異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

山城博治氏登壇!!「私(山城氏)の起訴状には『共謀』という言葉がいっぱい出てきている!」 〔IWJ 2017.4.19〕

2017-04-24 21:37:20 | 沖縄

 

 

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山城博治さん
 

山城博治氏登壇!!「私(山城氏)の起訴状には『共謀』という言葉がいっぱい出てきている!」
 
~高野孟氏、落合恵子氏、鎌田慧氏らもスピーチ―― 4.19院内集会「沖縄はつきつける」

記事公開日:2017.4.19取材地:

 2017年4月19日(水)16時より東京都千代田区の参議院議員会館にて、安倍政治を終らせよう 4.19院内集会「沖縄はつきつける」が開催され、スピーカーに、山城博治氏(沖縄平和運動センター議長)、高野孟氏(ジャーナリスト)、落合恵子氏(作家)、鎌田慧氏(ルポライター)らが登壇した。


山城博治さん
「私の起訴状の中に、今審議中の威力業務妨害。ゲート前のブロックを積み上げた事件。この起訴状がありますが、そこにはたくさんのことが書いてありますけど、「共謀」という言葉がいっぱい出てきます。私たちは何も共謀していません、と検事さんにいうんですけども、というのですけども。「共謀」。

共謀の類型がされています。共謀罪の参考のために申し上げたいと思います。

山城博治とともにテントで寝起きをしていた、そこでずっと協議をしていた。まずひとつ「共謀」。

二つ目に寝起きをしないまでも、ゲート前に常時いて、山城のアジ演説を聴いて拍手をした。これも、共謀。

あるいは、そうでなくても何月何日までの間に、山城の話を折に触れ、随所で聴いてきた。拍手を送ったと言うことは賛意を表したということであり、それも共謀。三つ目の類型。

四つ目の類型。なんと事件とされる1月30日その日、たまたま、東京から大阪からやってきて、山城がアジった。ブロックを積んで、ここで基地建設を止めようぜ、といったことに拍手を送った、これも共謀。

なんのことはない。みんなでやる、といって拍手をした。
あるいは、拍手をしないまでも目配せをした。あるいは外を向いてるときに話が終わったから、それも了解されたんだという。それで共謀が成立しています。

私の起訴状の中に4タイプの「共謀」の類型がされています。

つまりですね。これ、実験的に、共謀とは何かというのを言ってるように思います。

早い話、ともかく、現場にいたら、みんな共謀が成立したと言うことになってます。おそろしい話です。

「組織犯罪集団」とか、「団体」とかいいます。
私たちは集団というと、「平和運動センター」とか、きょうの集会を主催してもらっています「平和フォーラム」とか「1000人委員会」とか言う団体だと思いますけれど。

今、政府が言ってる団体とか組織はそんなもんじゃないですよ。 ゲート前に集まったら、これはぜんぶ組織集団。違法な組織集団。くくりようによってはすべて、くくられます。

写真を撮って、あの日本一危ないテロリスト、山城博治がアジった!歌を歌った!カチャーシーを踊った!拍手をした!これで「共謀罪成立」です。
そしていたもの、カメラに写る顔、全部が一種の共犯としてくくられてしまう。
そういう感じじゃないでしょうか。

このことを私たちの現場でつくられて、そのことが審議をされようとしています。
必ず、この裁判に打ち勝って、このようなむちゃくちゃな先例となるような判例となるようなことについては、断固として反撃をして、みなさんとともどもに、打ち返そうじゃないですか、みなさん。
頑張っていきたいと思います!
(大きな拍手)

おととい公判があって、なんと防衛局の証言者がついたてをたてて、みんなの前から姿を消して、ボソボソボソボソと検事の誘導にしたがって、「山城がやった」「山城が指示した」「山城がやった」・・。
情けなく思いました。
そしてだんだんいらだちが高じてきました。

なぜか。高江の現地に1000人の機動隊を配置して、
県外から500人県内から500名を配置して、
あそこに集まった300~500の仲間たちを、もう、むりやり
ごぼう抜きをして、ぶん殴って、首を絞めて、車から逆さづりに落として、暴行の限りを尽くして、
私たちを罪という。
罪というなら、堂々と言えよ!

国家の存亡だと。沖縄県民にあえて申し上げるけれども、この基地建設を無しとするなら、国はもたないんだと、
これは、国防という名の、国にとって国民にとっての最低限の必要な政策なんだというのなら、そのことを堂々と言えよ!
こう思いました。

ところが、ついたてに隠されてボソボソボソボソと
首謀者は、こいつだ、こいつだ、こいつだ、という。

ふっざけるなや!

