マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

船倉弁天神社おんだ祭

2007年04月25日 08時14分22秒 | 高取町へ
高取町丹生谷の船倉弁天神社は標高200m通称弁天山の山頂に鎮座する。

麓の丹生谷の集落から山道を歩き続けること20分。

一の鳥居からは険しい急坂を登る。

同神社の氏子総代世話方四人が務められるオンダ祭。

なん十年も前には多くの参拝者で賑わい葛の駅からお店がずらりと並んだという。

本来は4月11日であったが、4年前に集まりやすい第一日曜日に移行された。

山道を登ってきた方々が揃った定刻時間、拝殿前のヒモロギサカキの木に向かって神職の祝詞奏上やお祓い。

地域や家内安全、五穀豊穣を祈願する。

同神社の境内はとても狭くて傍はガケ下。

後ずさりすると落ちるようなところだ。

次に世話方や子ども会などの代表者が拝殿に上がり拝礼、玉串を奉ります。

始めて体験する玉串奉奠、神職の指導を受けて神妙な顔つきで授けます。

神事を終えると階段を降りオンダ祭事の舞台に移ります。

神田に見立てた田は参籠所とガケの間の狭いところで畳み一畳分程度。

世話方二人が扮する牛面を被った牛男と田主がお田植の所作。

モウーと発する牛を巧みに操りカラスキ、マンガンを引いて田を耕します。

お年寄りは懐かしそうに昔はこうやって田を耕したんだと子どもらに話される。

田男が苗に見立てた杉葉を田に置くと、早乙女によって丹念に苗を植えていく。

このような山の上で行われるオンダ祭はとても珍しいのではないでしょうか。

オンダ祭を終えると再び拝殿前の境内に集まって地区の安全を祈願する護摩供法要は始まる。

般若心経が唱えられ一本ずつ奉納された護摩木を入れていく。

子ども会の子らも参加する地区の行事。

祭事を終えた方々には麓の集落でトン汁などを用意しておもてなし。

心使いに温もりを感じます。

(H19. 4. 1 Kiss Digtal N撮影)