3月23日
朝5時前。
ホテルのロビーには、ランナーが溢れています。
開会式を終え、スタート。
ご近所様はまだ夢の中な暗い街を、ヘッデン点けたランナーが蟻の行進のように、ぞろぞろと進んでいてなんだか、異様な風景。この中のひとりになっている。
1キロ位進んだあたりで、Kさん達100キロ組とお互いの健闘を願ってお別れに。
私たち、いきなりの山越えに苦笑い。
昨夜ウルトラランナーの女子に教えてもらった、“上り坂は歩く”作戦を決行。
途中、公衆トイレを発見したので、大事を取ってトイレタイムな私。出てきたら、ほぼ最後尾??
グループで参加している若い女子たちに紛れてしまい、しばし、聞こえてくる会話から情報収集。
以外にも、シリーズの大会に数回参加しているらしい。私よりウルトラ歴長いって事だ・・・・
薄暗く視界が開けて来たころには、眼下に広がる太平洋。
気持ちよく、深呼吸しながら走ります。
小高い山を登って下って階段上って下りて・・・そしたら、エイド。
朝ごはんを食べていなかったので、ここで、一口大のおにぎりを2個手に取り、1個をパクリ。
もう一つは、手に持ちながら。結果、バックにしまい込んで、後半で私の胃袋におさまる事に。
また、スタート地点のホテル三日月を通り越し、ひたすらロードを走ります。
ペースは、7分ちょい。
練習では、6分半で50キロまで走れたけど、大事をとって、無理せず。
大体、単品で走る事が多い私。
気付くと、やっぱり単品・・・・・
ちょっと不安なので、目で追える範囲までランナーを追って、安心材料確保。
途中、足元に注意を取られてたら、道を間違えた・・・・(;^_^A
後続のランナーさんに声かけ謝って被害は最小限に。
なんだか、HPでは、平坦なコース・・・とあって安心して参加したけど、進む前方には、山とトンネル。
山の間のロードを走り・・・・・
時々、海。しかも、眼下。時々砂浜。
途中、後ろで“ドタ!!”と。
振り向いたら、女子ランナーが、側溝に足を取らて、転倒。
周りの女子たちと対応。応急処置をしようにも、出血が止まらん。バンダナでグルグル巻きにして、丁度通りかかったスタッフの車に声かけて、対応を任せました。
気付くと、この中の女子が、風呂で盛り上がった女子。
しばし二人で盛り上がり走り、お互いの健闘を称え、ゴールでね!ってそれぞれのペースで別れた。
そっから、また単品で淡々と。
海岸線に出て、海岸にもそれぞれの顔が有る事に気付く。
夏場は多くの人で賑わうであろう穏やかな波の海水浴場。漁業の船着き場があって、網や船や小屋が隣接している海岸。サーファーがいっぱいの波の高い海岸。ヒジキ業?で、皆で採っている岩場の海岸。漁業市場がある海岸。花々がきれいに栽培されて、花摘みが行われている海沿い。
当たり前だけど、地域の方々の生活がほんのちょっと見れて、なんだか感銘を受けたりして。
そんなこんなを考えながら走っていたら、50キロ付近で雲行きが怪しくなり、雨ですわ‥‥
そう。私の天気予報的中。
このために準備してました!!
だけど、どっちを着るか??
赤いブレーカーとビニール袋。
Kさんは、雨合羽を持参してるから大丈夫だ。良かった。備えあれば患いなし。
なんて心配して安心して。
考えた結果、ブレーカーは腰に巻いたままで、雨が上がってからの冷え防止に取っておくことにして、ビニール袋を着る判断をした。
しかし、寒い。めっちゃ寒い。
手袋や袖。足が濡れてしまい、かじかんで来た。
以前、姐さんや兄さんが、冬の練習時に手がかじかんで靴ひもが解けない・・・・・って言ってた。そんな中でも私は大丈夫で、どれどれ・・・って解いた事も有ったなあ。なんて思い出した。
こんなにも動かないものか‥‥体験してみないとわからない。
って、こんな時に、私の“やる気スイッチ”がオン!になってしまい、ペースアップ。
抜くわ抜くわ…
そして、途中、海岸線を走っているとき、突然、お腹が急降下!!かあちゃん、一大事発生!!
左は海。右は、堤防。その右は道路。民家はその向こう。
走りながらの腹痛は、初めてかも・・・・・・・
最悪民家に駆けこもうと思うも、堤防を越える所がない!!
