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夏の参院選、首相方針=7月10日投開票!/衆院解散は年内か2018年か? (時事通信)2016.5.1

2016-05-01 23:52:04 | 政治 選挙 

時事通信 http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050100059&g=pol

参院選7月10日投開票=同日選は見送り-首相方針

 首相は、夏の参院選を「6月22日公示-7月10日投開票」の日程で実施する方針を固めた。熊本県を中心とする大規模地震の影響を受けた被災自治体の事務負担は重いものの、政府は災害復旧作業を加速しており、乗り切れると判断した。一方、参院選に合わせた衆院解散・総選挙は、被災地の混乱につながりかねず見送る方針だ。

衆院解散、年内か=年越せば任期満了近くも-政局シミュレーション

 複数の政府関係者が1日、明らかにした。首相は6月1日までの今国会の会期を延長しない意向。国会閉幕後、各党は参院選に向け事実上の選挙戦に突入する。
 7月10日投票の場合、公示日は通例では6月23日となるが、沖縄「慰霊の日」と重なるため、県民感情に配慮し1日前倒しする。選挙期間は通常より1日延びる。首相は同23日に行われる沖縄全戦没者追悼式に出席する予定だ。
 会期末が6月1日なら、投票日は日曜日とした場合、公職選挙法に基づき、(1)同26日(2)7月3日(3)同10日(4)同17日(5)同24日-のいずれかになる。このうち、7月3日以前は、選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げが法施行前で適用されない。自民党内では、7月17日は連休中のため有権者の反発を受けかねず、同24日だと「選挙運動が息切れする」(関係者)との声が出ていた。
 一方、首相は4月29日の日本テレビ番組で「(熊本地震に)全神経を集中していく思いで取り組む。全く衆院解散については考えていない。今まで考えていなくて、今も考えていない」と述べた。
 首相は衆参同日選の可能性について、当初は先の衆院北海道5区補欠選挙の結果も見極めて判断する構えだった。だが、大規模地震が発生、政権にとって被災地の復旧が急務となる中、同日選に踏み切れば「政局優先」との批判を招きかねず、見送りが妥当と判断したもようだ。 (2016/05/01-14:36)

 

時事通信http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050100063&g=pol

衆院解散、年内か=年越せば任期満了近くも-政局シミュレーション

 首相が夏の参院選と同時の「衆参同日選」を見送る意向を固めたことで、この先の衆院解散のタイミングが政局の新たな焦点となる。政府・与党内では、年内実施と、首相が自民党総裁任期満了を迎える2018年の二通りの見方が有力だ。

野党共闘なら7選挙区で逆転=参院選1人区で得票試算

 ◇増税判断が焦点
 解散時期を占う大きな材料の一つが、17年4月からの消費税増税の是非をめぐる首相の判断だ。物価上昇目標を達成する妨げになったり、熊本地震の復旧・復興に水を差したりすると判断すれば、首相は増税延期を決断する公算が大きい。
 政府関係者の一人は、首相が増税先送りを表明する場合、「参院選後になる」とささやく。選挙の争点から外し、野党が「アベノミクスの失敗」と批判するのをかわす狙いからだ。
 増税の是非の判断は、軽減税率導入や17年度予算編成の準備もあり、今秋がデッドラインとされる。その頃に増税先送りを表明すれば、野党から速やかに国民の信を問うべきだとの声が高まるのは必至。首相が受けて立ち、秋の臨時国会で解散に踏み切る可能性がある。
 首相が予定通り17年4月から税率を10%に引き上げる場合でも、国民に不人気な増税の直前や、景気の落ち込みが予想される増税後の一定期間は解散しにくい。内閣支持率が高水準を維持する中、やはり年内解散の流れが強まることが想定される。

 ◇17年は解散なし?
 一方、首相が参院選前に増税先送りを表明した場合、参院選で有権者の審判を受ける形となる。改めて世論の判断を仰ぐ意義が薄れ、解散時期の選択肢は広がる。
 とはいえ17年7月には、任期満了を迎える東京都議選が控える。公明党は都議選を国政選挙並みに重視しており、衆院選との重複を避けたいのが本音。増税延期の表明から時間がたっており、17年中に解散する契機は現状では乏しい。

