弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

「地域手当」と「最賃格差」どっちが卵で 鶏か?

2024年05月08日 17時54分41秒 | 世相

「このままでは裁判制度が危ない…」国を相手に「違憲訴訟」を提起
 “現職裁判官”が語る、裁判官・公務員の“地域手当”「深刻すぎる問題」とは
(弁護士JPニュース)
https://www.ben54.jp/news/1130

私も騙されていたが、国家公務員の賃金、特に地域手当は、その地方の民間賃金水準に準拠して率が設定されていると思い込まされていた。
しかし、本当は逆ではないのか?というのが、私の抱いた疑問である。

少なくとも、国家公務員の地域手当の水準が、なぜか各市町村の地方公務員にまで中央省庁から押し付けられている構図は、多くの地方公務員が証言し、地方公共団体が見直しを要望しているとおりであろう。
そして、その市町村の民間賃金水準は、実際上、その市町村の地方公務員の賃金水準で抑えられているのではないだろうか。
そうだとすれば、中央と地方との民間賃金の格差は、実は人事院・財務省を中心とする中央官僚が決めていることになる。
東京23区の地域手当を20%と極めて高率に設定しているのは、霞が関・永田町・隼町界隈だけで異動を繰り返している高級官僚が、高給を維持するためにほかならない。

国家公務員の地域手当の格差は最大20%、最低賃金の最大格差もこれに近い24%余である(東京都1113円/岩手県893円≒1.24)。前者は市区ごと、後者は都道府県ごとという違いはあるが、両者が無関係とは言い難い。民間賃金水準の格差を縮小するためにも、国家公務員の地域手当の格差はできる限り縮小すべきだと思う。


いきなり完売 かと思ったら Amazon河の 氾濫か?

2024年05月07日 21時43分18秒 | 裁判

私の本のAmazonサイトに不備があり、これまでのご注文は通っていますが、追加注文分から新アドレスに変更になりました。
今後は下記アドレスにご注文をよろしくお願いします。https://www.amazon.co.jp/dp/4904497554


宿直命じて 宿泊料も払わぬ「ブラック 裁判所」

2024年05月07日 00時00分19秒 | 裁判

昨日の出題の正解は、
①宿直手当が支給されない
ばかりか、
②宿直室が無い
ため、ホテルに泊まるが、
④ホテル代を支給されない
の三つ。

③泊まるホテルを指定される
については、豊橋支部ではそういう事は無いものの、例えば、新潟地裁三条支部では、アパホテルと指定されているという。そして、あたかも当然のように、宿直の裁判官がホテル代を自己負担させられている。

なんで、この程度の手当ができないのだろうか。最高裁事務総局の能力を疑わせるには、この一事のみをもってしても十分であろう。


令状当番 ホテルを指定 されて代金 自腹かな

2024年05月06日 00時51分24秒 | 裁判

久しぶりに裁判所オンブズマンより出題。

名古屋地裁豊橋支部(豊橋簡裁)で宿直の令状当番を順番に割り当てられる裁判官の待遇で、正しいものは次のうちどれか。
①宿直手当が支給されない。
②宿直室が無い。
③泊まるホテルを指定される。
④ホテル代を支給されない。

(参考)裁判所支部問題を取り上げた朝日の連載4回目(最終回)

本庁と支部間50キロ、裁判官はタクシーで往復 「入りにくい予定」
https://www.asahi.com/articles/ASS4S0T2GS4SULFA00CM.html

(写真)連載3回目で取り上げた長野地家裁佐久支部の問題は、昨秋の日弁連人権擁護大会で佐久市長自身が充実を訴えた。エレベーターについては、地元自治体で設置費用を負担すると申し出たが、最高裁は謝絶したという。


長官会見 存在感の 薄さに泣きて「一歩前に出ず」

2024年05月05日 00時04分13秒 | 裁判

毎年恒例の会見の報道から。

最高裁・戸倉長官、導入15年の裁判員制度「安定的かつ順調に運営」 憲法記念日を前に会見
(日テレNEWS NNN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/dce5100744c23c9a0a6dc7b40a312d99b51adc65

