ、会場からはその勇気に大きな歓声を貰った小林。その後世界挑戦の機会はもちろん、日本王座への返り咲きもなりませんでした。しかし偉大なる世界王者の戦績にその名を留める事には成功しています。

ボクシングの興行の形態が大きく変化した今日この頃。選手としては実戦をどれだけ少なくし、その反面どれだけの大金を稼ぐかが焦点となっています。自らの肉体を酷使して試合を行うボクサーとしては当然の考え方と言っていいでしょう。しかし自分のようなオールドファッションにとり、世界王者でも無冠戦を含め定期的に試合を行っている姿を、もっともっと見てみたいというのが本音です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする