MOOSIC LAB 2012を観て来た話。
6/11(月)に、MOOSIC LABという映画を観て来ました。
これは、映画監督とミュージシャンがコラボした12本の短編映画によるイベントでした。
全国各地で開催されており、新潟での上映はシネ・ウインドでした。
こういう面白いイベントを新潟でも開催してくれるシネ・ウインドはやはりありがたいです。
MOOSIC LABの新潟開催は『新潟ガタガタ敵味方編』と銘打たれ、その予告動画は、「うみのて」の笹口騒音さんが登場!
今年のりんご音楽祭で笹口さんを見ていた僕は、たまたまこの動画を見つけ、「絶対行こう!」と決めたのでした。
という訳で感想書いて行きますが、一部ネタバレを含む内容になっています。
『MOOSIC LAB 2012 -新潟ガタガタ敵味方編-』予告編
You tubeより。
MOOSIC LAB 2012では、ABCDの4つのプログラムに分かれていて、それぞれ3編ずつ上映していました。
僕が6/11(月)に見に行ったのは、Bプログラムでした。
Bプログラムの上映作品は、「新しい戦争を始めよう」「Big Boss」「アイドル・イズ・デッド」の3編。
感想、それぞれ書いて行きます。
「新しい戦争を始めよう」
笹口騒音ハーモニカさんが出演ということで、非常に楽しみにしていました。
内容は、メタフィクションという感じの不思議な内容でした。
主人公は、東京の風景を撮影してはYou tubeにアップしている男。
この男を演じているのが、監督の竹内道宏さん自身で、ここらへんもメタフィクションっぽい。
ある日、道で弾き語りをしている笹口騒音ハーモニカに出会った主人公は、笹口さんの音楽に取りつかれたかのように動画を撮影してはYou tubeに上げ始める。
すると、笹口さんの曲の歌詞に出てくる出来事が、まるで予言のように、少しずつ現実になってくる……
僕が思うに、笹口さんの音楽は現代日本に警鐘を鳴らしていると思うんですよ。
こお映画も、うみのての「もはや平和ではない」という曲の主張を、そのまま映像として表現していると思いました。
気になったのは、この作品の中で「新しい戦争を始めよう」の映画のフライヤーが出てくるというメタな展開があるんですが、それが前野健太さんの主演映画「トーキョードリフター」にそっくりなんです。
トーキョードリフターは、東日本大震災の後の節電で真っ暗になった東京で、放射能の雨が降っているかもしれない中、一晩中前野さんが歌い続けるというドキュメンタリー映画でした。
あの映画は色んな見方があると思いますけど、僕が思うにあれは、音楽が人や世界を変えるかもしれない可能性を表現したかったんじゃないかと思ってます。
で、この「新しい戦争は始めよう」はその先の、本当に音楽が世界を変えてしまったら、という部分をフィクションで表現したのかな、とか思ってます。
あ、でもフィクションとか言ってますけど、この映画を見た数日後に、大飯原発が再稼働したりして、本当に「もはや平和ではない」世の中になってしまったよ!
あと、「笑っていいともやってる限り平和だと思ってた」って歌詞もあるんですけど、本当に笑っていいともは今年で打ち切りになるらしいじゃないですか!
マジで笹口さんの音楽が現実になっているのか!?笹口さん本当に預言者なのか!?
なんてことを冗談じゃなく考えそうにもなってしまいますが、この映画は世の中に警鐘を鳴らすというロックのあるべき姿を描いていたと思います!素晴らしい!
あと、そう言えば、この映画には神聖かまってちゃんのちばぎんとか、バンドじゃないもん!の金子沙織さんとか、出てくるんですけど、その中にマーライオンさんが出てたんですよ!
今年の4月に瓦レコードで同時多発ネコと共演してたマーライオンさんですよ!思わぬところでみかけてびっくりしたぜ!
「Big Boss」
この映画は、三編の中で(いや、寧ろMOOSIC LABの中で)唯一のアニメーション映画でした。
そしておそらく、最も短くて、そして最もシュールな映画だったと思います。
内容はというと、河原の小屋に住んでいる男がギターを持って町を練り歩く、それだけの映画です。
歩きながら、川で全裸になってる謎のオッサン、リコーダーを吹く小学生など、色々な人とすれ違う。
やがて、一人の男を殺そうとしているヤクザの集団に出会った主人公は、ヤクザ達の前で一曲弾き語る。
ヤクザ達は殺しはやめて去っていったが、かと言って主人公は男を助けるでもなく、また歩き始める。
その後もいろいろな人とすれ違って帰宅した主人公。
実はその男は、ミュージシャンの渡辺勝だった!