 ◇追い込まれリスク
 そこで浮上するのが18年の解散だ。首相の党総裁任期は同年9月、衆院議員の任期も同年12月。首相が第3次政権以降の成果を掲げ、解散になだれ込むケースが考えられる。
 参院選後に増税先送りを表明する場合でも、衆院で3分の2超を有する議席を減らすリスクを回避するため、任期満了近くまで解散に踏み切らないパターンがありそうだ。
 総裁任期満了間際の解散・総選挙で勝利すれば、自民党則で2期6年と定まっている任期の延長を唱える動きが党内で活発化するとみられる。
 もっとも、解散時期を先延ばししても、景気が上向く保証はない。自民党議員の失言や閣僚のスキャンダルも積み重なりつつある。任期満了が迫れば「追い込まれ解散」の様相を呈し、劣勢を強いられるリスクは高まる。自民党内で新たな「党の顔」を模索する動きが出ることも予想される。(2016/05/01-14:49)

 

 

 

 


熊本地震は知らん顔…安倍首相&7閣僚「GW外遊」に5億円 (日刊ゲンダイ2016.4.29)

2016-05-01 23:51:25 | 震災、津波

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050100028&g=pol

時事通信  首相動静(5月1日)

 

 午前10時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
 午前10時35分、私邸発。同56分、羽田空港着。同11時5分から同8分まで、報道各社のインタビュー。「先進7カ国(G7)首脳とどのような議論を」に「現下の世界経済にどのように対応していくかが一番大きなテーマになる」。同27分、欧州とロシア歴訪のため、昭恵夫人とともに政府専用機でイタリアに向け同空港発。(2016/05/01-12:23)

 

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180580より転載

熊本地震は知らん顔…安倍首相&7閣僚「GW外遊」に5億円

2016年4月29日


 大した用もないのに、今年のゴールデンウイークも安倍内閣の閣僚が次々に海外に出発する。例年に比べ人数は少ないが、安倍首相をはじめ7閣僚がアメリカやヨーロッパなどに“お出かけ”する。安倍首相は政府専用機を使い、閣僚はファーストクラスの超快適旅行だ。熊本の被災地で車中泊を続ける被災者は内心、怒っているだろう。

 特にヒドイのが林幹雄経産相だ。「日本・アラブ経済フォーラム」に参加するためアフリカ・モロッコに行くという。モロッコは日本からの直行便がなくヨーロッパや中東を経由しなければならず、移動に15時間以上かかる。

■経産省トップに問われる無責任行動

 いまも熊本では大きな揺れが続き、その近くには、稼働中の鹿児島・川内原発がある。モロッコに行っている間に川内原発で何か起こったらどうするのか。エネルギー政策を担う経産省のトップとして、あまりにも無責任な行動だろう。

「民進党が外遊取りやめを強く申し入れ、丸川珠代環境相はシブシブ取りやめたが、林経産相は“強行”した。原発がある九州で地震が頻発しているのに、原発を担当する経産相と環境相が外遊を計画すること自体、危機意識の低さを表しています」(永田町関係者)

 安倍首相も何をしに行くのか不明だ。5月末の伊勢志摩サミットへの参加国に“ごあいさつ”するため、イタリア、フランス、ドイツ、英国などを歴訪する。国名を並べるだけでも“いい旅夢気分”だ。過去に安倍首相が米国を3日間訪問した際の費用は軽く1億円を超えた。1回につき約5000万円前後とされる閣僚の外遊と合わせると、今回も約5億円もの血税が外遊に使われることになる。元外交官の天木直人氏はこう言う。

「サミット直前に参加国に行く必要はありません。すぐに会えるわけですから。安倍首相はすでに3度もサミットに参加していて、各国首脳と電話で話せるような“ホットライン”をつくれていなければいけない。それもないということなのでしょう。本来なら日本に残り、熊本地震への対応に専念すべきです」