(写真)中日新聞では2面の左下のベタ記事だった。元社員によると、全国ニュースのうち最もどうでもいい記事の定位置だとのこと。
まさに「存在の耐えられない軽さ」。
クイズに出題されても、誰も名前を答えられないだろう。
今月以降、最高裁判事が手分けして出張し、一部の地家裁を巡回するのだが、最高裁はこれを「憲法週間行事」の一つと称している。何という内向きの組織だろうか。


買ってくれたら 活字で読める 過日の講演「完全版」

2024年05月04日 00時53分44秒 | 裁判

私の本のタイトルにもなっている講演「裁判官の良心とは」は、昨年10月29日、たまたま61歳の誕生日に、母校である愛知県立時習館高校の創立130周年記念行事の中で、同期生の代表として行わせていただいたもの。
YouTubeで見ることもできる。
https://youtu.be/s55rYJSD6iY?si=0b1yV14R6xuxMUaJ

もっとも、当日は、高校の授業と同様に50分という時間制限があり、尻切れトンボにならないように原稿を用意したものの、やはり最後の方は時間が足りなくなり、端折らざるを得なかった。
本の第1章に掲載する講演原稿は、用意していた完全版である。ぜひ、全文を読んでほしい。

(写真)講演時に使用したスライドから

既に講演から半年以上経過したが、末尾の最高裁係属中の事件のうち、旧優先保護法による不妊手術を受けた原告の国家賠償請求訴訟の数件が大法廷に回付され、奇しくも本の出版日である今月29日に口頭弁論が開催されることが決まった以外は、特にこの間の情勢の変化は無く、原稿の修正は要しなかった。

今後の最高裁判決は注目を要し、最高裁裁判官一人一人の意見が判決に表示されるので、次回衆議院総選挙と同時に行われる最高裁裁判官の国民審査で✖︎を付けるべき裁判官を決める際に参考にしていただきたい。


憲法76条3項「良心」とはなにかを 解き明かす

2024年05月03日 12時52分05秒 | 裁判
私の新著「『裁判官の良心』とはなにか」のタイトルを都々逸に。
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目指せ!「ザ・ベストテン」登場。

「値段は高いが いい本です」よ Amazon河を 渡りましょう

2024年05月02日 09時25分38秒 | その他

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お待たせしすぎたかも知れません。
今度こそ出ます。


一に「地域」で、二に「減俸」で、三、四が無くて、五に「差別」

2024年05月01日 09時22分40秒 | 裁判

提訴予告記者会見への反響を踏まえて、訴状の記載順序の方針を練り直した。
私の当初計画では、地域手当に関し、
①裁判官の減俸による憲法違反
②地域手当の不均衡による違法
③私個人の昇格昇給差別の違法
の順にしようと思っていたが、
①と②の順序を入れ替えたい。
裁判官だけの問題にはせず、全国家公務員、更には悪影響を被っている全地方公務員、もっと言えば、最低賃金格差に現れているように低賃金に抑えられている地方の民間労働者まで糾合した闘いにするためだ。

今日は「メーデー」。
元労働弁護士である私は、任官後も有休を取り、デモ行進後の懇親会だけには欠かさず参加するようにしている。

来年からは、労働裁判の原告本人として、デモにも参加できそうだ。


「次の一手」を どう指すつもり? 6月末には「切れ負け」に

2024年04月30日 18時03分52秒 | 将棋

現在の戦況を、目下進行中の将棋の名人戦になぞらえれば、フルセットの激闘の末に惜しくも失冠した岡口前名人のリベンジとばかりに、先手番となった挑戦者の私がいきなり仕掛けて開戦したところ。
奇襲を受けて後手を引いてしまった対局相手の現名人は長考中である。
だからと言って、いつまでも「次の一手」を指さないと、ルール上、無様な時間切れ負けになってしまう。

私の作戦は既に明らかにしたとおりで、5月半ばにまたこちらの手番が回って来るので、6月中には否応なく相手の手番となり、どういう応接をするのか態度を明らかにしなければならない。

などと思っていたら、突然、相手の手番が巡って来てしまった。「次の一手」は、悪手を指せば形勢が大きく傾く。
おそらく想定外の事象の発生で、相手は連休明けには「次の一手」を指さざるを得なくなった。

そして、7月1日には間違いなく、またまた相手の手番が来る。

次回の自戦解説に乞うご期待。
(意味が分からない方は、お近くの裁判所関係者に教えてもらってね。知らんけど。)