突然昨年見たお芝居の感想を書いて行くコーナー。
今回は、昨年12月に観劇した劇団カタコンベさんのお芝居。
明日は劇団カタコンベさんの公演「嘘は鏡に映っても嘘」を見に行きます。
という訳で、その前に前回公演を振り返っておこうと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/8a/9e9037ef74b70b2f263c050b1ba7e5ec.jpg)
劇団カタコンベ
だって この砂丘が保持できるだけの水の総量を考えてみてよ
この公演、個人的にすごく好きでした。
具体的に言うと脚本がすごく良かった、という訳で感想書いて行きます。
物語は、ある公園で出会った、中学時代に同じ塾に通っていた高校生の男の子と女の子の物語。
その二人が通っていた塾の先生と、その奥さんの物語。
塾の先生と、その妹の物語。
そして、その公園に集まる色んな人達の残留思念たち(白い服の人達、カタコンベが得意なやつ)。
この4つの物語がうまい具合に繋がって、一つの物語になってる感じです。
物語の最初は、高校生の男女が公園で出会って話をするシーン。
二人は違う高校に通っているようですが、もともと同じ塾の生徒だったという設定。
で、どうやら男の子の方が、女の子のより難しい高校に行ったという設定なんですが、男の子は登校拒否してるらしい。
これが、いじめとか家庭崩壊とかじゃなくて、なんとなく行かなくなったそうな。
女の子の話によると、男の子は勉強はよく出来るし、家も金持ちの「雲上人」。
そんな彼が、ある日ふとなんとなく行けなくなってしまった、というのに物凄く惹かれました。
そんな彼に対し「ぐれたんじゃない、ずれたんだよ」って言葉が出て来るんですが、この「ずれる」って言葉が本当に絶妙で。
その、なんていうか、これと言った理由はないんだけど、世の中と上手く折り合いをつけていけなくなる感じに、「ずれる」って表現があまりにもぴったりで、この時点で感動しました。
個人的な話なりますが、多分僕もどこかでずれたんでしょうね。
それで共感してしまった部分もある気がします。
で、彼の話の中に「月一で家族で料亭に行くんだけど、何も問題ないみたいな顔してご飯食べる」ってエピソードが出て来るんだけど、それがああ、分かるなあ、っていう。
いや、料亭とか行きませんけど、そういう家族と仲悪い訳じゃないんだけど、何食わぬ感じで接する感じが、本当に分かるなあっていう。
なんか、絶妙に彼とシンクロしたんでしょうね。
ええ、僕のようにずれてしまった人間にとっては、非常に引き込まれる物語でした。
対して、女の子の方は、両親が離婚調停中という設定で、本気で家庭が殺伐としていたりするという…
人によってはこっちの方が共感できるかもしれませんね。
で、この離婚っていうのがこの物語のキーワードの一つになっている。
というのも、基本的に会話劇なんですが、話を聞いてると少し未来の、離婚率、自殺率が異様に高くなった日本ということが分かります。
全体を通して静かな会話劇なんですが、こういうブラックな要素がそっと入ってる。
そこもまた、この物語の魅力の一つだったと思います。
で、高校生二人の会話の中に、そういう自殺についての会話が出て来るんだけど、男の子の台詞。
「離婚してガンで死のう」
これ、物凄く暗い発言だけど、裏返すと、つまり自殺しないで生きていこうって意味。
すごいネガティブな言葉なんだけど、「命を大切に!」みたいな言葉より、なんだかストレートに響く言葉でした。
その後、塾の先生が出て来るんですが、主催の戸中井三太さんが演じています。
この先生、もともと先生だったのに今は無職だったり、どこか生徒にナメられてるようで信頼もされてるような、飄々と雰囲気が魅力的な人物でした。
そしてこの先生の口癖が、「まあ、適当にアレしたまえ」
この言葉、何だかよく分からないんですけど、「離婚してガンで死ぬ」みたいに、何だか感動してしまったんだよなあ。
ところでこの舞台となった公園、ホタルが出るとか、それは幽霊じゃないとか言われてるいわく付きの公園だったりする。
その、幽霊だか残留思念だかを表現するのが…そう、カタコンベお得意の白い服の人達!
