この地域では松の根を松明にしていると聞く。
根とは思えないが、脂が多いので松には違いない。
最近はスーパーでビニール袋に入れて売っている。
一回に三本だけ使う。
しかし、そのまま燃すと燃えきらずに消える。
だから、鉈で細く裂いてそれを積み上げて燃す。
マッチ一本で火がつく。
後は風の流れを掴み、皿の向きを変えながら燃し切る。
小さな火種がやがて拡がり、最後は細々と消える。
その姿をじっと見続ける。
火は消えても炭となった燃え殻は赤い光りを放ち、風と会話する。
あちらがひかる、こちらがひかる。
充分に光った炭はやがて白い燃えかすとなる。
炭のままで黒いもの、木のままのもの。
風に揺れる白いもの。