私たちを5ヶ月も6ヶ月も閉じ込めて、みんな、ジャージ着せられて、靴下も脱がされて、ゴム草履履かされて。
みんなの前で手錠をかけられて、腰紐されて、犬でも引っ張るみたいに連れ出されて、そういう屈辱の中を耐えて、 
堂々と自ら主張するんだという決意で法廷に立ってるのに。

なんですか?この官僚たち。
なんて言ったと思います??
「姿をさらすと、精神がつぶれそうだ。」と。
(会場笑)

ちょっとねぇ、君ね。冗談にもほどがあるよ!
なにいってんだねあほたれがと、言いたくなります。

ふっざけんな ばかやろう!と。
堂々と行けよ!!
(大きな拍手)

・・・・・・

 

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池上彰「私は、民主主義を信じています」 池上彰さんと考える、憲法と私たちの向き合い方 〔 2017年04月17日.〕

2017-04-24 18:37:41 | 立憲主義 民主主義

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http://kokocara.pal-system.co.jp/2017/04/17/constitution-akira-ikegami/?j_top_puより転載

「私は、民主主義を信じています」 池上彰さんと考える、憲法と私たちの向き合い方

  • 2017年04月17日

施行から70年、戦後の平和を支えてきたといわれる「日本国憲法」。一方で、常にあるのが、憲法は守るべきか、変えるべきかという議論だ。分かりやすいニュース解説でおなじみのジャーナリスト・池上彰さんは、「その前に、そもそも憲法とは何かってことを考えないといけませんね」と明快に語る。5月3日の憲法記念日を前に、池上さんに、憲法が私たちの暮らしにどう関わっているのか、私たちは憲法にどう向き合うべきかを聞いた。

「権力者は権力を濫用したがる。それを“縛りつける”のが憲法です」

――池上さんは、憲法に関するご著書『超訳 日本国憲法』を書かれていますね。憲法とは、ひと言でいうと何なのでしょうか?

池上 それを考えるには、まず憲法と法律の違いからにしましょう。法律には、国民が守るべきことが定められていますよね。一方、憲法とは、国民の自由と権利を保障するものです。そして、憲法を守るべきはその国の権力者なんです。

 以前、ある国会議員が「今の憲法には国民の権利しか書かれていない。けしからん」というような発言をしましたが、憲法が何かをまったく理解していないと言わざるを得ません。権利ばっかり書いてあって、義務が少ない? 当たり前です。そもそも憲法というのは、個人として尊重される権利、健康で文化的な生活を営む権利、自由や幸福を求める権利といった、国民の権利を明らかにするためのものなのですから。

写真=坂本博和(写真工房坂本)

 憲法にも、国民の義務について触れている条文もありますよ。はい、何だったか言えますか? そう、学校で習いましたよね。教育、勤労、納税です。この3つだけは憲法の中で私たちに義務として課せられていますが、これも、国民が守らなければならない具体的な中身に関しては法律の定めによります。

 人間というのは、権力を手にしたらどうしても行使したくなる。ついつい人々をコントロールしたくなる。それに対して、いや、それはダメなんだよって、権力を持たない私たち一般市民が権力者に対して「これだけは守りなさい」と縛りつけるものが憲法です。どんな権力も憲法に従わねばならない。この原理を、少し難しい言葉で“立憲主義”といいます。

 私が立憲主義を強く実感したのは、今の天皇が即位されたときでした。あいさつに「みなさんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い……」というお言葉があったんです。天皇が「憲法を守らなければいけない」という意識を常に持たれているのだということが衝撃でした。びっくりすると同時に、天皇の決意というものを感じましたね。

権利の上に眠っている者は、権利を受ける資格はない

――憲法がある限り、私たちの自由や権利は永遠に保障されていると考えてよいのでしょうか。

池上 いえいえ、それは甘いというものです。法律の基本的な概念として、“権利の上に眠っている者は、権利を受ける資格がない”というのがあります。何もしなくても権利が守られていると安住していると、いつしかその権利は失われてしまうかもしれない、という警鐘です。

写真=坂本博和(写真工房坂本)

 日本国憲法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と書かれているんですよ。私はこれを読むといつも厳粛な気持ちになります。権利というのは、常に自分たちがしっかり守り主張していかなければ保持できない。私たちは常にこのことを肝に銘じたいですね。

