4/4(木)、ユナイテッド・シネマ新潟で『まく子』を観てきました!
予告編はこんな感じです。
田舎の温泉街を舞台に、引っ込み思案な小学生男子が、ある日自分の家の旅館に住み込みで引っ越してきた同い年の女の子と出会い、彼女との距離感に戸惑いつつも、ある日彼女から不思議な秘密を打ち明けられ…という少し不思議な子供の人間ドラマで、すごく良かったです。
僕が考えるいい映画って、何もかも台詞で説明せずに丁寧な演技や演出の積み重ねで物語や心境の変化を表現するものだと思っているんですけど、「まく子」はまさにそんな映画でした。
小学生という、まだ自分の気持ちを言葉にするのが難しい登場人物たちの、気持ちの変化を表情と少ない言葉で絶妙に表現していて、物語に自然と引き込まれました。
主人公の男の子がすごく良くて、騒いでる男子たちに溶け込めず、女子と話すと照れてしまい、からかわれても言い返せず、家族との付き合い方に迷い、初恋に戸惑い、さらに夢精に悩む!という、大人になろうとする彼の姿に「ああ、分かるわー!頑張れー!」って応援したくなったほど大好きになってしまいました。
そんな彼が出会うヒロインの女の子も本当によくて、小学生の男子から見ると同い年の女の子がちょっと大人に見えるあの感じ、さらにちょっと浮世離れしたミステリアスな雰囲気も絶妙に表現していてとてもキュートで、これは同い年の男子ドキドキしちゃうわ!って思わせる力がとてもありました。
主人公が本当に普通の男の子で、彼が女の子とと出会ったドキドキやクラスメイトや大人たちの色々な世界を知ることで少しずつ大人になっていく姿を非常に丁寧に描いていて、ああ、本当にいい映画だなあ!って思いました。
ストーリーを強引に進めるのではなく、あくまで様々な人間描写を丁寧に積み重ねることで物語が少しずつ動いていく、という語り口が見事でしたね。
だからこそ、最後には少し不思議な終わり方をするのですが、それもわりとすんなりと受け入れることが出来ました。
また、何だかんだ悪役が登場しないというか、街の人々が最終的には色々あるけどみんな悪い人じゃないんだよね、っていう描き方をしているあたりにも、優しさを感じました。(これは原作者の西加奈子さんの魅力かも知れません。未読なのでいつか必ず読みます!)
そして、お父さん役の草彅剛さんも本当にいい役者さんだなあとあらためて思いました。もっと活躍してくれ!