狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

落ちる心のまま響かせて。凍りついた体内が甘い電流で痺れた。

2019年01月02日 23時35分28秒 | VSの日記




 本日1月2日は、アラマンニ人がライン川を渡りローマ帝国に侵入した日で、グラナダが陥落しナスル朝が滅亡してレコンキスタが終結した日で、徳川家康の重臣石川数正が豊臣秀吉のもとに出奔した日で、ロシア軍の旅順要塞が日本軍により陥落した日で、ニューギニアのブナで日本軍が玉砕した日で、大分空港発岩国経由大阪行の全日空機で飛び降り自殺があった日で、昭和天皇パチンコ狙撃事件が起こった日です。

 本日も倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は九度。最低気温は三度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。







 「さて、ここで昨年の1月2日のあなたの記事を読んでみましょう」とAは言った。



    『私の脳内に、ぼんくらでぽんこつで怠惰で莫迦で自分に甘くてちんちくりんな私を真人間で有能で自分に厳しい人に矯正しようと日々奮闘している鬼教官がいます。
     私はその教官殿をハートマン軍曹と呼んでいます。
     ぼんくらでぽんこつで怠惰で莫迦で自分に甘くてちんちくりんな私を矯正するなんて無理だと思うけどね。軍曹殿。
     映画「フルメタル・ジャケット」はまだ観ていません。

     一昨年の年頭に私が掲げた目標は「如何なる状況であってもギャグをかませるくらいの余裕がある器の大きな人間になってみよう!」でありました。  
     私はぽんこつでぼんくらな小心者で胡麻粒ほど小さな器の持ち主なのです。
     そんな小さな器ではこの世間の荒波をどんぶらこと乗りこなせることなど不可能だ! と思い、もう少し大きな器の人間になりたいと思ったのです。

     しか~し。
     私には杉田望でありましたもとい過ぎた望みでありました。

     そのことを自覚した私は昨年の年頭に、ぽんこつでぼんくらで小心者で胡麻粒ほどの小さな器の持ち主でしかない駄目人間であることを自覚してそれでも頑張っていこうと決意したのです。
     しかししか~し。
     そのような私の開き直りにも見える決意をした私を私の脳内にいるハートマン軍曹は「それでは駄目だ!」とお叱りになるのです。
     ここでは書けないような罵詈雑言を私に浴びせ私をお叱りになるのです。

     でもね。ハートマン軍曹。
     人には分というものがあります。分を弁えぬ者は酷い目に遭う可能性が高いと申します。
     無理をしていては心が壊れます。
     小さな器の者は小さな器の者として過ごすのが良いのです。
     とハートマン軍曹に述べたらさらにここでは書けないような罵倒を浴びてしまいました。

     ハートマン軍曹との長い長い話し合いの結果、「少しずつでよいから器を大きくしていく」というところで妥協点を見出しました。
     時間制限は無しなので、ゆるゆると実行していきたい。と思っているところなのでございます』



 「と、このように書いてある」とAは言った。
 やめて。恥ずかしいから声を出して読むのはやめて。
 「毎年毎年、新年になるとぬるい目標を掲げているのだけれども君は少しでもその目標に対して努力をしているのですか? 全く成長の度合いが見えないのだけれども」
 ごめんなさいごめんなさい。
 「ぬるい目標を掲げておいて努力もしないとはいったいどのような料簡なのですか?」
 ごめんなさいごめんなさい。
 「謝るだけなら子供でもできますよ。人はどのような言葉を語るのかではなく何をするのかで評価が決まるのです。やる気があるのですか?」
 ごめんなさいごめんなさい。
 「私の述べている言葉の意味を理解していませんね?」
 ごめんなさいごめんなさいお許しください後生ですから。
 「許しません。お仕置きです♡」
 


 其の夜。
 Aによる折檻は深夜まで及んだ。
 やる気のない言葉だけの目標など掲げるべきではない。と思いながら、狐はAによる甘美で苛烈な折檻でふらふらになりながらAの部屋を辞し帰路に就いたのでありました。




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『コロロギ岳から木星トロヤへ』/小川 一水

2019年01月02日 13時51分20秒 | 小説・本に関する日記





 昨日の夜は、小川一水の小説『コロロギ岳から木星トロヤへ』を読み返していました。

 西暦2231年。
 木星トロヤ群の小惑星アキレスのトロヤ人は戦争に敗れてヴェスタ人の支配を受けていた。
 ある日、終戦広場に設置されている宇宙戦艦の立ち入り禁止区画に潜り込んだ少年リュセージとワランキは古い核分裂炉のある区画で閉じ込められてしまう。
 西暦2014年。
 北アルプスのコロロギ岳山頂観測所の大ドームに巨大な何かが出現して大ドームを破壊してしまう。
 北アルプスのコロロギ岳山頂観測所勤務の岳樺百葉が大ドームの望遠鏡を壊された怒りでその巨大な何かをモップで叩いてみたら……。

 SFです。

 時間の中を泳ぐ生物が宇宙の始まりから最果てまで遡ったり流れに沿ったりして泳いでいる。
 その途中で尻尾の部分が何かに引っかかってしまい動けなくなる。
 その生物は頭の部分にいる2014年の人間に助けを求める。
 しかしその生物の尻尾は2231年にあった。

 2014年の岳樺百葉達は2231年のある場所にいる人間にメッセージを確実に贈らなければならない。
 加えてそこにいる人物達を助けるために2014年の岳樺百葉達は2231年にいる人達の情報を必要としていた。


 面白いのです。
 時間モノのSFで約200年の時間と膨大な距離を隔てている相手とコミュニケーションをとる描写とか、異次元世界に暮らす生物から見た宇宙のヴィジョンとか。
 わくわくでありました。

 面白いですよ。
 お勧めであります。


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