昨日の夜は、仁木英之の小説『高原王記』を読んでいました。
ジェンガ峰の精霊と契約を結んだ英雄タンラは、光の聖者ゴンバ・ルドに心を歪められてしまう。
英雄の英雄らしい魂は失われ、タンラと精霊ジェンガの仲も引き裂かれてしまう。
百月が経ち、ジェンガ峰の頂に篭る精霊ジェンガのもとにスム=リン国の大総官王の使いがやってきて「タンラと共に神託により生まれてくる王子を守れ」と命を下す。
元英雄のタンラと精霊ジェンガは再び組むことになったのだが……。
ファンタジー小説です。
仁木英之の小説は「僕僕先生」シリーズを読んでいますが、「僕僕先生」シリーズと違って『高原王記』は何かピンと張りつめたものがありますね。
古代チベットを模した高原の破滅に瀕した中での覇権を巡る物語。
この手の物語で多く見られる英雄達はこの物語ではほとんどが何らかの形で手足を縛られて思うように活躍できない。
英雄らしい魂を奪われたり、世界を救う為の修行に入って動けなかったり、恐れられて権力者に追放されたり、邪悪なるものに捕まったり。
それでも英雄譚ですね。
失ったものを取り戻そうとするお話でもあります。
面白かったですよ。