ええと、見てない方には伝わるか分からないんですが、カタコンベの作品に度々登場する、白い服を来た人々です。
これは、分かりやすく言っちゃうと幽霊、と言うか人々の残留思念とかを表現していると思われるもので、舞台に突如白い服の人々が大量に登場するという演出です。
で、これが舞台にいるいわゆる“生きた”人には見えずに、舞台をゆらゆら移動したり座ったり立ったりしながら口々に思い出を語り出しますてます。
因みに、あれ、本当に役者さんたちの思い出を語ってるんだってね。(カタコンベのさまーさんから教えてもらいました)
この、残留思念を僕は一年前に「華やかな不在」という舞台でも見たんですが、今回の物語では、その使い方が更に良くなってたと思います。
というのは、分かりやすくストーリーに残留思念に組み込まれてたということ。
物語に登場する、塾の先生と、その妹のエピソード。
離婚を決意した妹が、兄と話すというシーン。
因みにこの妹を演じてるのが、カタコンベのさまーさんと、客演のさっきーさんのダブルキャストでした。
もちろん俺はどっちも見に行ったぜ!
やっぱり、役者が違うので、それぞれに異なった魅力がありましたが、意外な発見も。
というのは、僕はさっきーさんver.を先に見てからさまーさんver.を見たんですが、登場した瞬間、さまーさんが一瞬さっきーさんに見えたんですね。
なんですけど、その後で同じ人物を演じているんですけど、役者が違うんでちょっとずつ雰囲気も変わっていくんですけどね。
ああ、スタート地点が同じだけど、役者によって味わいが変わっていく、それもまたダブルキャストの魅力なのかなって思いました。
あと、二人に共通して言えることは、ちゃんと重要な瞬間を押さえて演技していたこと。
というのも、妹と兄が離婚の話をしながら「離婚率と自殺率の話」とかしてきて、もうこの妹は死亡フラグビンビンなんですね。
で、ここで重要なのが、「あ、今絶対この人死ぬこと考えた!」って瞬間が、台詞はないんだけど、見てて分かるんですよ。
演劇て結局、役者の心の動きをどれだけ伝えられるかが重要だと思うんですが、そういう点ですごく大事なところ押さえた演技だったなあって思います。
で、何か思わせぶりなこと言い残して去っていく妹。
あ、死んじゃうのかなーって思いながら見てると、なんやかんやあって、物語の後半で白い服の残留思念になって出てきて、ああやっぱりーっていう。
あと、白い服の人と同じような意味合いで、ホタルというものの使われ方ね。
塾の先生と、その奥さんの物語が出て来るんですが、実は二人は過去に子供を亡くしているというエピソードが出てきます。
で、奥さんは未だにこの公園に来れば死んだ子供に会えるって思ってるのね。
夫の方は平気そうにしてるんだけど、実際死んだこと悔やんでて。
「子供が生まれたから禁煙しようと思ったんだけど出来なかった、でも死んでからやめて・・・遅いよ・・・」
みたいな、切ないにもほどがある台詞とか出てきます。
なんだけど、最後の方のシーンで、奥さんがホタルを見つけるシーン。
直接的な表現を使わずとも、奥さんが子供の魂に出会えたのかな…って観客に思わせる、すごく絶妙な演出に思えます。
そんな感じで、全体的に見て思ったことは、まず台詞の言葉選びのセンスが非常にいい!
そして言葉を使わずに観客に「何が起こったか」を伝える(時に演技だったり、時に脚本の中で伏線を積み重ねて)のが絶妙!
そんな、絶妙なお芝居だったなーって思います。
好みは分かれそうな感じありますが…僕は大分好きです。
そんな劇団カタコンベさんの「だって この砂丘が保持できるだけの水の総量を考えてみてよ」
非常に見応えのある作品でした。
明日見に行く「嘘は鏡に映っても嘘」もかなり楽しみです。
詳しくはカタコンベさんの公式HPをチェックだ!http://catacombe.sblo.jp/
カタコンベさんと同じ新潟演劇祭参加作品、劇団@nDANTE「お勝手の姫」
3月16、17日の本番まであと7日!
