4/4(水)にシネ・ウインドで『恋とボルバキア』を観て来ました!
予告編はこんな感じ。
この予告編に出てくる、「「みんなちがって、みんないい」って、みんな言う。でも私はツライ!」っていうフレーズが素晴らしいなと思って、絶対に観に行こうと思いました。
ちなみにこのタイトルにある「ボルバキア」とは、宿主を性転換させるバクテリアの一種の名前らしく、ジェンダーとかLGBTなどの最近よく話題にのぼる現代的なテーマのドキュメンタリーなのかなと思いました。
で、実際に観た感想ですが、この映画には、肉体は男性でありながら心は女性なので女性として生きたい願望がある方、男性だけどホルモンのバランスで肉体の女性化がある方、男性だけど女装をして生きている方…などなど、そういう性やジェンダーに関して悩みを持つ様々な人々(主に男性)を追ったドキュメンタリー映画でした。
性同一性障害とか、女装男子とか、呼び方は様々ありますが、その一言では片付けられないような複雑な現実がそこにはありました。
どんな言葉でくくろうと、それぞれに異なる生き方があるように悩みの内容も人それぞれで、一言ではくくれないと言うか、かと言って「個性を大切に」の一言でも片付けられないと言うか、まさに予告編にある通り「みんなちがって、みんないい、ってみんな言う。でも私はツライ!」な映画です。
この映画では、恋愛対象が同性だったり女装趣味があったりする(肉体的、戸籍的には)男性の人達にメインで焦点を当てていますが、生き方が様々なように、それぞれに異なる悩みや生きづらさ、喜悲こもごもがあるわけです。
そしてそんな彼らの恋愛はもちろん複雑なものであるわけですが、考えてみれば恋愛なんてそもそも誰にだって複雑で難しいもので、そんなの当たり前のことなんですよね。
なかなか理解が得られているとは言い難い、性同一性傷害や女装男子と言われたりするような人達であっても、この映画を観ると自分と同じように日々の暮らしの中で悩んだりその中にも自分なりの喜びを見出しているんだなあということが分かるし、そんなの当たり前のことなんですけど、でもそういう当たり前のことにあらためて考えを至らせることが出来ただけでも、この映画が観られて良かったと思いました。
と言うか、この映画、出演者の一人がナレーションやところどころ出てくる手書きの字幕も担当しているし、なんていうか、観ていると少しだけ彼らを身近に感じられるような映画なんですよね。
彼らは彼らのコミュニティでひっそりと生きていたり、でもその裏では本音を隠して普通の社会人をしていたりするんですけど、そんな彼らの何気ない生活の一コマの中でふと笑顔を見たりすると、何故か自分のことのように喜んでしまいたくなるような、そんな映画でした。