 舛添都知事といい、国民の税金を何だと思っているのか。

 

 

 

 

 

 


国はなぜ待機児童の数を隠す? 山尾議員が掲げる「問題解消三つのポイント」田原総一郎対談

2016-05-01 22:22:06 | 政治 選挙 

http://dot.asahi.com/wa/2016042800210.htmlより転載

国はなぜ待機児童の数を隠す? 山尾議員が掲げる「問題解消三つのポイント」

(更新 2016/5/ 1 11:30)
 
山尾志桜里政調会長(右)と田原総一朗氏(撮影/写真部・岡田晃奈)

山尾志桜里政調会長(右)と田原総一朗氏(撮影/写真部・岡田晃奈)

 

 

 民進党の新しい“顔”となった山尾志桜里(しおり)政調会長。抜擢のきっかけは、保育園の待機児童問題だった。田原総一朗氏との対談で、問題解決に切り込んだ。

*  *  *
田原:当選2回の山尾さんが政調会長に抜擢されたきっかけは、保育園の待機児童問題です。山尾さんが国会で安倍首相をオタオタさせた。待機児童問題は、どうすべきだと思いますか?

山尾ポイントは三つあります。まずは、隠された待機児童の数をすべて表に出すことです。

田原:まだ表に出ていないんですか。

山尾ええ。特に政府は自治体ごとの数字を隠し続けています。最初は「全国で2万3千人」と発表していたのが、育休をカウントしていないことなどを私が追及したら8万3千人まで増えた。今度はそれを自治体別に出せと言っているんですが、厚生労働省は数字を持っているのに出さないんです。

田原:なんで出さないの?

山尾:自治体に遠慮しているんですかね。「表に出す前提で各自治体にアンケートをとっていない」と言うんですが、それなら公表させてほしいとあらためて頼み、拒否した自治体は「未回答」とすればいい。

田原:数字を出すと、何か不都合があるんですか?

山尾:正しい数字を公表されたら困る自治体があるのでしょう。これまでは自治体ごとに待機児童数の集計のモノサシがまちまちで、東京都世田谷区のようにしっかり集計するところは数字が大きくなる一方、カウントを小さく見せていた自治体もあった。でも、その数字を信じてその地域に引っ越してしまう親が出てくるし、保育事業者も需要がないと思って集まらず、いつまでも保育園が増えない。国が「ダメ」と言う覚悟が必要なんです。

田原:国会でガンガン追及してほしい。

山尾二つ目は、質を落とさず量を拡大しようとしたら、保育士の給与を上げるしかない。

田原:保育士の平均賃金は全産業平均より月約11万円安いんですよね。

山尾:ええ。これを5万円上げれば、手取りでようやく20万円に届くイメージです。民進党はもう法案を提出しています。

田原:一方、自民党はそれより少ない現状プラス2%、約6千円のアップを提示している。で、民進党の5万円なんて根拠がないと言っていますね。

山尾:保育士という仕事でやっていけるという一つのメッセージになれば、それが大きな根拠になると思います。国の予算で約2700億円かかる計算ですが、得られる効果は大きい。

田原:次の消費増税の際に導入される軽減税率の予算が約1兆円。これをやめたらできます。山尾さんもお子さんがいますね。

山尾:ええ。5歳の息子がいて保育園に預けていますが、政調会長になって寝顔しか見られない夜が多い。保育の当事者たちの話を聞いていても感じるのは、保護者にしかできない子育ても大切だということ。働く親にも子どもと過ごす時間がある社会が望ましい。そこで三つ目、長時間労働の規制や、きちんと休憩時間を確保する「勤務間インターバル規制」などを法案として提出しました。こうした政策のパッケージを考えています。

週刊朝日  2016年5月6-13日号より抜粋

 

 

 

 

 


海外邦人ら「9条守れ」「平和憲法」価値、離れてこそ実感~「9条は真珠」と語るデイビットさん

2016-05-01 17:54:02 | 憲法

東京新聞 TOKYO Web
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016043002000235.htmlより転載

