中国の「アジア新安全保障観」からアジアを救え[HRPニュースファイル1007]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1460/
文/HS政経塾 第3期生 和田みな
◆中国が提唱する「新安全保障観」
今月20、21日の両日、アジア信頼醸成措置会議(CICA) が中国・上海で開催されます。
この会議には、ロシアのプーチン大統領をはじめ、15ヶ国の首脳や国連の潘基文事務総長も出席し、議長国である習近平国家主席との首脳会談も予定されています。このCICAで習近平が提唱しようとしているのが「アジア新安全保障観」です。
中国による「新安全保障観」は1997年に初めて提唱されたものです。それが、先月開かれた「中国・中央国家安全委員会」の第1回会議において、「中国の特色ある国家安全保障を提示し、それに向かって歩み出す」と習近平国家主席が述べたことで、再び注目を集めています。習氏のこの発言は、オバマ大統領の来日直前のことでした。
◆「新安全保障観」の内容
中国が提唱する「新安全保障観」を簡単に要約すると以下のような要旨になります。
・中国の安全の夢は、世界の安全の夢と同義である
・米国型の第三国を排斥し、仮想敵に的を合わせるような、二国間同盟体制を乗り越えるものである
・「アジアの安全保障・経済は米国頼み」というパラドックスを乗り越えるものである
中国はこの「新安全保障観」をアジア各国に広めることで、「アジアのことはアジアで十分解決できる。アメリカに代わって、アジアを支配するのは中国で、それがアジアの安全を守るものだ」ということを示すとともに、アメリカ・日本の日米同盟を軸としたこれまでのアジアの安全保障体制を牽制する意図があるのです。
◆全世界に影響を与える中国の新安全保障観
中国共産党の機関紙「人民日報」の日本語版サイトは4月17日付けで「全世界に影響を与える中国の新安全保障観」と題する論説を掲載しました。この「新安全保障観」がどのように世界に影響を与えるというのでしょうか。
前述したCICAにおいて中国は2016年まで議長国を務めます。また、今年の秋にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が北京で開催される予定です。中国は、この2つのアジア会議を最大限に活用し、中国主導の「新安全保障観」をアジアに広めるつもりなのです。
中国の外交部は、3月16日の記者会見でも「CICAの最大の大義は『アジアの問題はアジア主導で解決すべきであり、アジアの安全保障もまずアジア諸国自身の協力強化を通じて実現するべきだし、それは完全に可能だ』との声を共同で世界に発することを望んでいるということだ」と述べました。
中国は自身の「新安全保障観」をまず示すことで、各国にも「新安全保障観」の確立を推進し、「アジアの安全保障の協力と新しいメカニズムを積極的に検討することを望んでいる」と発信しています。
この「新安全保障観」は、アメリカのリバランス政策の一環である日米によるTPP推進、安全保障での協力強化などの、対中圧力に対抗するものです。
中国は、アメリカ型の安全保障観の欠点を指摘し、アジアの安全保障は中国主導で行うという強い意思表示を示しました。これからアジア各国は、地域の安全保障について中国主導か日米主導かを迫られることになるでしょう。
◆中国主導の安全保障体制の危険
今月、南シナ海で起きた中国の公船とベトナム船の衝突は、この中国の「新安全保障観」の危険性を露わにしました。アジアにおいて、中国主導の安全保障体制が強まれば強まるほど、中国による強硬な領土・領海侵略が行われる可能性が高まることを世界に示すことになったのです。
このような中、東南アジア諸国連合(ASEAN)は11日、ミャンマーの首都ネピドーで首脳会議を開き、南シナ海情勢などについて協議し、関係国に自制と武力の不使用を求めることを盛り込んだ「ネピドー宣言」を採択しました。
しかし、ここでも中国を直接非難することは出来ず、議長国のミャンマーを含め、中国と緊密な関係を持つ多くの加盟国に配慮したものになってしまいました。
◆日本に求められるリーダー国家としての「公の精神」と具体的な行動
このように、国際社会は中国の野望に対して有効な手を打てないでいます。これまで実質的にアジアの盟主であったアメリカも財政難から国防予算を減らさざるを得ない状況が続き、中国がこれに代わろうと具体的に行動を始めているのです。
昨年10月、ASEAN首脳と安倍首相との会談で安倍首相が、中国の強引な海洋進出を批判しつつ、日本として集団的自衛権の政府解釈見直しや国家安全保障会議(日本版NSC)の創設などの取り組みを紹介したところ、参加国から「日本が世界の平和のために貢献することを支持し、期待する」との声が上がりました。
アジア各国は中国に対抗するために、日本に対して具体的な行動を期待しているのです。
日本には、日米同盟を堅持しながらも、責任を持って地域の安全を守れるだけの早急な法整備や外交戦略が求められていますが、日本の政治家やマスコミの多くには、「世界の平和に貢献しよう」というリーダー国家としての「公の精神」が全くありません。