今回は、昨年12月に観劇した劇団カタコンベさんのお芝居。
明日は劇団カタコンベさんの公演「嘘は鏡に映っても嘘」を見に行きます。
という訳で、その前に前回公演を振り返っておこうと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/8a/9e9037ef74b70b2f263c050b1ba7e5ec.jpg)
劇団カタコンベ
だって この砂丘が保持できるだけの水の総量を考えてみてよ
この公演、個人的にすごく好きでした。
具体的に言うと脚本がすごく良かった、という訳で感想書いて行きます。
物語は、ある公園で出会った、中学時代に同じ塾に通っていた高校生の男の子と女の子の物語。
その二人が通っていた塾の先生と、その奥さんの物語。
塾の先生と、その妹の物語。
そして、その公園に集まる色んな人達の残留思念たち(白い服の人達、カタコンベが得意なやつ)。
この4つの物語がうまい具合に繋がって、一つの物語になってる感じです。
物語の最初は、高校生の男女が公園で出会って話をするシーン。
二人は違う高校に通っているようですが、もともと同じ塾の生徒だったという設定。
で、どうやら男の子の方が、女の子のより難しい高校に行ったという設定なんですが、男の子は登校拒否してるらしい。
これが、いじめとか家庭崩壊とかじゃなくて、なんとなく行かなくなったそうな。
女の子の話によると、男の子は勉強はよく出来るし、家も金持ちの「雲上人」。
そんな彼が、ある日ふとなんとなく行けなくなってしまった、というのに物凄く惹かれました。
そんな彼に対し「ぐれたんじゃない、ずれたんだよ」って言葉が出て来るんですが、この「ずれる」って言葉が本当に絶妙で。
その、なんていうか、これと言った理由はないんだけど、世の中と上手く折り合いをつけていけなくなる感じに、「ずれる」って表現があまりにもぴったりで、この時点で感動しました。
個人的な話なりますが、多分僕もどこかでずれたんでしょうね。
それで共感してしまった部分もある気がします。
で、彼の話の中に「月一で家族で料亭に行くんだけど、何も問題ないみたいな顔してご飯食べる」ってエピソードが出て来るんだけど、それがああ、分かるなあ、っていう。
いや、料亭とか行きませんけど、そういう家族と仲悪い訳じゃないんだけど、何食わぬ感じで接する感じが、本当に分かるなあっていう。
なんか、絶妙に彼とシンクロしたんでしょうね。
ええ、僕のようにずれてしまった人間にとっては、非常に引き込まれる物語でした。
対して、女の子の方は、両親が離婚調停中という設定で、本気で家庭が殺伐としていたりするという…
人によってはこっちの方が共感できるかもしれませんね。
で、この離婚っていうのがこの物語のキーワードの一つになっている。
というのも、基本的に会話劇なんですが、話を聞いてると少し未来の、離婚率、自殺率が異様に高くなった日本ということが分かります。
全体を通して静かな会話劇なんですが、こういうブラックな要素がそっと入ってる。
そこもまた、この物語の魅力の一つだったと思います。
で、高校生二人の会話の中に、そういう自殺についての会話が出て来るんだけど、男の子の台詞。
「離婚してガンで死のう」
これ、物凄く暗い発言だけど、裏返すと、つまり自殺しないで生きていこうって意味。
すごいネガティブな言葉なんだけど、「命を大切に!」みたいな言葉より、なんだかストレートに響く言葉でした。
その後、塾の先生が出て来るんですが、主催の戸中井三太さんが演じています。
この先生、もともと先生だったのに今は無職だったり、どこか生徒にナメられてるようで信頼もされてるような、飄々と雰囲気が魅力的な人物でした。
そしてこの先生の口癖が、「まあ、適当にアレしたまえ」
この言葉、何だかよく分からないんですけど、「離婚してガンで死ぬ」みたいに、何だか感動してしまったんだよなあ。
ところでこの舞台となった公園、ホタルが出るとか、それは幽霊じゃないとか言われてるいわく付きの公園だったりする。
その、幽霊だか残留思念だかを表現するのが…そう、カタコンベお得意の白い服の人達!
