元幸福の科学の会員で1987年より三十数年間、在籍し、活動をしてきました。その間を振りかえります。

最初は勉強会だったのに大川隆法氏は1991年に突然に自分は地球神・エルカンターレだと宣言し、宗教法人となった。

中国一色に染まる東南アジア マレーシア新政権は「中国との蜜月」から脱却できるか。東南アジア諸国が次々に"麻薬"のようなチャイナ・マネーの罠にはまっている。

2018-05-19 16:52:22 | 日記


https://the-liberty.com/article.php?item_id=14458  幸福の科学出版

《本記事のポイント》
・マレーシアのマハティール新首相が「対中経済依存」からの脱却を宣言
・ラオス、カンボジア、タイなどの東南アジア諸国は「中国頼み」で経済発展
・中国以外とも友好関係を保つ「等距離外交」志向のマハティール氏に期待

「外資による事業がマレーシアの国益にかなっているかを判断するため、見直す」

約15年ぶりに首相に返り咲いたマハティール・ビン・モハマド氏は就任早々、このように「マレーシア・ファースト」を宣言しました。

マハティール氏は1981年から2003年までの22年間、マレーシアの首相を務め、同国の経済発展を実現した人物。

現在、氏が問題意識を抱いているのは、ナジブ・ラザク前政権下で進んだ「中国経済への依存体質」です。

シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環として、中国は、雲南省からラオス、タイ、マレーシアを経てシンガポールに至る大鉄道の整備を目指しています。

そのため、マレーシアに限らず、中国から東南アジア全体への直接投資は近年、大幅に増加しています。

本欄では、マレーシアを取り巻く状況を理解するために、ラオス、カンボジア、タイに押し寄せる中国の「一帯一路」構想の波について紹介し、マハティール氏の置かれた状況について考えていきます。


◎「債務地獄」寸前のラオス

まず注目したいのが、中国と国境を接しているラオスです。中国とラオスの間では現在、両国を結ぶ鉄道工事が急ピッチで進んでいます。

プロジェクトの総工費は60億ドル(約6600億円)で、ラオスの国家予算のおよそ2倍。その7割を中国が出しています。残りの3割はラオスが出していますが、その大部分も中国から借り入れている状況です。

鉄道工事に当たる労働者は、ほぼすべて中国人で、彼らが利用するホテルやレストランのスタッフも中国人。

まさに、「中国人による中国のための鉄道プロジェクト」です。ラオス政府は鉄道以外にも、5億ドル(約550億円)規模の経済特区を開発中ですが、その9割以上の建設コストを中国からの投資で賄っています。

「一帯一路」で多額の債務を抱える68カ国のリスク分析を行う米シンクタンク「世界開発センター」は、ラオスの対外債務は、2018年までにGDP比70%にまで膨れ上がると分析し、「債務返済に向けた財務状況が非常に脆弱だ」と警告しています。

ラオス政府の債務は、鉄道や鉱山、土地、ダムなどの利権が担保になっており、もし返済できない場合は、それらが中国の手にわたるリスクがあります。また、政治面や安全保障面でも、中国の言いなりになってしまう可能性が高いのです。


◎カンボジアは「第2のマカオ」?

ラオスの南に位置するカンボジアの首都プノンペンでは現在、中国による投資が急増し、高層ビルの建設ラッシュに沸いています。

特に、カンボジア最大のリゾート地・シアヌークビルは、「今まさに第2のマカオが誕生しつつある」と言われています(17年11月18日付香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」)。

同地域には中国語の表記が増え、スーパーマーケットも中国製品であふれるなど、中国文化が日常的な風景になりつつあるといいます。

17年6月時点では、カンボジア政府への全貸付の6割以上を中国が占め、カンボジアで整備された橋と道路の7割が、中国からの貸付で行われたとされています。

さらに12月、習近平・中国国家主席がカンボジアのフン・セン首相と会談した際に、中国がさらに70億ドル(約7700億円)の支援を発表し、カンボジアの取り込みを図っています。

カンボジアも、経済的に中国に頼らなくてはならない状況になり、南シナ海問題などでも中国の政策を支持。もはや中国の言いなりとなっています。

カンボジアでは今年7月、総選挙が予定されています。30年以上にわたり実権を握るフン・セン首相は昨年、最大野党を解党に追い込み、強権的な姿勢を見せています。欧米諸国は「民主主義的ではない」と批判していますが、カンボジアは意に介さず、「中国が政権を支えてくれる」という後ろ盾を得たつもりでいるとみられます。


◎タイ初の高速鉄道は「中国製」

そしてタイでは、今年1月から、同国初となる高速鉄道を「中国の技術」で建設し始めています。

起工式に参加した中国の李克強首相は祝辞の中で、「中タイ高速鉄道プロジェクトは『一帯一路』の一環。一期工事の完成を目指しつつ二期工事もしっかりと推し進め、中タイ高速鉄道と中国・ラオス高速鉄道を結び、沿線国の経済と人の交流を促進したい」と述べています(1月7日付AFPBBニュース)。

14年の軍事クーデター以降、タイ経済は、他の東南アジア諸国と比べて低迷しています。

タイ政府は、17年に承認した東部経済回廊(EEC)地域の開発計画と、中国の「一帯一路」を連携させ、インフラ事業の拡大で景気回復に弾みをつけたい考えとみられます。


◎マレーシアで進む巨大プロジェクト

こうした事例を見ていくと、マハティール新首相が懸念することが分かります。東南アジアの中でも、特に華僑の人口割合が高く、中国の影響が強いマレーシアでも、中国の「一帯一路」構想に乗るかたちで、港湾や鉄道などの中国関連プロジェクトが多数進んでいます。

マレーシアで進む中国主導のプロジェクトで特に大きいのが、マレー半島最南端に位置するジョホールバルで進行中の巨大都市開発計画「フォレスト・シティ」です。

計画は、海を埋め立てて4つの人工島を建設し、約70万人が居住する大型高級住宅街や教育施設、オフィスを構えるもので、2035年の完成を目指しています。

開発を担当するのは、中国の大手不動産「碧桂園」。その規模は1000億ドル(約11兆8000億円)であり、目もくらむほどの巨大なものです。高級住宅の買い手の約90%は、中国人であると見込まれており、まさに作り手も買い手も中国人のプロジェクトと言えます。


◎新たな経済発展モデルを示せるか

マハティール氏はブログで、「チャイナ・マネーの大量流入で、国内企業は衰退。マレーシアで最も価値ある土地が外国人に専有され、外国の土地になってしまう」と述べています。

また、今年4月のブルームバーグTVのインタビューでも、次のように中国のプロジェクトを断じています。

マレーシア人は労働者として雇用されず、マレーシアのいずれの企業も、設計、計画、監督に関わることはできないでしょう。新都市に住む70万人はどこから来るのでしょうか。中国大陸です。彼らは税金も納めません私たちがこの投資で得られるものはありません」

東南アジア諸国が次々に"麻薬"のようなチャイナ・マネーの罠にはまる中、中国と一定の距離を取ろうとするマハティール氏の判断は賢明といえるでしょう。

とはいえ、今後、マレーシア国民が「経済的に豊かになった」と実感できない限り、中国の投資に頼らざるを得なくなる可能性も否定できません。国民の長期的な経済発展につながる政策を打ち出せるかどうかに注目です。

日本や韓国などとも友好関係を保つ「等距離外交」を目指すマハティール氏が、中国に過度に依存しない経済発展モデルを示してくれることを期待したいです。(小林真由美)

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