 たとえば、イギリスのEU離脱を決める国民投票でもアメリカの先の大統領選挙でも、事前の世論調査とは反対の結果になりましたね。あれは、「わざわざ自分が行く必要はないだろう」とか「積極的には支持したくない」と言って棄権した人が大勢いたという結果も反映されています。今になって「こんなはずじゃなかった」と嘆いても、後の祭りです。有権者であっても、投票に行かなければ権利は行使できません。結果がどうであれ文句は言えないし、行かなかった人の責任だよねってことです。

イギリス議会前で行われたEU離脱残留派による抗議(写真=2017年3月25日・AP/アフロ)

 憲法にうたわれている表現の自由も、権力者が「どうぞ」と守ってくれるものではありません。どんな思想の権力者だって、メディアをコントロールして、自分たちの政権に都合のいいようなことを言いたくなるんですよ。もちろん政治がメディアに介入しようとするのはけしからんことですが、そもそも権力者とはそういうもの。メディアはそれをはねつけなきゃいけない。そのとき闘いの武器となるのが、憲法に書かれた“表現の自由”です。

私たちの今の暮らしは、先人たちの“不断の努力”によって整えられてきた

―― 不断の努力で自由や権利を守るといっても、私たちは具体的にどうすればいいのでしょうか。

池上 これは憲法に違反するのではないか、権力の濫用ではないかと感じたら、それを声に出していくことです。場合によっては裁判に訴えてでも守っていかなければいけないこともあります。

 私は社会部記者時代、消費者問題を扱っていたことがあるのですが、例えば、終戦直後の「不良マッチ撲滅運動」を例にあげてみましょう。不良マッチ撲滅運動と聞いて、ピンとこない人もいるかもしれませんが、当時、マッチといえば火のつかない粗悪品がはびこっていました。そこで、「火のつくマッチを売るように行政が監督すべきだ」と消費者が運動して、やっと、まともなものが出回るようになったんですよ。

写真=坂本博和(写真工房坂本)

 そのほかにも、商品の不当表示に異議を唱える運動、食の安全を求めて国に施策を要求する運動など、生協や主婦団体をはじめとする消費者運動こそ、憲法25条に保障されている「健康で文化的な生活を営む権利」を自分たちの手で勝ち取っていったよい例ですね。

 あるいは、私が小学校に入学したころは、教科書はまだ有料でしたが、1963年に無償化されました。憲法26条2項に、「義務教育は、これを無償とする」と書いてあるでしょう。最初は授業料が無料という意味に解釈されていたのですが、「義務教育には必ず教科書を使うのだから、教科書代も無料にしなければ憲法に反する」と訴える人々がいたからこそ実現したことです。

 このように、私たちの社会に健康で安心して暮らせる条件が整えられていった背景には、「憲法で保障されている権利を守れ」と声を上げて行動した戦後のさまざまな取り組みがある。私たちが今平穏に暮らせているのは、まさに先人たちの“不断の努力”のおかげであることを忘れてはいけませんね。

「一人ひとりが自分の頭で考える。それが民主主義です」

――メディアに引っ張りだこの池上さんですが、ご自身の意見はあえて明言しないようにしていると聞きます。なぜですか?

池上 それは、私が民主主義を信じているからです。「池上さんはどうですか」「どう思いますか」と聞いてくる人はいっぱいいるんですよ。でも、私の意見は極力言わない。その代わり、それを判断するための情報や知識を提供して、分かりやすく解説することに徹しています。

 民主主義というのは、充分な情報と知識を与えられた、自立した市民が自分の頭で考えて物事を決めるものだと思います。何でも「池上さんどうですか」と聞いて、私が言うことに従うというようなことは、すごく危険なこと。だから私はそこを冷たく突き放すんです。

 だれが何を言おうと、一人ひとり、自分の頭で考えなければならない。ただし、正しい判断をするためには材料が必要だから、十分な情報を提供しようと。あるいは、役人や政治家が難しいことを言っていたら、分からないままだまされてしまわないように、そこは分かりやすく説明しましょうと。そういうことなんです。

写真=坂本博和(写真工房坂本)

 私が民主主義を素晴らしいと思うのは、人間は間違えたり行き過ぎたりするもの、というのを前提にしていることです。選挙ってね、任期付きの独裁者を選んでいるようなものなんですよ。強い力で国を引っ張っていってもらいたいから、任期限定で独裁権を与えている。独裁国家はそれがずっと続きますが、民主国家は、「この人、ダメだな」と思ったら別の人を選ぶことができるんです。

