舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

ノルウェーの静かに心をえぐる怪奇映画『テルマ』観て来ました!

2019-01-24 23:07:19 | Weblog


1/23(水)、イオンシネマ新潟南で『テルマ』を観て来ました。





予告編はこんな感じです。



ノルウェーのホラー映画ということで、どんな映画だろうかと気になって観に行ったんですけど、ホラー映画というより怪奇映画って感じがしました。
どんな映画かと言うと、生まれつき制御できない謎の能力を持ってしまった少女が自分でも理解できないうちに次々と不幸な出来事を起こしてしまう、というものです。

この謎の能力、映画を最後まで観ると、ものを動かしたりできるようないわゆるサイコキネシスってものなのかな?って感じがするんですけど、これがどういう能力なのかが途中までよく分からない、っていうのがポイントだと思いました。
分からないっていうのは、この映画を観ている観客もよく分からないし、それ以上に主人公自身を含む映画の登場人物が誰一人としてよく分かっていないのです。

しかし、明らかに次々と科学では説明できないような出来事が次々と起こってしまい、その結果不幸な出来事も招いたりしてしまうんだけど、途中で主人公が、「もしかしてこれは自分なんだろうか…」と気付き始めてしまう瞬間が、本当に怖かったです。
想像してみてください、例えば、自分が心の中で「アイツが死んでしまえばいいのに」と念じる度に、本当にその相手が次々と死んでいったりしたら、誰だって怖くなりますよね。

この映画はそこまで直接的な表現ではありませんが、そのような恐怖を描いた作品なんだなと思いました。
もっと言えば、心の中で念じるとまではいかなくても、まだ気付いていない自分自身の気持ち、いわゆる深層心理的なものとか、「なんとなくあの人のことが苦手だな…」みたいなものって誰にでもありますよね。

その程度の些細な(その人の心の中では大きな問題なのかも知れないけど)の気持ちが引き金となって、不幸な超常現象を引き起こしてしまうとしたら、本当に恐怖ですよね。
誰だって、自分の心の中に留めておくだけだから何とか安心できるような、誰にも決して見せることの出来ない闇みたいなものって持ってると思うんですけど、これがもし自分の意志に反して動き出してしまうとしたら、こんなに怖いことはないと思うんですよ。

この映画は、まさにそういう恐怖、自分が本当は理性的には抑えていたいはずの気持ちが暴走して加害者になってしまう恐怖を描いた映画だったと思います。
さらに、これはネタバレになるから書けないんですけど、最初に自分がその能力を発動してしまった時の記憶を自分自身が封じているのを途中で思い出してしまう、しかもその内容があまりにも、あまりにもしんどかったですね…(ギリギリネタバレを隠して言うんですけど、僕みたいな幼少期に弟に怒りをぶつけてしまったような体験を持つ長男長女の人には刺さると思いました)

そして、そんなことを考えていたら、この映画ってもしかしたら、幼少期や思春期の制御できない感情を描いた映画かも知れないと思ったんですよね。
そういう制御できない感情みたいなものって、僕でも経験があることなので、まるで自分自身の忘れたいトラウマをえぐられたような気持ちになり、それが嫌な感じの恐怖を煽っていたと思います。
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