海外邦人ら「9条守れ」 「平和憲法」価値、離れてこそ実感

 安全保障関連法施行で戦争放棄を掲げる憲法九条の精神が揺らぐ中、外国人や海外に住む日本人に「九条を守れ」との声が広がっている。「平和を願う九条は真珠のような存在」「平和国家という財産を捨てれば、現地の日本人を危険にさらす」。外国で実際に暮らし、離れて日本を見た立場から、七十年戦争をしなかった国の「平和憲法」に価値を見いだしている。 (寺岡秀樹)

 「九条は平和を願う精神が反映され、真珠のようなもの。他に類がなく、光った存在です」

 カナダ国籍で、二〇一一年に来日した日本基督教団職員デイビット・マッキントッシュさん(55)=東京都杉並区=は流ちょうな日本語で訴えた。神奈川県座間市の主婦鷹巣直美さん(39)が立ち上げた市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」(相模原市)実行委員会の署名に協力している。

 中学まで日本で育ち、カナダに帰国後、平和問題に関心を持った。〇五年、カナダ人や在住日本人らでつくる「バンクーバー九条の会」の発起人に。移り住んだトロントでも九条の会を立ち上げた。バンクーバーの会員は約二百人を超えている。

 再び来日した後は、平和問題の勉強会での通訳などで九条に関わった。カナダの外相が二月、安保関連法を歓迎したことを受け、バンクーバー九条の会などは発言の撤回を求める抗議声明を出した。「理想だけではいけないが、理想を掲げることなくしては、人類は悪い方向にしか進まない。多くのカナダ人に九条を知ってほしい」

 安保関連法に反対する海外の日本人らが昨年八月に結成した「OVERSEAs(オーバーシーズ)」には、約二週間で八十四カ国、約千二百人から賛同署名とメッセージが集まった。

 「OVERSEAs」は現在、ニューヨークやパリなどで九条の精神を広める活動も行っている。発起人の武井由起子弁護士(48)は中国に赴任した経験などから「いかに自分が『九条の防弾チョッキ』に守られていたのか分かった。アメリカと同類とみなされ、テロのターゲットになるリスクが高まるなど、安保関連法の一番の当事者は海外在住日本人だ」と訴える。

 鷹巣さんは五月三日の憲法記念日を前に「世界の人が九条の精神を支持し、一緒に広めてくれていることは心強い。インターネットが発達し、一人一人が意見や考えを発信できる時代。『外交』はもはや国の専売特許ではなく、市民によって国より強力な『外交』を行うことができる」と話している。

◆「OVERSEAs」に寄せられたメッセージ(抜粋)

 「戦後、日本が1人の戦死者も出さなかったことを外国の人は知っている(から)私たちは海外で安全に暮らせる。国民を守るという意味で本当の安全保障」(男性・オーストラリア在住)

     *

 「日本人であることに憎しみの目を向けられたことはない。どの宗教、どの国も攻撃しない9条の精神に守られた国だから」(元青年海外協力隊員・中南米在住経験)

     *

 「安倍自民の進める安保法制、憲法破壊を許すわけにいかない。自民党の掲げる憲法改悪・破壊草案は立憲主義という人類が多大な血を流して獲得した智慧(ちえ)に逆行するもの。かつて満州国と呼ばれたこの土地で中国人たちに受け入れられ、支えられている私自身の果たすべき役割」(男性・中国在住)

 

 

 

 


【駆けつけ警護はしてほしくない。自衛隊が南スーダンでできること】人道危機の最前線で(根本かおる)

2016-05-01 17:52:30 | 平和 戦争 自衛隊

  
【駆けつけ警護はしてほしくない。自衛隊が南スーダンでできること】
SEALDsさんFBより

みなさんに是非読んでほしい記事がありましたので、シェアします。現在、南スーダンはどのような状況なのか、そして自衛隊は現地でどんな活動をしているのか、とても具体的、かつ住民の立場に近く書かれています。