 間違えてとんでもない人を選んでしまうこともあるけれど、それに気がついたら修復する仕組みが備わっている。それが民主主義です。だから、とにかく自分の頭で考えて投票に行く。投票に行かないのは“権利の上に眠っている”ことなんですよ。

何がよくて何が悪いか、国民の思いはどこにあるのか、みんなで議論を

――国民の一人ひとりがしっかり学んで自分なりの意見をもつことが大事ですね。最後に、「憲法を守るべきか、変えるべきか」という議論について、考えるヒントをいただけますか?

池上 憲法を変えることにやみくもに反対するのはどうかなと思います。そもそも日本国憲法は“不磨の大典”(※1)ではありません。憲法第96条には、ちゃんと改正の手続きが書かれているんですから。「憲法を変えるな」「憲法を変えよう」のどちらの意見も保障する。それが本当の意味での憲法の精神なのです。

 憲法も、時代に合わせて暮らしに必要なものだったら変えてもいい。ただ変えるのであれば何を変えるか、重要なのはそこです。よいものをよりよくするために変えるならいいけれど、悪く変えることはいけない。何がよいことで何が悪いことか。国民の本当の思いはどこにあるのか。これこそを私たちみんなで議論していくことが必要なのではないでしょうか。

※1:すり減らないほど立派な法典という意味。 大日本帝国憲法の美称。
※本記事は、2017年5月1回のパルシステムのカタログ記事より再構成しました。

超訳 日本国憲法

池上彰/著(2015年、新潮社)

「(天皇は)日本国民統合の象徴」→《国民がまとまっているという象徴》、「大臣を罷免」→《大臣をクビにできる》、「文民」→《軍人ではない人》、「国権の発動たる戦争……これを放棄」→《正義が守られ、混乱しない国際社会を……誠実に強く求め、あらゆる戦争を放棄》など、池上版「超訳」で読み解くと、こんなに憲法はわかりやすくおもしろい! 改憲論争が高まる中、国民必読、一家に一冊の最新版「憲法の基礎知識」。

akira-ikegami

Interviewee

池上彰
いけがみ・あきら

1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHKに入局。子どもにも理解できる言葉を使って報道、解説を行う番組「週刊こどもニュース」の編集長を務めた後、2005年に独立。現在、多数のテレビ番組に出演し、ニュース解説を担当。2013年、伊丹十三賞受賞。『超訳 日本国憲法』(新潮新書)、『池上彰の憲法入門』(ちくまプリマー新書)、『伝える力』(PHPビジネス新書)、『おとなの教養』(NHK出版新書)など、著作多数。

取材・文/高山ゆみこ 撮影/坂本博和(写真工房坂本) 構成/編集部

 

 

 


② 「北朝鮮のキリスト教徒が『冷凍拷問』で殺されている」脱北者が証言〔高英起 4/22ヤフーニュース 〕

2017-04-24 10:39:38 | キリスト教 歴史・国家・社会

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170422-00070184/より転載

「北朝鮮のキリスト教徒が『冷凍拷問』で殺されている」脱北者が証言

金正恩氏

北朝鮮の憲法68条には、「公民は信仰の自由を持つ」と明記されている。しかし現実には、北朝鮮当局は信仰を持つ人々を残忍な方法で抑圧している。デイリーNKは、2001年の脱北後にキリスト教に入信し、中国を拠点に北朝鮮の地下教会に対する支援活動を行った経験のあるキム・チュンソンさんにインタビューを行った。今回は2回目。

裸で冷凍室に

ー布教活動のため北朝鮮に戻ったことも?

はい。中国にいた頃、韓国、米国、カナダから、北朝鮮の地下教会の支援のために来た宣教師に会いました。地下教会というものがあるなんて、その時まで知りませんでした。それでこの目で見てみたいと思い、北朝鮮に戻ることにしました。普天堡(ポチョンボ、恵山の北東17キロ)の対岸まで行ったのですが、何の準備もしていなかったため、国境警備隊に見つかり追いかけられました。そこで一度退却して、神様に「道を開いてください」とお祈りして、夜を待って北朝鮮に忍び込みました。

ー北朝鮮ではどのような活動を?

20日間ほど滞在して、北朝鮮の地下教会をこの目で見ました。信者とともに聖書を開き、祈りを捧げました。驚いたのは信者の多くが北朝鮮の高級機関で働いている人々だったことです。

ー捕まらずに済んだ?

