舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

何歳になっても暗闇は怖い。

2010-06-17 23:23:55 | Weblog
最近、BLUESの稽古の後でレイさんやおもケンと車の中でダラダラ話していると、何故かいつも怖い話になります。

三人とも怖い話が好きで、常に何かしらの怖い話を持っていて、順番に話していくのです。
話しているうちに、外を歩く人も遠くの民家の明かりも全部怖いものに見えてくる独特の空気が車の中に満ちていきます。

実は三人ともすごく怖がりなんですよね。
例えば公民館で稽古して、帰る前に二階の電気が消えているか確認しに行くのがやたら怖かったりするのです。

この前の日曜も、レイさんとおもケンと三人で稽古した帰りに二階を確認するのが怖くなりました。
怖さを紛らわせるために、おもケンと俺の二人で二階に行く、という子供みたいなことをしたくらいです。

二階を確認して一階に戻ると、不思議な事が起きていました。
さっきまで点いていたはずの電気が全て消え、レイの姿も消えていたのです。

きっとこれは、レイさんがどこかに隠れていて僕らを驚かそうとしているに違いない。
僕らは確信しました。

レイさんは、怖い話をする時もオチで声を大きくしたりして、誰よりも驚かすことに情熱を注ぐ男です。
時には違う人が話している途中で突然「お前だ!」とか言い出して驚かしに来るやんちゃな男でもあります。

そんなレイのことだ、どこかに隠れて僕らを本気で驚かそうとしているに違いない!
俺とおもケンは、怖かったのでいつレイが出て来てもいいようにと、

「レイ!そこにいるのは分かってるぞ!」

とか言いながら暗い廊下を進んでいきました。
特に曲がり角や、ドアがある前では細心の注意を払いました。

が、結局レイは公民館のどこからも出現しませんでした。
多分外に隠れいているのだろうと思い、裏口から出て鍵をかけました。

公民館の裏口から公民館の正面に向かう途中でさえも、レイに備えて声を出しながら歩きました。
怪しい場所では細心の注意を払ったのですが、そこにもレイはいませんでした。

公民館の前に回ると、やっと明るい街頭の下に出られます。
そして、そこで俺とおもケンが見たもの、それは……


一人で煙草をすってダラダラしているレイの姿でした。


レイは最初から僕らを驚かす気などなかったのです。


恐怖は人の心の中に住む、ということを実感した夜でした。
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