昨日の夜は、梅原猛の日本文化論『地獄の思想―日本精神の一系譜』を読んでいました。
日本の思想に大きく影響を与えた地獄の概念と、地獄の思想の視点で見た日本文学について語っています。
目次を書き出しておきます。
まえがき
第一部 地獄の思想
第一章 地獄とは何か ―地獄思想の発生とその日本思想史上における位置
第二章 苦と欲望の哲学的考察 ―釈迦の思想の意味
第三章 仏の中に地獄がある ―地獄思想の成立と天台思想
第四章 地獄と極楽の出会い ―源信の世界
第五章 無明の闇に勝つ光 ―親鸞の世界
第二部 地獄の文学
第六章 煩悩の鬼ども ―『源氏物語』
第七章 阿修羅の世界 ―『平家物語』
第八章 妄執の霊ども ―世阿弥の世界
第九章 死への道行 ―近松の世界
第十章 修羅の世界を超えて ―宮沢賢治の世界
第十一章 道化地獄 ―太宰治の世界
あとがき
第二部第七章の「阿修羅の世界―『平家物語』」で語られた平家物語の灌頂の巻のお話は吃驚しました。う~む。そうも考えられるのか。語られない部分を考えるというのは難しいですね。
私は江戸時代の物語には私があんぽんたんなせいか理解不能な物語が多いのですが、第二部第八章の「死の道行―近松の世界」ではヒントを貰えたような気がします。
第二部第十章の「修羅の世界を超えて―宮沢賢治の世界」は、怖い。
そう。我々は修羅の世界にいる。ここを抜け出る道の何と険しく厳しいことか。恐ろしい。
私には宮沢賢治は謎の人。でも少しピントがあってきたような気がする。
面白かったですよ。
まだきちんと理解していませんが。また繰り返して読んでみたいと思います。