📌シリーズ「今日、そして明日のいのちを救うために - 世界人道サミット5月開催」(10) http://www.huffingtonpost.jp/unic/theun_b_9783196.html

国連広報センター Headshot 

シリーズ第10回は国連広報センターの根本かおる所長による、南スーダンレポートをお届けします。

現在国連PKOミッションは世界で16ヵ所展開されており、3番目の規模の南スーダンミッション(UNMISS)は唯一、文民を保護区で直接保護しています。

5月に開催される世界人道サミットの主要な論点の「全てが凝縮しているマイクロコスモス」と根本所長が語る南スーダンの現場。臨場感あふれるレポートをお読みください。

 

投稿日: 2016年04月28日 12時06分 JST 更新: 2016年04月28日 12時12分 JST

南スーダンの人道危機の最前線で、世界人道サミットを考える

国連広報センター所長 根本かおる(ねもと かおる)

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文民保護区の様々な課題について説明を聞く著者(中央)。

左から2人目は、UNMISSベンティウ事務所の平原弘子所長 ©UNMISS Patrick Orchard

東京大学法学部卒。テレビ朝日を経て、米国コロンビア大学大学院より国際関係論修士号を取得。1996年から2011年末までUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)にて、アジア、アフリカなどで難民支援活動に従事。ジュネーブ本部では政策立案、民間部門からの活動資金調達のコーディネートを担当。WFP(国連世界食糧計画)広報官、国連UNHCR協会事務局長も歴任。フリー・ジャーナリストを経て2013年8月より現職。著書に『日本と出会った難民たち-生き抜くチカラ、支えるチカラ』(英治出版)他。

  

監視塔からの眼下に広がる光景に一瞬目を疑った。援助団体のロゴマークが入ったビニールシートがどこまでも続いていた。

ここは南スーダンの北部ユニティー地方のベンティウ近郊にある、国連南スーダンミッションの文民保護区(Protection of Civilians site、略してPoC site)。筆者が入った2016年3月半ばの時点で、およそ12万人が避難していた。

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ベンティウの文民保護区に12万人が暮らす。雨季に備えて、大きな溝が掘られている

©UNIC Tokyo Kaoru Nemoto

逃げ場を失った人々の命を救うための緊急手段として、国連PKOミッションが始まって以来初めて敷地のゲートを開放してから2年あまり。

人員・予算の規模で世界で3番目に大きい国連のPKOミッションである国連南スーダンミッションは、文民の保護がマンデートの4本柱の一つだが、特筆すべきはミッション全体でおよそ20万人の文民を各地の文民保護区で直接保護していることだ。

今でも文民保護区を管轄する国連PKOは南スーダンが唯一であり、あらゆることが前例のない模索になる。ベンティウの文民保護区は南スーダンで最大、つまり世界最大の文民保護区だ。

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国連警察のフランシス・イルバアレ文民保護区調整官(左)©UNMISS Hiroko Hirahara

「緊急避難がここまで長期化して、保護区がここまで巨大化した今、一番の課題は他にすることのない若者による窃盗や強盗などの犯罪です。保護区内に24時間体制の監視塔を増やしたり、我々のパトロール体制や保護区の出入り口の荷物検査を強化しています」とガーナ出身の国連警察のフランシス・イルバアレ文民保護区調整官が説明する。

南スーダンは2013年12月、2011年の独立から2年あまりで紛争に逆戻りし、それが今も北部と北東部ではまだら模様の状態で続く。

地域によっては小康状態が続き、最近まだわずかではあるが、文民保護区から故郷に帰還したケースも出てきた。当初人々は切迫した危険から着の身着のままの状態で国連の敷地に逃げ込んできたが、あくまでもここは駆け込み寺だ。

人々の帰還に向けた下地づくりが、現在国連南スーダンミッションにとっての喫緊の課題の一つとなっている。それには、安全の確保、水衛生・食糧・医療といった当座を支える人道援助、人々の生計を支える支援、法の支配、インフラ整備(フランスとベルギーをあわせた面積の国で、舗装された道路が200キロしかない)などをシームレスに行う中長期的な計画が、国連PKOと人道・開発援助機関とが一体となった連携をベースに、南スーダン政府のリーダーシップで実施されなければならない。