ええと、見てない方には伝わるか分からないんですが、カタコンベの作品に度々登場する、白い服を来た人々です。
これは、分かりやすく言っちゃうと幽霊、と言うか人々の残留思念とかを表現していると思われるもので、舞台に突如白い服の人々が大量に登場するという演出です。
で、これが舞台にいるいわゆる“生きた”人には見えずに、舞台をゆらゆら移動したり座ったり立ったりしながら口々に思い出を語り出しますてます。
因みに、あれ、本当に役者さんたちの思い出を語ってるんだってね。(カタコンベのさまーさんから教えてもらいました)
この、残留思念を僕は一年前に「華やかな不在」という舞台でも見たんですが、今回の物語では、その使い方が更に良くなってたと思います。
というのは、分かりやすくストーリーに残留思念に組み込まれてたということ。
物語に登場する、塾の先生と、その妹のエピソード。
離婚を決意した妹が、兄と話すというシーン。
因みにこの妹を演じてるのが、カタコンベのさまーさんと、客演のさっきーさんのダブルキャストでした。
もちろん俺はどっちも見に行ったぜ!
やっぱり、役者が違うので、それぞれに異なった魅力がありましたが、意外な発見も。
というのは、僕はさっきーさんver.を先に見てからさまーさんver.を見たんですが、登場した瞬間、さまーさんが一瞬さっきーさんに見えたんですね。
なんですけど、その後で同じ人物を演じているんですけど、役者が違うんでちょっとずつ雰囲気も変わっていくんですけどね。
ああ、スタート地点が同じだけど、役者によって味わいが変わっていく、それもまたダブルキャストの魅力なのかなって思いました。
あと、二人に共通して言えることは、ちゃんと重要な瞬間を押さえて演技していたこと。
というのも、妹と兄が離婚の話をしながら「離婚率と自殺率の話」とかしてきて、もうこの妹は死亡フラグビンビンなんですね。
で、ここで重要なのが、「あ、今絶対この人死ぬこと考えた!」って瞬間が、台詞はないんだけど、見てて分かるんですよ。
演劇て結局、役者の心の動きをどれだけ伝えられるかが重要だと思うんですが、そういう点ですごく大事なところ押さえた演技だったなあって思います。
で、何か思わせぶりなこと言い残して去っていく妹。
あ、死んじゃうのかなーって思いながら見てると、なんやかんやあって、物語の後半で白い服の残留思念になって出てきて、ああやっぱりーっていう。
あと、白い服の人と同じような意味合いで、ホタルというものの使われ方ね。
塾の先生と、その奥さんの物語が出て来るんですが、実は二人は過去に子供を亡くしているというエピソードが出てきます。
で、奥さんは未だにこの公園に来れば死んだ子供に会えるって思ってるのね。
夫の方は平気そうにしてるんだけど、実際死んだこと悔やんでて。
「子供が生まれたから禁煙しようと思ったんだけど出来なかった、でも死んでからやめて・・・遅いよ・・・」
みたいな、切ないにもほどがある台詞とか出てきます。
なんだけど、最後の方のシーンで、奥さんがホタルを見つけるシーン。
直接的な表現を使わずとも、奥さんが子供の魂に出会えたのかな…って観客に思わせる、すごく絶妙な演出に思えます。
そんな感じで、全体的に見て思ったことは、まず台詞の言葉選びのセンスが非常にいい!
そして言葉を使わずに観客に「何が起こったか」を伝える(時に演技だったり、時に脚本の中で伏線を積み重ねて)のが絶妙!
そんな、絶妙なお芝居だったなーって思います。
好みは分かれそうな感じありますが…僕は大分好きです。
そんな劇団カタコンベさんの「だって この砂丘が保持できるだけの水の総量を考えてみてよ」
非常に見応えのある作品でした。
明日見に行く「嘘は鏡に映っても嘘」もかなり楽しみです。
詳しくはカタコンベさんの公式HPをチェックだ!http://catacombe.sblo.jp/
カタコンベさんと同じ新潟演劇祭参加作品、劇団@nDANTE「お勝手の姫」
3月16、17日の本番まであと7日!
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