本日11月8日は、スペインのエルナン・コルテスがアステカ帝国の首都テノチティトランに進軍を開始した日で、デンマーク王国の国王クリスチャン2世がスウェーデン人の独立運動指導者ら100名以上を捕縛した日で、ヴィルヘルム・レントゲンがX線を発見した日で、遼東半島還付条約が調印された日で、国家社会主義ドイツ労働者党・ナチス一派がバイエルン首脳部を拘束してミュンヘン一揆を起こした日で、ヒトラー暗殺未遂事件が起きた日で、日本初の南極観測隊を乗せた南極観測船・宗谷が南極に向けて東京港を出航した日で、ハーグ事件で国際手配になっていた日本赤軍最高幹部の重信房子が逮捕された日で、信楽たぬきの日です。
本日の倉敷は雨が降ったりやんだりしていましたよ。
最高気温は十九度。最低気温は十二度でありました。
明日は予報では倉敷は晴れとなっております。
炬燵。其れは人類に残された最後の楽園である。
其処には人類が想像を絶する魔的な魅力、素晴らしい快楽が待ち受けてゐるに違いない。
此れは私が炬燵調査を行つた時の脅威に満ちた物語である。
炬燵とは日本人が生み出した世界に誇る魔性の暖房器具である。
電磁波の一種である炬燵線を撥する熱源体を取り付けた机に炬燵布団を掛け天板を乗せたもので、主に布団の中に足を入れて暖をとる。
魔性の暖房器具と言われる所以は、あまりの居心地の良さ故に炬燵で暖をとつた者を行動不能にして堕落させてしまう魔的な魅力を持つ点にある。
あの千秋真一さえも一定期間行動不能にせしめた其の能力の高さから本来は捕獲用の器具ではないかという説もある。
猫様は炬燵で簡単に捕獲できる。其れ故に別名に猫様ホイホイがある。
先日、私は炬燵を部屋に設置した。
そして恐る恐る炬燵の中に足を突つ込んだ。
暖かい。なんて暖かいんだ。そして心地良い……。
私はあまりの心地よさに思わず涙を流した。
暫らく呆然と炬燵の心地世さを堪能した。
炬燵の魅力を更に倍化させるものとしては、蜜柑や御茶&御煎餅が知られている。
私も蜜柑や御茶や御煎餅を炬燵の上に設置してみた。
やばい。まずい。炬燵から出たくない。此の儘ぢつとしていたい。
恐るべし。炬燵。
もう何もしたくない。
此の儘炬燵で只管終日ぬくぬくしていたい。
炬燵の魅力に取りつかれた者の中には炬燵と一体化する人もゐる。
炬燵と一体化した者は『こたつむり』と呼ばれ見つかると人と見做されず獣扱いとなり駆除の対象となる。
私も炬燵と一体化したい。
駆除の対象になっても炬燵と一体化したい……。
『こたつむり』の進化形に『亀』がある。
炬燵に頭だけ出して潜り込んでしまった状態の者を指す。
『亀』もは駆除の対象である。
私も亀となつて一生を過ごしたい……。
私はいつの間にか手の届く範囲にあらゆる物を掻き寄せて炬燵から一歩も出ずに亀になつていた。
恐るべし。炬燵。
あの千秋真一さえも一定期間行動不能にせしめた恐るべき魅力を持つ魔性の機器。
私程度では手も足も出ない。軽く捻られてしまう。
其の日、私は炬燵から出ず炬燵で眠つてしまった。
お仕事がなければ次の日もひたすら炬燵でぬくぬくしていたことであろう。
恐ろしい。
炬燵は人類を堕落へと導いてしまう恐るべき器具である。
嗚呼。私では炬燵の魅力に抗することができない。
堕落してもいい。否。むしろ堕落したい。
恐ろしい。
ここまでの魅力を魔力を持つ炬燵が恐ろしい。
どうか皆様。
炬燵にはくれぐれもお気を付けくださいませ。
炬燵の魅力に取りつかれてはなりませぬ。
炬燵の魅力に取りつかれてしまつたら、堕落してしまいますよ。
お気を付けくださいませ。