しかし、私たちは、国際社会の状況や要請を踏まえて、一国平和主義、利己的平和主義で満足するのではなく、集団的自衛権の行使、憲法9条の改正の問題に取り組むべきです。
また、中国の軍事力の脅威からアジアの平和を守ることなしに、日本一国の平和を守ることなどできないことを一人ひとりが自覚しなければなりません。
◆日本の行動が世界を救う
更に日本には、中国の「新安全保障観」に対して、「より多くの国々の自由を守り、共に発展できるアジアをつくる安全保障観」のビジョンをアジア各国に提示していく必要もあるでしょう。
私たち幸福実現党は宗教政党です。「国民を護り、世界の平和に寄与する」という精神を大切にし、「悪を押しとどめ、善を推し進める」という宗教的正義において、国防強化の重要性を訴えています。
日本人がこの精神を理解し、世界の平和と発展のために具体的に行動を開始した時、戦後失ってしまった「日本の誇り」を取り戻すことができるでしょう。そのような日本人の行動が世界を救うことになるのです。
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『ヒト・モノ・カネ』の流れを押さえてダイナミックな富の創造を![HRPニュースファイル1008]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1462/
文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太
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◆ハブ機能の強化を目指す2つの動き
2020年のオリンピック日本開催を見据え、「ヒト・モノ・カネ」のハブ機能を強化していこうという動きが活発化しています。
一つ目の動きとして、羽田・成田両空港に発着できる航空便を大幅に増やすという「航空ハブ機能の強化」です。
国土交通省の検討案によると、2020年までに発着回数を約1割増の83万回、30年代までに最大110万回まで増やし、韓国・仁川空港などに対抗し、アジアのハブ空港を目指すという目標設定がなされています。(日経5/17)
そのために必要なのが、東京上空の飛行制限の緩和です。
今まではタブー視されてきましたが、東京上空を飛行できると発着枠が飛躍的に増加する為、低騒音の旅客機の使用などの対策を講じ、規制緩和に踏み切ることになっています。
また二つ目の動きが、海外の銀行や投資家を東京に集積させるという「金融センター機能の強化」です。
16日、邦シンクタンク数社が合同で「東京金融シティ構想」を発表し、税制面での優遇措置やアジア通貨に強いなどの専門性や仕組みを整備していくべきだと指摘しています。(日経5/17)
イギリスの民間機関が発表している「国際金融センター指数」によると、法人実効税率が格段に低い香港(3位、税率16.5%)、シンガポール(4位、17%)に大きく差を付けられ、日本は6位と経済規模の割に低評価に止まっています。
構想の中心となった日経センターの杉田会長は「アジアの金融センターにする構想は以前からあった。デフレ脱却やオリンピック開催で追い風が吹く、今が最後のチャンス」と強調していますが、まさに政府が具体化に向けてどれだけ本気で取り組めるかが、成否のカギを握っています。
◆ただの砂漠を大都会に変貌させた3つのハブ機能:ドバイの発展に学べ
ドバイといえば、今でこそ「世界の大富豪が集まる街」というイメージを彷彿とさせますが、ほんの30~40年前は砂漠で覆われたアラブの田舎の港町という雰囲気でした。
短期間でドバイをただの砂漠から大都会へと進化させたことこそ、3つのハブ構想です。
第一に、中東最大の港湾ハブを形成し、「モノの流れ」を押さえた点です。
1960年代末からジュベル・アリという地区に大規模な先行投資で人工港湾施設と経済特区の整備を行った結果、世界最大の人工港湾、そして中東最大のハブ港湾・コンテナターミナルにまで成長し、2011年に世界で9位(中東では1位)の貨物取扱量を誇っています。
第二に、ドバイを国際空港化させ、「ヒトの流れ」の拠点を作った点です。
ドバイ国際空港では、24時間体制で乗り継ぎが便利なこともあり、年間の空港利用客数は増え続け、本年第1四半期の国際旅客数が1800万人(ドバイ人口192万人)を超えて、英ヒースロー空港を抜いて世界一となっています。
第三に、ドバイに金融センターを設け、「カネの流れ」を集めたことが挙げられます。
元来、中東の金融センターはバーレーンが担ってきましたが、2004年に国際金融センター(DIFC)を金融フリーゾーンとして設立し、その後は巨額なオイルマネーの獲得を目指して、世界中の金融機関が殺到したと言えます。
このように、「ヒト・モノ・カネ」の流れを押さえた結果、19世紀後半には4000人しかいなかった港町が、2001年には103万人、2011年3月時点では192万人にまで膨れ上がっています。
こうした激増する人口が、ドバイの好況と雇用の創出を象徴していると言えるでしょう。
◆ドバイが成功した理由は何か?
