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祖母の家に行ったら、超絶的に面白そうな本がありました。
「宇宙海ぞくパプ船長」
で、さっそく読んでみたんですが、これがまあとても面白かったんです。
児童文学なのであっと言う間に読めました。
内容は、戦国時代の武士の少年が宇宙海ぞくパプ船長の宇宙船に乗って冒険するというSFです。
この設定の時点で超面白そうでしょ。
冒頭で、武士の少年は戦で家族を失うという、思った以上にハードな設定から物語は始まります。
故郷を失って宇宙に旅立つ物語ってそれこそスターウォーズだれそうだし、SF冒険ものの王道ですよね。
宇宙では、ロボットとの戦闘があったり、パプ船長が故郷の星に戻ると数百年が経過してるというウラシマ効果や、怪しいマスクを着けた警察たちに囲まれたり、巨大な昆虫型の宇宙人や、宇宙船一つ取ってもアダムスキー型の宇宙船と葉巻型の宇宙船が接触したりと、SFの面白さがぎっしり詰まっています。
また、面白さだけでなく、SFならではの深いテーマも描かれています。
パプ船長の星にはある植物が植えてあり、その植物の匂いを嗅ぐと喧嘩をしたくなるとくしゃみが出るためにその星では戦争がなくなったけど、果たして星は本当に平和になったんだろうか。
敵の宇宙人が仕掛けたロボットを操作して自分の味方にするんだけど、意思を持たないロボットを使い手の都合に合わせて操作する人間は正しいと言えるのだろうか。
こういう、現実の自分達にも当てはまる問題を、架空の設定に置き換えて描けるのは、まさにSFの魅力と言えます。
また、最初から最後までパプ船長のことは絶対的に正しい人とは描いていないし、分かりやすい答えを示さないところも、素晴らしいと思いました。
そして、これだけSFの魅力と価値がぎっしり詰まった物語を、なんと児童文学でやってしまうのが驚きです。
児童文学なめんなよ!っていう。
しかも、児童文学だから難しい言葉を使っていなくて、さらさら読めるんですが、これが冒険の物語をすごくテンポよく味わえるっていう、すごくいい効果を発揮してるんです。
さらに、余計な言葉を使わずにやさしい言葉で深い設定やテーマを描いているから、すごく想像力が刺激されます。
本当に、児童文学なめんなよ!っていう。
「宇宙海ぞくパプ船長」オススメです!