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7/5(月)、シネ・ウインドで「オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡」を観てきました。
予告編はこちら。
ロシアの新体操選手マルガリータ・マムーンが2016年リオ五輪で金メダルを獲得するまでの過酷な練習風景を追ったドキュメンタリー。
何が凄まじいって、もはや厳しい指導というより激しい暴言で罵倒してくるコーチが、マジで怖すぎる。
いかにも金持ちのおばさんという雰囲気の存在からして他者を威圧しているようなコーチが、とにかく厳しい言葉をマムーンにぶつけまくって精神的に追い込んでいきます。
もはやスポーツの指導ではなく、人権を無視したパワハラなのでは、いくらスポーツのため、オリンピックのため、金メダルのためだとしても、ここまでのことが許されるのだろうか、と考えさせられてしまいました。
正直、僕は新体操やオリンピックに限らずスポーツをほぼ見ない人間ですが、もし僕がスポーツ観戦が好きな人間だとしても、この映画を見てしまったらもう素直にロシアの新体操は楽しめなくなるんじゃないかという気がします。
スポーツって、オリンピックって、金メダルって何なんだよ…いくら指導のためとは言っても限界があるだろ…人権を無視して許されるのかよ…と、この世界に当たり前に存在している常識が果たして本当に正しいのか、何を信じればいいのか、分からなくなる映画でした。
正直ここまで書いて、なんかスポーツが、オリンピックが、金メダルがそこまで偉いのかよ!とムカついてきましたね!
競い合うことで切磋琢磨して共に成長していくことは素晴らしいことだと思いますが、スポーツはその基本を忘れてはいけないと思うんです。
基本を忘れて、ただひたすらに任務、義務のように勝利を求め続け、勝利しなければ意味がない、みたいに陥ったら、確かに強い選手にはなれるかもしれませんが、人間として大切な何かを失うと思うんです。
百歩譲って、選手本人が厳しい指導を望んでいるならまあいいですけど、どうしても大人が若い選手にそれを押し付けているようにしか見えなかったです。
さらに最悪なのが、こういうスポーツは選手に「国を背負う」プレッシャーを与えていることだと思うんですよね。
正直、僕はスポーツは選手が精一杯プレイすることが大切で、正直どの国が勝とうがどうでもいい、自国が勝つと嬉しいとか意味分からんし、そこに熱狂するのって右翼みたいで気持ち悪いと思っているんですが、でも世の中を見ているとそういう人達ばかりなので、ああ、地獄だなあと思います。
そんなわけで、僕は決してスポーツ自体が嫌いなわけではない(個人的には、やるのは好き、見るのは興味ないというスタンス)ですが、自分がスポーツに対して感じる「嫌いな部分」を凝縮したような映画で、正直地獄でした。
オリンピックはそんな甘っちょろい世界じゃないんだと言われるかも知れませんが、うるせえ知らねえよ!人権無視のパワハラ野郎の金メダルなんてクソ食らえ!と、最終的にかなり毒づいた気持ちになってしまいました。
新体操部の女の子達も大勢観に来ている映画らしいんだけど、この映画を観ても新体操をちゃんと真面目に続けてくれるか心配になってしまったほどです!
実際、僕が観た日も新体操部のコーチと選手の女の子らしきが人達が観に来ていたんだけど、上映後に「ロシアが新体操強いのがずっと不思議だったんだけど、あんな理由があったのか…」って驚愕していました。