2017年の日本映画界では、昨年の『君の名は。』の興行収入200億円を突破するようなメガヒット作には恵まれなかったものの、アニメや漫画の実写化が大いに盛り上がった。
まずアニメ界では、2017年邦画ランキングで1位を獲得した『名探偵コナン から紅の恋歌』が興収68億円、『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』が興収44億円、『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が興収34億円、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』が興収32億円など、大ヒット作を量産した。
そして、今年公開された数ある実写版映画の中で1位を獲得したのは小栗旬(35)主演の『銀魂』で興収38億円突破。浜辺美波(17)、北村匠海(20)のW主演映画『君の膵臓をたべたい』は興収34億円。藤原竜也(35)と伊藤英明(42)がW主演を務めた『22年目の告白-私が殺人犯です-』が興収24億円を記録した。
一方、前評判こそ良かったものの盛大にコケしまった作品も多々ある。まず17年の爆死映画を語る上で絶対に欠かせないのが、木村拓哉(45)主演、三池崇史(57)監督の『無限の住人』。配給元のワーナー・ブラザーズは「興行収入100億円を狙う」と意気込んでいたが、最終的には9億5千万円で終わった。同作には木村の他にも福士蒼汰(24)、戸田恵梨香(29)、市原隼人(30)、市川海老蔵(40)と豪華キャストを集めていたことを踏まえると、この結果はあまりにも寂しい。
またSexy Zone・中島健人(23)主演の映画『心が叫びたがってるんだ。』も、公開初週の土日2日間で興収わずか6,628万円の大苦戦。同作のアニメ版は興収10億円を突破しているため、実写の大コケが余計目立ってしまった。
一方、松本潤(34)と有村架純(24)のW主演映画『ナラタージュ』は爆発的なヒットとはならなかったものの、興収は12億円を突破。さらに大野智(37)主演の『忍びの国』も興収25億円に届く大ヒット。岡田准一(37)主演の『関ヶ原』も23億円を超えており、ジャニーズ事務所タレントの世代交代が浮き彫りとなったと言える。
ジャニーズ以外では、神木隆之介(24)が主演を務めた人気漫画『3月のライオン』の実写版。佐々木蔵之介(49)、伊藤英明(42)、加瀬亮(43)、豊川悦司(55)、倉科カナ(30)、高橋一生(37)、染谷将太(25)、有村架純などそうそうたるキャストを集め、原作ファンからキャスティング、内容ともに大満足の声があがっていたにも関わらず大爆死。興収は前編、後編のどちらも10億円に届かなかった。
土屋太鳳(22)主演の『トリガール!』も、初登場からトップ10圏外、興収は1億円強。吉高由里子(29)主演映画『ユリゴコロ』は、興収3億円程度。唐沢寿明(54)と窪田正孝(29)のW主演映画『LAST COP THE MOVIE』が、公開初週の土日2日間で興収は1億円に満たない9,600万円と無残な結果に。
ただ、洋画も合わせたランキングでは『美女と野獣』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、『怪盗グルーのミニオン大脱走』が『コナン』を上回ってトップ3を独占するなど邦画自体が苦戦傾向。18年は、今年好評だった『銀魂』と『ちはやふる』の続編や、小松菜奈(21)と大泉洋(44)主演の『恋は雨上がりのように』、土屋太鳳(22)と菅田将暉(24)主演の『となりの怪物くん』、中条あやみ(20)と佐野勇斗(19)主演の『3D彼女 リアルガール』、松坂桃李(29)主演の『不能犯』など、多くの人気漫画の実写映画が公開を予定している。果たして18年は邦画人気を取り戻すことは出来るのだろうか。