車を走らせるメイン道路から望めるかなり大きなガジュマルを観つけそこに向かい路地を入ると、
確かにそこには聖なる巨木が・・・。
車を降り周辺を確認するも、
どうもその当時の写真とはアングルが合いません。
すぐ近くに小さな市場を観つけ、
写真右の、まずはドライバーさんが切り込んでくれる。
私も、言葉がしゃべれないのも関わらずでたらめの英語で参戦。
「この辺でこんな写真の場所は判りませんか・・・。」
「いやぁ~・・・この辺はガジュマルは何処にもあるので・・・。」
この写真を観せた時、その店のおっちゃんの顔つきが変わりました。
撮影:阿部淳氏
それは、私達が共演したこの村の代表的なグループ『スマルプグリガン』の長老、Mr.グリンダム氏の写真でした。
「彼らの場所なら、もう少しプリアタンよりに戻った所。ただ・この長老はもう居ないよ。」
「わかりました。」
28年前のタガスを代表する、『スマルプグリガン』というガムランスタイルの、ガムランの楽器使いの名手の長老は既に亡くなられていました。
その楽器とは、プリアタンの『ゴング・クビャール』に比べて薄い青銅で出来たガムランの楽器です。
私はその時長老の自宅で、そのソロ演奏にじっくりと耳を傾けていました。
「今すぐ行きましょう、
その地区へ!」