途中、チャリダーの2人組をみつけ、慌てて聞いたんだけど、地元じゃ無いらしく。
周りを見渡したら、遠くに、コンビニの看板が!!
(笑)
ダッシュ。1キロ弱。必死。
ビニール袋を被ったずぶ濡れの婆ちゃんが飛び込んできたら、そりゃあびっくりするだろうよ。
そんでも、にっこりとトイレを貸してくれた店員さん、感謝です。
手ぶらで出る事に心苦しく思い、何か食べたいか考えたが、何もない・・・・緊急時用に塩にぎりのおにぎりを1個買って店を出た。
おじちゃんが声かけてきて、しばし現状の説明を。ぶったまげても、頑張れ!!って励ましてくれたおじちゃん、ありがとうございました。それを聞いてた関係ない男子、笑ってたよ。
すっきりして良い調子で少し走ると、ノースリーブと半パンで何も持っていない女子ランナーが前に。
こんな寒い中、凍えるんじゃないか・・・と心配になり、ブレーカーを貸そうか迷った。
が。
準備もレースのうちだろう。
って考えを変え、そのまま抜いた。
気持ちよく雨の中を走って、雨が上がった頃の57キロのエイドでビニールを脱ぎ、ブレーカーを着込み、走り出した。
体は大丈夫。冷えも解消してる。
こっからは、距離との戦いとなってきた。
段々と飽きてきた。体の痛みは、左ひざの内側と、右足の甲。
ごまかしながら暫く走っている。
練習時と違った場所に痛みが出ているのは、予想外。結構痛い。
心配していた靴のあたりと、両腰の脇は、我慢できる。
練習できつい思いをしていたから、本番はこんなんで済んでいるんだって思った。
距離表示のある5キロ毎の数字と記念撮影して気晴らし。
後で見ると、距離ごとに老けていく(笑)
70キロ時点では、生気が抜けてる(笑)
そんな中、4~6キロ毎にあるエイドが元気のもとになってくれた。
エイドの間は、とおーーーーーく前を走るランナーを探し目で追い、コースが間違わないように淡々と走る。
そのうちに、ゴールの野島崎灯台が見えてきた!!!!!!!!!
って思ったら、時計の充電が残り少ないって表示。
時計をセイコースーパーランナーに変えたけど、(笑)(笑)距離わかんない(笑)
最後のエイドを出てから残り4キロ位で、またスイッチオン!!
だって、ここまで、心肺機能は全く負担かかっていない。
少しは、ゼーゼーしたいじゃない!?
なんて考えが出てきて。
ラスト1キロで、野島崎におれた。
「ナイスラン!!」て声かけてくれた男性が居て、嬉しくてダッシュ。
だけど、途中でコースに不安になり立ち止まり、後続ランナーを確認してまたダッシュ。
10時間57分でゴール!!!!!
完走メダルを貰い、完走証を貰い、荷物を受け取った。美味しいカニの入った磯汁を食べたが、寒気が半端なく、会場でKさんを待つのは無理なので、ブレーカーを着込み、震えながらホテルへ。
チェックインして、部屋であったまった。
1時間後、Kさんを迎えにゴール付近に。
体がバッキバキで動かない!!固まってしまった。ちょっと辛かったんだけど、歩いて応援に。
残り1キロの所で待っていると、暗い中、Kさんが!!
頑張って走ってきました!!
100キロ、ゴールの瞬間を撮影。
凄い、ウルトラランナー誕生です!!
磯汁食べて、2人でホテルまで歩いて行き、Kさんチェックイン。
すぐ、食事にしたけど、Kさん、疲労困憊であまり食べれず。
私は、歩いたお陰で筋肉疲労が軽減。食欲もある。
25キロ差は結構あるんだなあと思った。
そんでも、無事のゴールを祝って、乾杯し、翌日の時間を打ち合わせし、それぞれの部屋でおやすみなさいとなりました。
私は、珍しくアルコールを頂いたので、シャワーがやっと!!で、ベッドに倒れこました。
終わったよ。
エントリーしてから、自分で練習考えて、ひとりでロング走までやって。
やればできるんだなあ~って思った。
だけど、楽しかったか??と問われたら、う~ん・・・・・・・
すでに、他人事に近い。
本当に75キロ走ったのか??
って感じ。
翌日に続く