そのためには、2015年8月に署名された「南スーダンにおける衝突の解決に関する合意文書」の遵守と、暫定政府の樹立、そして草の根の和解が不可欠だ。

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配給される食糧援助が人々の命をつなぐ © UNMISS Zenebe Teklewold

「ベンティウの文民保護区に最近新たにやって来た人たちは、その理由に身の危険よりもむしろ深刻な食糧不足をあげています」

こう語るのは、国連南スーダンミッションのベンティウ事務所の平原弘子所長だ。

モンゴル軍やガーナ軍などの制服組を含め、総勢2,000人以上を統括し、人道援助機関とも連携する。PKOミッションは南スーダンが4つ目というベテランで、ユニティー地方での国連の顔だ。焦土戦術に加え、安全が確保されないために農作業ができず、収穫がなく、食べる物がない。

食糧を緊急支援しようにも不安定な情勢やアクセスの悪さから届けることができない。安全の問題と密接に結びついた複合的な食糧不足だ。

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ベンティウ事務所の平原弘子所長(右)。JICAがかつて整備したベンティウの町の浄水施設を、ユニセフが改修している©UNMISS Zenebe Teklewold

「元々暮らしていた場所により近いところで、食糧や水などの緊急人道支援を行い、人々の生活を支える援助を実施するという方向に何とか持っていきたい。

地域の人々に安心してもらい、かつ援助関係者の安全を確保するためにはPKOの制服組の活動が不可欠です。そうすれば文民保護区に避難している人たちも、少しずつ元いた場所に戻ってもいいかなという気持ちになってくれるでしょう」

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文民保護区への家路を急ぐ人々に寄り添う形でパトロールする ©UNMISS Patrick Orchard

夕方近くになると、周辺の原野をつっきって文民保護区に戻ってくる人の流れが激しくなる。ほとんどが薪の束を頭の上にのせた女性たちだ。

その流れを警護する形で、ガーナ軍とモンゴル軍がパトロールする。「以前は幹線道路に沿ったパトロールしか行っていませんでしたが、人々はどうしても近道してわき道を通る。

薪集めの行き帰りで襲われる女性たちが後を絶たないので道を人々の往来が激しくなる時間帯にパトロールするようにしました」と、国連平和維持軍でユニティー地方を管轄する北セクターのインド出身のアダルシャ・ヴェルマ副司令官が人々に笑みを返しながら説明してくれた。以前はここまでの人の流れはなかったという。

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UNMISS北セクターのアダルシャ・ベルマ副司令官 ©UNMISS Patrick Orchard

南スーダンの15歳から24歳までの女性の半数以上がジェンダーに基づく暴力を経験し、ユニティー地方については、2015年4月から6ヶ月の間に1300を超えるレイプ被害が国連などに報告されている。2016年3月11日に公表された国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の調査報告書も、女性を狙った多くの性的暴力とレイプが深刻化していると指摘している。

こうした中、パトロールが安心感を与えている。兵隊たちに微笑む人、駆け寄って握手を求める子どもたち、平原所長にすがってきて感謝の言葉を伝えようとする老女。ここでは人々が国連に信頼を寄せていることがひしひしと伝わってくる。

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文民保護区で避難生活を送る女性たち ©UNMISS Patrick Orchard

安心感が必要なのは人道援助関係者も同じだ。

PKO部隊が文民保護区周辺の町にForward Operating Base (オペレーション用の前線基地) を2015年秋に設けて以降、国連WFPが文民保護区外のベンティウの町に避難している人々への食糧配給を拡大し、今では2万人を支援している。

ユニセフJICAの支援で90年代にできた浄水施設の修復を行い、2016年2月から国際移住機関(IOM)が地域のお母さんが安心して子どもを産むことのできる、ベーシックな産科病棟を運営するようになった。

