舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「ただ悪より救いたまえ」観てきました。

2022-01-11 23:16:17 | Weblog




1/11(火)、ユナイテッド・シネマ新潟で「ただ悪より救いたまえ」を観てきました。



序盤、韓国の殺し屋インナムが引退前の最後の仕事として日本の凶悪なヤクザを暗殺する場面は、驚くほど静かに始まる。
しかしその直後、インナムの恋人がタイで怪しげな取引に巻き込まれ、同時刻に娘は謎の男女によって誘拐されていた。

場面が変わって韓国、インナムの前に恋人の死に連絡が届くと、彼女は臓器を売られて殺されていた…
彼女がタイで誘拐された娘を探していたと知った彼は、タイへと救出に向かう。

一方その頃、インナムに殺されたヤクザの弟である殺し屋のレイは、復讐のために動き出す。
インナムに関わる人間を執拗に追い詰めては残虐に殺害し、インナムを追ってタイに向かう…

インナムはタイで情報屋から臓器売買を目的とした犯罪組織に誘拐されたことを知り、関係者を次々と拷問しながらアジトへと向かっていきます。
あと一歩のところで娘を取りのがしてしまったインナムの前に、宿敵レイが犯罪組織の人間を次々と切り捨てながら乗り込んでくる…そこからのジェットコースター展開が凄まじい。

犯罪組織に乗り込もうとするインナム、その前にショットガンをぶっ放しながら現れる狂暴な殺し屋レイ、さらに背後からは警察の集団が銃撃しながら追ってくる。
その警察も、犯罪組織に買収されているので、関係者を全員殺害して隠蔽を企むという、完全に誰も信用できない。

レイと警察の銃撃戦を掻い潜りながら、インナムは犯罪組織を倒して娘を取り戻そうとする。
そんな三つ巴、四つ巴の死闘が、タイの雑然とした街並みの中で繰り広げられる。

インナムとレイが完全な勧善懲悪ではなく、二人とも目的のためなら手段を選ばない冷酷さを持った表裏一体の存在として描かれる。
しかし、そんな冷酷なインナムもやがて命懸けで子供を守るという人間らしさを見せていくあたり、ただのアクションではない深い人間ドラマを感じました。

さらに重要なのが、インナムがタイでの通訳として雇う、性転換手術の資金を稼ぐためにショーパブで働く韓国人のユイ。
最初は金のためなら何でもやるという不純な動機だったユイが、一触即発の殺し合いに巻き込まれながらも、次第に命懸けで子供を救おうと奮闘する。

インナムは一度娘を助け出すことに成功しますが、一難去ってまた一難、レイはインナムの隙をついて娘を誘拐し、大量の殺し屋を送り込んでインナムを殺害しようとする。
そこでインナムは凄まじいアクションで次々と殺し屋を倒していくのですが、最後の最後でピンチに…

…という時に助けに来るのが、まさかのヤクザでも殺し屋でも警察でもない一般人ユイ。
命の危機というこの上ない恐怖の中、それでも仲間を本気で救おうとするその勇気に感動。

そこからの、インナムとレイの最後の死闘が始まるのですが、走る車の中での息もつかせぬアクションからは目が離せなくなりました。
目的のためなら何人殺害しても構わないという文字通り復讐の鬼と化したレイに対し、娘を守るためなら自らの命を犠牲にしても構わないインナム、共に命知らずですが、ベクトルは真逆なんですね。

とにかく関係者の大半が死ぬというとんでもない悲劇で終わるかと思いきや、最後に生き残ったあの2人が、きっと最後の希望なのでしょう。
泥臭くて生々しいバイオレンスアクションから目が離せなくなりますが、それでも最後には「この命を大切に生きよう」と思える映画でした。
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