本当にこれだけの映画。これだけの映画なんですけど……なーんかいいんですよね。
ギター弾きながら河原を歩きたくなる映画です。
「アイドル・イズ・デッド」
新生アイドル研究会BiSが主演の映画。
で、MOOSIC LABで唯一のアイドルが主演の映画。
アイドル映画って言っても、そこはBiSだから、きっと何かやらかしてくれるに違いない!
何しろ、PVで全裸で樹海を疾走したり、東京の路上で黒魔術をやらかしたりするようなアイドルなんだし。
と、期待して見たんですけど、本当に期待以上の、アイドルの常識を覆しような素晴らしい映画でした。
あんなに無駄に出血するわ無駄に死人は出るわで、必要以上に、B級映画っぽさが全開の映画でした。
あと、ストーリーの中で明らかに某アイドルプロデューサーをパロったような人物も登場。
そのプロデューサーに認められなかったアイドルは人知れず世間から消されるとか、なんつーかアイドル業界そのものをネタにしちゃってる。
しかも、そのプロデューサーも最終的にゾンビに殺されるとかもう、流石としか言えない!やってくれるぜ!
BiSがアイドルの常識を覆し続けているとんでもない集団だって、あらためて実感しました。
しかし、そんなバカストーリーなんですけど、観ていると謎の感動に襲われるんです。
というのは、ストーリーの中に、BiSのファンにはたまらない要素がこれでもか!と出てくるからだと思います。
実はずっとアイドル歌手になりたかったプーちゃんとか、もともとアイドルオタクで引きこもりだったのぞしゃんとか、途中でメンバーが脱退するとか、そこで入って来たのが真面目なユフちゃんだったりとか。
何て言うか、BiSがこれまで辿って来た軌跡をきちんと表現していて、だからメンバーの演技も、本当の気持ちで演じているんだろうなあって感じがして、それが感動的でした。
はっちゃけたところも、一生懸命なところも、BiSの魅力を余すことなくつぎ込んだ映画だと思いました。
中でも、のぞしゃんことヒラノノゾミさんにまさかあそこまで泣かされるとは!
のぞしゃんのひたむきさ、真面目さ、優しさ、そういうものがしっかり描かれてました。
うん、のぞしゃん本当にカッコイイぜ!
あー、ガッツリ感想書いてしまったらこんなに時間かかっちゃったよ。
6/11(月)に、MOOSIC LABという映画を観て来ました。
これは、映画監督とミュージシャンがコラボした12本の短編映画によるイベントでした。
全国各地で開催されており、新潟での上映はシネ・ウインドでした。
こういう面白いイベントを新潟でも開催してくれるシネ・ウインドはやはりありがたいです。
MOOSIC LABの新潟開催は『新潟ガタガタ敵味方編』と銘打たれ、その予告動画は、「うみのて」の笹口騒音さんが登場!
今年のりんご音楽祭で笹口さんを見ていた僕は、たまたまこの動画を見つけ、「絶対行こう!」と決めたのでした。
という訳で感想書いて行きますが、一部ネタバレを含む内容になっています。
『MOOSIC LAB 2012 -新潟ガタガタ敵味方編-』予告編
You tubeより。
MOOSIC LAB 2012では、ABCDの4つのプログラムに分かれていて、それぞれ3編ずつ上映していました。
僕が6/11(月)に見に行ったのは、Bプログラムでした。
Bプログラムの上映作品は、「新しい戦争を始めよう」「Big Boss」「アイドル・イズ・デッド」の3編。
感想、それぞれ書いて行きます。
「新しい戦争を始めよう」
笹口騒音ハーモニカさんが出演ということで、非常に楽しみにしていました。
内容は、メタフィクションという感じの不思議な内容でした。
主人公は、東京の風景を撮影してはYou tubeにアップしている男。
この男を演じているのが、監督の竹内道宏さん自身で、ここらへんもメタフィクションっぽい。
ある日、道で弾き語りをしている笹口騒音ハーモニカに出会った主人公は、笹口さんの音楽に取りつかれたかのように動画を撮影してはYou tubeに上げ始める。
すると、笹口さんの曲の歌詞に出てくる出来事が、まるで予言のように、少しずつ現実になってくる……
僕が思うに、笹口さんの音楽は現代日本に警鐘を鳴らしていると思うんですよ。
こお映画も、うみのての「もはや平和ではない」という曲の主張を、そのまま映像として表現していると思いました。
気になったのは、この作品の中で「新しい戦争を始めよう」の映画のフライヤーが出てくるというメタな展開があるんですが、それが前野健太さんの主演映画「トーキョードリフター」にそっくりなんです。
トーキョードリフターは、東日本大震災の後の節電で真っ暗になった東京で、放射能の雨が降っているかもしれない中、一晩中前野さんが歌い続けるというドキュメンタリー映画でした。
あの映画は色んな見方があると思いますけど、僕が思うにあれは、音楽が人や世界を変えるかもしれない可能性を表現したかったんじゃないかと思ってます。
で、この「新しい戦争は始めよう」はその先の、本当に音楽が世界を変えてしまったら、という部分をフィクションで表現したのかな、とか思ってます。
あ、でもフィクションとか言ってますけど、この映画を見た数日後に、大飯原発が再稼働したりして、本当に「もはや平和ではない」世の中になってしまったよ!