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ベンティウの井戸で水を汲む女性達 ©UNMAS Andrew Steele

そのすぐ横で、国連WFPとユニセフが協働して子どもと妊婦と子どもを産んだばかりのお母さんへの栄養プログラムを行っている。順調に進めば、4月にも複数の人道援助機関が文民保護区外での活動の拠点とするHumanitarian Hub(人道ハブ)が開設されることになっている。

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ベンティウの町では、人道援助機関の活動拠点となるHumanitarian Hub (人道ハブ)の改修が進んでいた ©UNMISS Zenebe Teklewold

前線基地に常駐するモンゴル軍が人道援助団体の活動現場の周辺を車でパトロールし、安全と安心に貢献している。小康状態の中で、緊張感を伴う活動だ。

国連南スーダンミッションのマンデートの柱の一つである「人道支援実施の環境作り」のまさに最前線。地域住民の安全にもつながる。ただ、これはあくまでも「点」の戦いだ。浸透させるには停戦合意の履行と暫定政府の樹立、そして南スーダンの人々のオーナーシップが欠かせない。

文民保護区に暮らす20万人を含め、南スーダンの国内避難民の数は170万人。それに保護を求めて国境を越え、周辺国で難民として暮らす人が70万人近くいる。あわせると人口の2割が家を追われた計算になる。そして人口の半分にあたる600万人あまりが緊急支援を必要としている。

こうした国際機関の緊急人道援助の財源は、日本を含む各国政府からの拠出によって支えられている。支援現場の多くで日の丸のステッカーが貼られているのを見た。

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文民保護区内の給水塔は日本の支援でつくられた ©UNMISS Zenebe Teklewold

人道アクセスが極めて悪い南スーダンでは物資の輸送コストが高くつく。アクセスの悪さから、輸送機からのエアドロップで届けられないところもある。

そのため、2016年に国連などが南スーダンでの人道援助活動全体に必要な財政支援は13億ドルと巨額だが、支援国などから集まった資金は4月半ば時点でまだ全体の2割にも満たない。首都ジュバの国連WFPの倉庫では、エアドロップ用に配給物資の詰め替え作業が急ピッチで行われていた。

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ジュバの国連WFPの倉庫では、エアドロップ仕様に物資の袋づめが行われていた

©UNIC Tokyo Kaoru Nemoto

国連の見通しでは、前年同期に比べて2倍近くの280万人、人口の4人に一人が食糧援助を緊急に必要とし、特にユニティー地方でおよそ4万人が餓死寸前の危機的な食糧不足にある。

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国連WFPの援助物資のエアドロップ ©UN Photo. Isaac Billy

このようなエアドロップもただ空から落とすだけではない。落下地点とそのアクセス道に地雷や不発弾などがないかという確認も必要で、事前確認を国連南スーダンミッションの必要不可欠な部門として活動する国連地雷除去サービス(UNMAS)が行う。UNMASの活動は人道アクセスを支えているのだ。

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UNMASは日本政府からの支援を受けて、ベンティウの学校で子どもたちを対象に危険回避教育を行っている 2枚共 ©UNMISS Zenebe Teklewold

また、国連南スーダンミッションに参加する日本の自衛隊の工兵部隊が作業に入る前に地雷や不発弾などの危険がないか確認するということをUNMASが行い、自衛隊が整備した道路などはさらに市民の保護につながる活動を支え、人道アクセスの改善につながる。

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道路整備に使用するマラムを搬入するダンプトラック ©陸上自衛隊 中央即応集団

南スーダン担当のエレン・ロイ事務総長特別代表は、「日本の自衛隊の方々には、乾季には酷暑、雨季には豪雨という工兵作業にとって大変厳しい環境の中で任務にあたっていただいています。

彼らのフィールドエンジニアリングでの技術と専門性はプロジェクトの成功に不可欠です。

日本隊の貢献は感銘深く、国連南スーダンミッションの職員の間のきずなにつながると同時に、国連PKOと南スーダンの人々とのきずなを一層強固なものにしています」と語り、自衛隊の仕事の質の高さをこのように評価する。

