弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

再審請求 通した人は「裁判官から 弁護人」

2021年05月18日 19時20分20秒 | 裁判
昨晩のフジテレビ「イチケイのカラス」では、主人公の入間裁判官が、弁護士時代に弁護人となっていた再審事件を裁いていた。
確かに、再審申立事件の担当裁判官については、原裁判の担当裁判官ではいけないという規定は見当たらない。上級審では原審関与の裁判官が除斥されるのとは対照的だ。このあたりにも、再審法制の不備があるのかも知れない。
もっとも、実際に重要な再審では、原裁判に関与した裁判官は回避せざるを得ないだろう。最近も実際にそういう事例があったし、ドラマの中でも忌避申立てをされていた。
実は、逆に再審申立事件を担当した裁判官が弁護人になった実例ならば存在する。有名な財田川事件だ。再審を求める元死刑囚の手紙を見た裁判官が冤罪を確信し、退官して再審請求の弁護人となって、再審開始決定を勝ち取る成果につなげた。もっとも、公務員として担当した事件の弁護を禁止した弁護士法に違反するとして、所属弁護士会から懲戒処分を受けたという。