夢夢散歩♪

自然の写真を中心に、日々の出来事を綴ります。

朧の森に棲む鬼

2007年02月13日 | 歌舞伎・演劇.・映画
ライ…市川染五郎   キンタ…阿部サダヲ
ツナ…秋山菜津子   シュテン…真木よう子
シキブ…高田聖子   ウラベ…粟米まこと
サダミツ…小須田康人 イチノオオキミ…田山涼成
マダレ…古田新太

STORY
ライは、どんな嘘でも瞬時に仕立て上げる口先と、弟分・キンタの腕っぷしとを武器に世を渡ってきた。
ただこの世にのし上がる事だけを夢見ている。
そんな中、朧の森で魔物=オボロに出会い、「命と引き換えに夢をかなえてあげよう」と言われる。その取引に乗るライ。
オボロたちからもらった剣と口先を武器に、王へと上り詰めるが…


10日昼の部を松竹座で観てきました。
染五郎さんが悪役だとは分かっていたけれど、ここまでとは…
染五郎さんのことが嫌いになっちゃいそうなほど、ライという男は恐ろしかったです
なんだかあの舞台に立っているのは、染五郎さんじゃなかったような。
しかし恐ろしいけど、ひどい男なんだけど、格好いいんですよね あのかっこよさは、どこから来るんでしょう。

キンタの阿部サダヲさんが光っていました
兄貴分のライを信じて信じきってついていくのに、裏切られて目をつぶされてしまいます。
最後に登場した時には、光を失った事で耳がとぎすまされ、真実が見えるようになっていました。ライの薄っぺらい言葉も見え見えのようです。
前半とは人が変わったような殺陣が見事でした

かなり衝撃を受けたみたいで、最後カーテンコールが何回も繰り返され、スタンディングオーべーションの中、私は立てませんでした。
立つ気力なんか、これっぽっちも残ってません。

歌あり、踊りあり、アクションありで、スピーディーで大迫力
ツナとシュテンの2人の女性も、すごくかっこよかったです
舞台には本物の水を使った滝があり、朧の森の妖しい雰囲気の演出が素晴らしく、引き込まれて目が離せない舞台です。

でもライが嘘をつき、人を騙し、陥れ、上へ上へとはい上がっていくたびに、なんとも言えず心が重くなっていきました

最後はその嘘が真実を見いだし、破滅へと向かっていく…

朧の森で屍になってしまったライ…

いつもは「おもしろかった~」と心晴々なのですが、今回は肩に何かがどっかりのっかっているような、重い帰り道でした。

コメント (5)
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