福島でなかなか伝わらない「放射線の本当の話」 現地で活動する医師に聞きました
http://the-liberty.com/article.php?item_id=11062
3.11の震災から5年。福島では、今でも約10万人が避難生活を続き、復興が遅れています。2月30日発売のリバティ4月号では、福島第一原発から約20キロメートルの距離にある南相馬市を訪ね、南相馬市立総合病院に勤務する坪倉正治医師に話を聞きました。
誌幅の関係で掲載できなかった内容を、2回にわたって紹介します。
第1回目の今回は、南相馬市での取り組みについて。
坪倉正治プロフィール
(つぼくら・まさはる)医師。東京大学医科学研究所特任研究員。南相馬市立総合病院などで非常勤医として勤め、放射線の知識に関して地域で講演を続けている。
——これまで南相馬で行ってきた活動について教えてください。
坪倉正治氏(以下、坪倉):この病院では、震災から4か月後の2011年7月から、内部被ばくの検査を始めました。最初は「そんなことより避難を」という人も多く、内部被ばくを測っても安心材料にはなりませんでした。
しかし、検査を続けていくと、被ばくはあっても、致命的な量ではないと言えるようになりました。この病院だけで3000人ぐらいの小さな子供を何回も検査し、大人を含めれば、延べ6万から7万件くらい検査しました。南相馬の他の病院を含めると、10万、20万という件数になると思います。
でも内部被ばくに関しては食べ物の検査がこれだけされている現在、大丈夫と言えます。露地のきのこや山菜だと数値が高いことがあります。それ以外は、南相馬産のものを食べようが食べまいが正直被ばく線量には関係がありませんし、全村避難している飯舘村産の大根も汚染度はとても低いわけです。
放射線量の高い食べ物を選択的に採って毎日毎日小さい子供に食べさせるのはさすがにやめたほうが良いのではないのか、というぐらいの話で、それ以上はもうそこまで気をつけなくても良いのではないですか、と感じています。
——露地もののきのこを食べる方がいらっしゃる、というのは驚いたのですが。
坪倉:結構増えてきていて、放射線は気にしていないという方も増えています。そういう方は検査にはもう来ないので、検査体制の維持も難しいところがあります。
それで結局、今の南相馬市は、「子供は学校検診で全員測りましょう、大人は希望者だけ測りましょう」というシステムに落ち着いています。そして、子供の99%は毎年検査していて、ほとんど放射線を検出しない状態を維持しているという状況で、大人で検査を受ける方は全体の5%くらいになっています。
日常生活の場では、放射線よりも、むしろ、生活再建の目処が立つかということの方が話題の中心になっています。放射線量は十分に低くなってきていますが、すでにここに住んで生活しているので、今さら「大丈夫ではない」と言われてもどうすればいいのか、という事情もあるでしょう。
避難先から南相馬に戻ることを決めた方もいらっしゃいますが、基本的には放射線量で決めるというより、仕事や子供の学校環境など生活スタイルを軸に決めているようです。
ただ、そんな状況の中で、放射線について「正しく理解されている」と言えるかどうかについては、疑問が残ります。
例えば、放射線には、自然界から受ける「環境放射線」というものがありますし、太陽からも放射線が降り注いでいます。人間の身体の筋肉の中にも放射性物質があります。原発事故とは関係なく、もともとある程度、被ばくはあったんです。それにプラスアルファして、原発事故で被ばくが増えた、と知っていただくことが大事になります。
ところが、小さい子供を育てている途中のお母さんだと外に出るチャンスがありませんし、インターネットやテレビでは、そこまでの放射線の知識を得られるとは限りません。
南相馬だと、6歳未満の子供に福島産の農作物を食べさせない、と答える母親の割合は6割以上です。小中学生ではその割合は少し減りますが、それがいわき市や福島市になると2、3割ですし、山間部の三春町だと約5%とものすごく減るというように、地域差があります。避難区域が近いか、避難したことがあるか、原発が近いかどうか、など、その土地のイメージによって生まれる差でしょう。
また、南相馬市の水道水からは放射性物質は検出されていませんが、検査を受ける方の中には、「子供にはミネラルウォーターしか飲ませない」と言う方もいます。私は「ミネラルウォーターでも水道水でも、子供を被ばくさせることはないですよ」と伝えますし、もし、それが家計を圧迫しているなら、そんなに無理しなくていいと思いますよ、と、少し後押しするようにしています。
医者としては、お母さん方が子供を被ばくさせたくないという気持ちを理解しつつ、データを提示して、「今のあなたの選択で、子供を被ばくさせることはないですよ」と柔らかく返す、というやり取りを続けている状況です。10人いたら6、7人は分かってくださいます。そういう方が増えていくと、全体の雰囲気も変わると思います。
科学の立場から言っても、原発事故が人間に及ぼした影響は、「放射線がDNAに影響を与えた」ということではなく、これまでに存在していた人間関係、文化や歴史、地元への愛着などの「絆」を壊してしまったことが一番大きいと思います。それが、回りまわって健康にも影響を与えているのです。(続く)
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2015年12月号 原発ゼロは安全か!? 「再稼動遅れ」の4大リスク
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原発のすぐ近くで1年以上生き延びて保護された猫にもこれといった被曝の影響は見られておりません。
どうしても原発反対を訴える側から事実と異なる情報が発信されて現在も避難生活を続ける方達から希望を奪っているとしか思えません。
勿論、私もこれといった健康被害はありません。
もうすぐ故郷へ帰る日が来ると、私も一緒に願っておりますよ。
福島の一日も早い復興を!