舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「マルモイ ことばあつめ」観てきました。

2020-06-16 16:33:47 | Weblog


6/16(火)、シネ・ウインドで「マルモイ ことばあつめ」を観てきました。





予告編はこんな感じです。



1940年代、日本統治下の朝鮮半島で、朝鮮語の辞書を作った人達の実話をもとにした映画です。
統治下の朝鮮半島では日本語の使用と、日本名への改名を強要され、言葉と名前を支配されていた。

言葉はその国の人々の生活や文化と密接に結び付いてるからこそ、日本側はそこを支配しようとするし、主人公達も命懸けで言葉を守って辞書を作る。
だからこそ、辞書を作って言葉を守ることは国の文化を守ることなんだな…という重みをすごく感じる映画でした。

言葉の重み、命の重み、権力に屈しない人々の強さが作ってきた歴史、そういう重厚なテーマを扱った映画でありながら、しっかり人間ドラマとしても見応えがあるエンターテインメントになっているところが流石は韓国映画。
スリと被害者という最悪の出会いの2人が、やがてお互いに命を預けて共闘する仲間となる物語には本当に感動しました。

日本の監視の目を掻い潜っての極秘で辞書作りをするスリルや仲間との連帯は、社会派ドラマであると同時に、スパイ映画のようなチームプレイものの面白さがあるんですよね。
最近だと、宇宙人に支配された監視社会になった近未来の地球を舞台に、レジスタンス達の極秘任務を描いた「囚われた国家」とかにも通じる面白さでした。

中でも、後半になって朝鮮半島の方言を調べるためには多くの人達の協力が要るとなり、とある映画館に全面協力してもらい、表向きは映画の上映という言い方で多くの地域の人達を集めて、方言の情報を集める下りは、すごく盛り上がりましたね。
人々の文化を守るために映画館が頑張るという物語は、そのままこの映画の作り手達の気持ちとも重なる部分があるなあと思いました。

とは言え、辞書を作るのは本当に命懸けで、終盤は悲しい犠牲者も出るけど、そんな彼らの命懸け努力や犠牲の上に生まれた文化は今に受け継がれている。
日本が朝鮮半島を支配していた歴史を忘れないためにも、日本人こそ観るべき映画かも知れませんね。
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