舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

2018年1本目の映画は、シネ・ウインドで『MOTHER FUCKER』を観て来ました!

2018-01-03 15:11:14 | Weblog


2018年1本目の映画は、1/2(火)にシネ・ウインドで『MOTHER FUCKER』を観て来ました!



予告編はこんな感じです。





どういう映画かと言うと、様々な個性的なアーティストが多数所属する音楽レーベル「Less Thab TV」を追ったドキュメンタリーです。
映画紹介サイトによると、「Less Than TV」とは、「25年にわたりアンダーグラウンドで活動を続ける音楽レーベル」であり、「ハードコアをベースにしながらも、ジャンルを超越した独特の感性と商業主義に走らないストイックな姿勢で、bloodthirsty butchers、ギターウルフ、DMBQ、BEYONDS、ロマンポルシェ。といったアーティストを世に送り出してきた」という、実は歴史と実績のあるレーベルとのことです。

この映画では、「Less Than TV」の様々なアーティストたちの日常やインタビュー、そしてライブ映像がふんだんに登場し、様々な視点から「Less Than TV」の魅力に迫ります。
数々のアーティストが登場する中、メインで登場するのは「Less Than TV」のレーベル運営、谷口ぐち順さんと、その妻YUKARIさん、そして8歳の息子の共鳴(ともなり)くんの親子の日常です。



谷口じゅんさんは、レーベルの運営の他、フォークシンガー「FUCKER」としても活躍しているんですが、同時に父親でもあるので子育てもするし、障害者介護の仕事もしていて、時には障害者施設でのライブや、なんと障害者のバンド仲間とライブを行ったりと、本当に活動の範囲が広く、ただ彼の日常を追っただけにもかかわらずまったく飽きることがありませんでした。
また、谷口さんの妻のYUKARIさんも、子育てをしながらバンドでの音楽活動も続けており、その両立に悩みながらも精一杯人間らしく生きている感じがして素敵な方だなあと思いました。

そんな面白ミュージシャン夫婦の息子、8歳の共鳴(ともなり)くんは、元気いっぱいに生きていてとても可愛いんですが、そんな彼も両親の影響なのかなんとバンド活動を始めると言い出したではないか!
と言う訳で、映画の後半では、共鳴くんは様々なミュージシャンたちと「チーターズマニア」というバンドを結成し、そのボーカルとしてスタジオでの練習を重ねて、ついにライブを披露することになるという、驚きの展開!

共鳴くん、なんと生まれて初めて作詞に挑戦したということで、一癖も二癖もあるようなミュージシャンたちに囲まれて、8歳の小学生がジャポニカ学習帳を持ちながらボーカルの練習をする様子はなかなか刺激的で面白かったです。
そして最後のライブ本番の様子も元気いっぱいで、ポスターにも登場する「楽しいことだけ!」という歌詞はとても素敵だなあと思いましたし、僕も見ながらすごく元気がもらえました。



この映画の特徴として、基本的には手持ちカメラで谷口さんやYUKARIさん、共鳴くんを初めとする様々な人物にアドリブで密着して、そこでの出来事をそのまま記録しているので、登場人物が誰一人としてカメラの前だからとカッコつけたり、いわゆる「やらせ」みたいなものが(おそらく)ほとんどなく、素の状態のままで映画に登場しています。
だから、ライブなどの音楽活動や、子育ての合間をぬってのライブ遠征や、時には子供が風邪をひいてしまうこともあるような子育てや、夕飯を食べながらの夫婦喧嘩や、谷くちさんんお本職での障害者介護や、そこで垣間見える障害者と健常者の関わり合う世の中や、街の風景の一部として登場する総選挙の前の自民党の演説なども含めて、そういう音楽と日常と世の中が、すべて地続きに存在しているような内容の映画になっていて、そこがまさにドキュメンタリーだなあという感じがして良かったです。

そしてなんと言っても、この映画に登場するミュージシャンたちがとても人間臭くて魅力的な人物だなあというのが伝わる映画だったなあと思います。
特に、谷ぐち順さん、YUKARIさんと、共鳴くんの親子は本当にどこか変わっているけれどとても素敵な親子として描かれていて、最初は「MOTHER FUCKER」なんてタイトルだからもっと攻撃的な映画なのかと思ったんですが、実際に見てみたらとても温かい気持ちになれる映画でした。

そんな愛すべき親子と、その周りに集まるやっぱり愛すべき人達が奏でる音楽も、映画を見ていると段々魅力的に聞こえてくるから不思議です。
この映画を観ると、音楽というものは例えば仕事や趣味などと一言で簡単に分けられるものではなく、また上手い/下手などと簡単に評価できるものではなく、もっと人間の人生に深く関わる味わい深いものであることが実感されました。

すごく個人的な話ですが、僕がライブというものの魅力を知ったのは、数年前、松本に住んでいた時に地元のバンドのライブをたくさん見に行って仲良くなった頃なのですが、あの時に感じた音楽で人と繋がる楽しさみたいなものを思い出すような映画でした。
何より、映画を観終わってすぐ走り出したくなるくらい、ものすごく元気がもらえる映画でした!





と言う訳で、『MOTHER FUCKER』、2018年の1本目からとても面白い映画に出会えて幸せです!
シネ・ウインドでの上映は、残すところ1/4(木)の1回のみなので、是非観てみてください!





あと追加の感想で、映画を観てからしばらく経って、『MOTHER FUCKER』というタイトルが、いわゆるスラングの「マザーファッカー」ではなく、「MOTHER」がYUKARIさん(バンドをしながら共鳴くんの子育てをしている母親)、「FUCKER」が谷ぐち順さん(YUKARIさんの夫でFUCKERの名前でミュージシャンとして活動)の夫婦を表していることに気付きました!
だからやっぱりあの映画は家族の映画なんだと思います!
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