北朝鮮では捕まりませんでしたが、中国に戻ってから中国の国家安全部に逮捕されました。脱北者がなぜ韓国の宣教師と頻繁に会って布教活動をしているのか、なぜ北朝鮮に出入りしているのかなどを聞かれました。韓国の国家情報院の指図を受けて動いていると疑われたのでしょう。

しかし、北朝鮮にいる信者たちが受けている迫害に比べれば、それぐらいはなんでもありませんでした。

私は、脱北者でクリスチャンになった人に教育を施して北朝鮮に送り返す活動に携わっていたのですが、2014年に事件が起きました。中国朝鮮族で、北朝鮮での布教活動の支援をしていたチャン・ムンソク牧師が中国で北朝鮮の保衛部(秘密警察)に拉致されたのです。

彼は裁判にかけられ、労働強化刑(懲役)15年の判決を受けて、今は黄海北道(ファンヘブクト)沙里院(サリウォン)の収容所に入れられています。彼と接触を持っていた北朝鮮の信者は一網打尽にされて、両江道(リャンガンド)の白岩(ペガム)郡で捕まった3人は2015年に公開処刑されました。保衛部の追手が迫り、脱北して韓国に行った信者もいます。

(参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」

ー信者の家族はどうなるのか?

私の場合、幸い家族が処罰されることはありませんでしたが、住んでいた地域から追放されました。恵山(ヘサン)に住んでいた人は、甲山(カプサン、恵山から南に20キロ)のような電気も来ないような田舎に移されました。

ー逮捕された信者は拷問された?

もちろんです。保衛部は逮捕した信者を眠らせず、5日間ぶっ通しで暴力を振るいます。そうすれば、やっていないことでもやったと答えてしまうのです。5人がかりで丸太で殴られるのですから。目撃した人の話では、冷凍拷問というのがあるそうです。服を全部脱がせて冷凍室に閉じ込めるというものですが、ほとんどの人が低体温症で死んでしまうそうです。鉄格子に手を縛り付けて、足が地面につかないようにして放置するという拷問もあります。ろくに食事も与えずに暴力を振るい続ければ、数日で死んでしまいます。

(参考記事:「北朝鮮で自殺誘導目的の性拷問を受けた」米人権運動家

ー北朝鮮が宗教を弾圧する理由は?

北朝鮮は人々を、金日成主席、金正日総書記の独裁体制とチュチェ思想だけが生きる道であると洗脳しています。しかし、聖書には「真理」という言葉があります。それは「光」のようなものですが、暗闇に閉ざされた北朝鮮にこの光がさせば、金氏一家がいかにして人民を欺いてきたのか明らかになるでしょう。北朝鮮の政権を崩壊させる重要な要素の一つが宗教の力だと思います。キリスト教が北朝鮮に広まれば、政権はどこかのタイミングで崩壊するでしょう。

ー宗教を弾圧する北朝鮮政府と、苦しみの中で信仰を守っている信者にメッセージを

手のひらで天を遮るという朝鮮のことわざがあります。遮ろうにも遮れないという意味ですが、いま北朝鮮国内で起きているあらゆる人権侵害、特に国家保衛省、人民保安省、政治犯収容所、教化所で行われている人道に対する犯罪行為は神様もご覧のことでしょう。私たちは北朝鮮で奇跡が起きるよう祈り続けています。北朝鮮政府の関係者には、弾圧に同調するのか、皆を自由にする真理を選ぶのか、よく考えて選択してほしいと思います。

キムさんの主張には若干教会の宣伝が入っていることは否めないが、信仰によって救われた脱北者の1人といえる。ただし韓国では、プロテスタントのキリスト教保守勢力が性的少数者の尊厳を平気で踏みにじる言動を続けている現実もある。

(参考記事:北朝鮮の「同性愛」事情…その知られざる実態を体験者が告白

国連の人権理事会は、北朝鮮における人権侵害を「組織的かつ広範で深刻な人権侵害」と指摘している。宗教だけでなく、北朝鮮国内の全ての人権侵害に対して批判の目を向けることが重要だ。

 

高英起 デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。

 

 

 