あと、「笑っていいともやってる限り平和だと思ってた」って歌詞もあるんですけど、本当に笑っていいともは今年で打ち切りになるらしいじゃないですか!
マジで笹口さんの音楽が現実になっているのか!?笹口さん本当に預言者なのか!?
なんてことを冗談じゃなく考えそうにもなってしまいますが、この映画は世の中に警鐘を鳴らすというロックのあるべき姿を描いていたと思います!素晴らしい!
あと、そう言えば、この映画には神聖かまってちゃんのちばぎんとか、バンドじゃないもん!の金子沙織さんとか、出てくるんですけど、その中にマーライオンさんが出てたんですよ!
今年の4月に瓦レコードで同時多発ネコと共演してたマーライオンさんですよ!思わぬところでみかけてびっくりしたぜ!
「Big Boss」
この映画は、三編の中で(いや、寧ろMOOSIC LABの中で)唯一のアニメーション映画でした。
そしておそらく、最も短くて、そして最もシュールな映画だったと思います。
内容はというと、河原の小屋に住んでいる男がギターを持って町を練り歩く、それだけの映画です。
歩きながら、川で全裸になってる謎のオッサン、リコーダーを吹く小学生など、色々な人とすれ違う。
やがて、一人の男を殺そうとしているヤクザの集団に出会った主人公は、ヤクザ達の前で一曲弾き語る。
ヤクザ達は殺しはやめて去っていったが、かと言って主人公は男を助けるでもなく、また歩き始める。
その後もいろいろな人とすれ違って帰宅した主人公。
実はその男は、ミュージシャンの渡辺勝だった!
本当にこれだけの映画。これだけの映画なんですけど……なーんかいいんですよね。
ギター弾きながら河原を歩きたくなる映画です。
「アイドル・イズ・デッド」
新生アイドル研究会BiSが主演の映画。
で、MOOSIC LABで唯一のアイドルが主演の映画。
アイドル映画って言っても、そこはBiSだから、きっと何かやらかしてくれるに違いない!
何しろ、PVで全裸で樹海を疾走したり、東京の路上で黒魔術をやらかしたりするようなアイドルなんだし。
と、期待して見たんですけど、本当に期待以上の、アイドルの常識を覆しような素晴らしい映画でした。
あんなに無駄に出血するわ無駄に死人は出るわで、必要以上に、B級映画っぽさが全開の映画でした。
あと、ストーリーの中で明らかに某アイドルプロデューサーをパロったような人物も登場。
そのプロデューサーに認められなかったアイドルは人知れず世間から消されるとか、なんつーかアイドル業界そのものをネタにしちゃってる。
しかも、そのプロデューサーも最終的にゾンビに殺されるとかもう、流石としか言えない!やってくれるぜ!
BiSがアイドルの常識を覆し続けているとんでもない集団だって、あらためて実感しました。
しかし、そんなバカストーリーなんですけど、観ていると謎の感動に襲われるんです。
というのは、ストーリーの中に、BiSのファンにはたまらない要素がこれでもか!と出てくるからだと思います。
実はずっとアイドル歌手になりたかったプーちゃんとか、もともとアイドルオタクで引きこもりだったのぞしゃんとか、途中でメンバーが脱退するとか、そこで入って来たのが真面目なユフちゃんだったりとか。
何て言うか、BiSがこれまで辿って来た軌跡をきちんと表現していて、だからメンバーの演技も、本当の気持ちで演じているんだろうなあって感じがして、それが感動的でした。
はっちゃけたところも、一生懸命なところも、BiSの魅力を余すことなくつぎ込んだ映画だと思いました。
中でも、のぞしゃんことヒラノノゾミさんにまさかあそこまで泣かされるとは!
のぞしゃんのひたむきさ、真面目さ、優しさ、そういうものがしっかり描かれてました。
うん、のぞしゃん本当にカッコイイぜ!
あー、ガッツリ感想書いてしまったらこんなに時間かかっちゃったよ。