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世界エイズデーのイベントにて。エレン・ロイ事務総長特別代表と自衛隊員 ©UNMISS

日本の紀谷昌彦南スーダン大使は、東京の本省では平和構築、国連PKOや国連外交を担当し、防衛省にも出向してPKOや民軍協力に携わった経験を持つ。

自衛隊が活動する国連南スーダンミッションのみならず、日本政府が財政支援している国連の人道援助機関などの活動現場を積極的に視察し、国連との連携をアセットに南スーダンの平和構築に役立つために知恵を絞る。

「南スーダンの平和構築に向けて,日本が自らの強みを生かして貢献していく上で,国連PKOや国連諸機関との連携は不可欠です。日本は国連と連携することで,平和への貢献を一層強化できることを実感しています」と紀谷大使は説明する。

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地雷除去作業を体験する紀谷大使(右から二人目)©UNMAS

自衛隊施設隊が首都ジュバでの国連PKOの活動を支えているのみならず、道路整備を通じて人道支援の効果的実施の一翼を担う点に言及しつつ、こう熱っぽく語る。

「日本は国連と連携することで、保健、教育、地雷対策、難民支援、インフラ、人材育成など、日本が重視する分野で諸機関の専門性を活かしながら、国内各地で支援を展開することができます。南スーダンの国連諸機関には邦人職員もたくさんいます。

また、UNITAR(国連訓練調査研究所)広島事務所と連携して、日本は南スーダンの行政官やNGO職員が、日本の戦後復興の経験から学んで生かすための研修を行っています」

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日本隊との交流の場で談笑するロイ特別代表(右端)と紀谷大使(左端)

©UNIC Tokyo Kaoru Nemoto

ベンティウの文民保護区でIOMが運営する産婦人科病棟で、前日に生まれたばかりの女の子の赤ちゃんとお母さんに出会った。

これが初産というまだあどけなさが残るお母さんは、子どもを「贈り物」を意味するミュイと名付けた。大変な避難生活の中で初めて子どもを産むというのはさぞかし不安だったでしょうと声を掛けたが、お母さんは「全ては神の思召し。そう思うと何も怖くなかった」と、穏やかな表情で答えた。この国の女性の芯の強さを見た。脇ですやすやと眠るミュイちゃんに優しい眼差しを向けるお母さん。

家族が住み慣れた土地に戻り、ミュイちゃんが文民保護区外の生活を体験できるようになるのはいつになるだろうか。

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「贈り物」という名の赤ちゃんはこれからどんな環境で育っていくのだろう

©UNMISS Zenebe Teklewold

私が2009年春にケニアのカクマ難民キャンプを視察した際、キャンプは南スーダン出身の難民たちが長年の隣国での避難生活に終止符を打って故郷に帰ろうという熱気に包まれていた。

期待に目を輝かせた人々がなけなしの家財道具をまとめ、彼らが乗ったバスを見送った。その時のことを思うと、今の南スーダンの人々が置かれた状況を見るのは辛い。負のスパイラルに終止符を打ち、将来につなげるためにも、中長期的な視野を持った緊急人道援助が欠かせない。

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文民保護区の子どもたち。彼らの未来が少しでも明るいものになることを祈らずにはいられなかった

©UNMISS Patrick Orchard

南スーダンは5月に開催される世界人道サミットの5つの主要な論点(1. 紛争を予防・解決するためのグローバルなリーダーシップ 2. 人道規範を護持する 3. 誰も置き去りにしない 4. 人々の暮らしを変える 、 届ける支援から、人道ニーズ解消に向けた取り組みへ 5. 人道への投資)全てが凝縮しているマイクロコスモスだということを、改めて感じさせられた。

世界人道サミットが人道危機の中で生きる人びとに直結して成果をもたらす会議にならなければ、ということを再認識させられる南スーダン訪問となった。

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 世界人道サミット(2016年5月23 - 24日 トルコ、イスタンブール)

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