① 聖書の所持だけで「この世の地獄」へ...北朝鮮の恐るべき宗教弾圧 〔高英起 4/22 ヤフーニュース〕

2017-04-24 04:19:49 | キリスト教 歴史・国家・社会

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170422-00070147/より転載

聖書の所持だけで「この世の地獄」へ...北朝鮮の恐るべき宗教弾圧

金正恩氏

北朝鮮の憲法68条には、「公民は信仰の自由を持つ」と明記されている。しかし、これは有名無実な条文だ。北朝鮮は信仰を持つ人々を抑圧しており、「世界最悪の宗教弾圧国」として国際社会の厳しい批判を浴びている。江戸時代のキリシタン迫害と同じような状況であると言ってもいいだろう。

(参考記事:金正恩氏がキリスト教を弾圧する理由…「十字架」に隠された秘密

収容所では性暴行が常態化

一例を挙げると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市に住んでいたパク・ミョンイル(仮名)さんは、中国を訪れた際に入手した聖書を所持していた容疑で、2000年の秋に保衛部(秘密警察)に逮捕された。裁判を経ずに過酷な人権侵害が常態化している収容所に送られ、その後の安否は不明だ。

(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

しかし、そんな中でも、信仰を守る人々がいる。

韓国のNGO、北朝鮮人権情報センターが脱北者1万183人を対象に調査を行ったところ、1.2%にあたる128人が北朝鮮で宗教に接した経験があると答えている。また、聖書を見たことがあると答えた人も4.2%、428人にのぼった。未確認の数字だが、北朝鮮国内には、1200もの地下教会があると言われている。

デイリーNKは、2001年の脱北後にキリスト教に入信し、中国を拠点に北朝鮮の地下教会に対する支援活動を行った経験のあるキム・チュンソンさんにインタビューを行った。

ー脱北の経緯は?

2001年7月に両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)から脱北しました。当時、銅線の卸売をしていたのですが、金正日総書記が「金属を売り買いするやつは全員処刑せよ」という命令を下したため、当局に逮捕されました。見せしめに死刑判決でも下されたら大変です。当局からも「お前はもうすぐ死ぬ」と言われました。それで、逮捕された日の夜、脱走して国境の川を越えて中国に逃げました。

最初は中国に行くなんて、考えもしませんでした。脱走して行き場を失い、川べりで地団駄を踏んでいたところ、水を汲みに来たおじさんから「何をそんなに悔しがっているのか」と声をかけられました。事情を説明してみると、「あっちへ行けばいい」とあごで中国の方を差すのです。それで「ああ、なんで中国に逃げることを考えなかったんだろう」と思い、川を渡りました。北朝鮮の人は十中八九がそうだと思うのですが、国境まで行っても、川を渡る勇気が出ないのです。

ー北朝鮮にいたときからクリスチャンだった?

北朝鮮で歌手をしていたこともあります。その頃に、テレビや映画、芸術を通じて宗教というものに触れる機会はあったけど、嫌いでした。脱北直前に見た映画も『山犬』という反キリスト教映画でした。ところが、偶然なことに中国に渡ってすぐ出会ったのが教会の人でした。

その人に助けてもらった縁で、教会で暮らすことになりました。そこで聖書というものを初めて読みましたが、「十戒」が北朝鮮の「党の唯一思想体系確立の10大原則」とそっくりだということに気づきました。それで宣教師に「なんで聖書は北朝鮮の本をパクったのか」と聞いたんですよ。聖書が2000年以上前に書かれた本であることを知らなかったんですね。

教会で暮らしつつ、北朝鮮の実情について知るようになりました。金日成主席の両親の仲人が米国の宣教師(注:レムエル・ネルソン・ベル氏)だったことも。それから北朝鮮がなぜキリスト教をあれほどまでに弾圧するのか興味が湧き、さらに熱心に聖書に目を通すようになりました。

(参考記事:キリスト教を弾圧した金日成も手術前には祈っていた

ークリスチャンになったきっかけは?

イエス・キリストを知ってすぐに決心しました。裏切られるということは大変なショックを伴います。私は金日成主席と金正日総書記を固く信じていたのに、彼らが詐欺師だったということがわかり、裏切られたことを恨みました。神様がいるべき場所に2人がいるということ、北朝鮮の人々を悪のるつぼに追いやっていることに激しい怒りを感じました。それで、人々に真実を知らせるためにクリスチャンになったんです。

次回は、クリスチャンになったキムさんが、宣教活動のため命がけで北朝鮮に潜入した経験や、北朝鮮国内で信者たちが過酷な弾圧を受けている実態を紹介する。(つづく)

 

高英起 デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。