その背景には、ドバイ首長国の親子2代の事業家的な才覚と強いリーダーシップが存在したことは確かです。
ドバイは産油国の中では原油埋蔵量が少なく、将来性が乏しかったため、早期から資源依存型経済からの脱却が図られたことが功を奏し、ハブ港湾、国際空港の整備と世界に通用する航空会社の創設を行い、最優先で海路と空路を押さえた先見力があったと言えます。
そして、何よりも税制と規制の少なさが世界中の企業を惹きつけるポイントと言えます。
ドバイでは所得税はなく、法人税は一部の業種を除いて、課税されておりません。
その一部の業種に含まれる外資銀行についても、国際金融センター(DIFC)では(1)100%外国資本で金融機関を設立できる、(2)利益・配当送金が自由、(3)法人・個人とも50年間は所得無課税、(4)外国人雇用が自由、などのメリットが享受でき、規制緩和は年々進んでいます。
また、UAEはアラビア語圏であるにもかかわらず、英語が幅広くビジネス言語となっており、英語圏の企業はもちろん、世界中の企業が言葉の壁を感じずに進出できる利点もあります。
◆日本発!ダイナミックな富の創造を!
もちろん日本とドバイの実体経済の規模は全く異なり、ドバイのようにハブ機能を強化するのみで、日本の未来の発展を後押しできるとは思いません。
むしろ、ドバイから学ぶべきことは成功をもたらした2つの中身です。
大きな構想を短期的に実現したリーダーシップ、そしてその構想を成功させるために大胆に自由の領域を創りだしたことでしょう。
特に、法人税減税が議題に上がっておりますが、所得税や日本に数多く存在する税制の簡素化を図ることが世界から「ヒト・モノ・カネ」そして「情報」という富を集積させる一里塚だと考えます。
また、日本に蔓延る数多くの規制も議論が進まない領域ではありますが、国際標準と言える規制緩和を行うことが富の集積を促進させるために必要です。
ハブ機能を充実させ、世界中からの富の集積が促進できれば、安全保障的にも、日本に対する軽々しい軍事行動などは難しくなり、自ずと日本が守られることにもなります。
既に日本には、世界的にもトップクラスの技術力、人材、産業インフラがあります。
世界中からあらゆる富が集まることで、ダイナミックなイノベーションが創発され、世界をリードする富の創造がなされるのは間違いありません。
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◆南シナ海問題 "お友達"を減らしただけの中国 日本の「平和主義」を見習うべき
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7856
南シナ海を巡って、中国とフィリピン、ベトナムの間で緊張状態が続いている。周辺国との対立が絶えない中国の行動を受けて、アメリカ国内でも、中国の台頭は「平和的なのか」、「侵略的なのか」という議論がある。とりわけ、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザーであるエドワード・ルトワック氏は、中国に対して手厳しい評価をすることで有名だ。
そのルトワック氏は20日、都内のホテルで講演会を行った。同氏は、南シナ海の状況に触れて、「敵ばかりつくる中国の戦略は極めて下手だ」「(他の国に)もっと強くなりたいと考えさせてしまっている」と、同国の外交姿勢を酷評した。また、中国と接近しているロシアについても、「ロシアは今、思わせぶりの行動を取っているが、(中国は同盟国のように)結婚することはない」という。
実際、中国は同盟国と呼べる国がなく、友好国と言っても、核開発を続ける"ならず者"の北朝鮮やパキスタンぐらいしかいない。また、中国が自ら南シナ海の緊張を高めたことで、東南アジア諸国連合(ASEAN)は外相会議を緊急で召集し、「深刻な懸念」という文言を初めて盛り込んだ声明を発表するに至った。ミャンマーといった中国寄りの加盟国も、声明に同調せざるを得ない状況を作ってしまったのだ。
中国の対外政策は、南シナ海の南沙諸島などに基地を作っても、国益をともにできる友好国を持てないという致命的な欠陥を抱えている。そのために中国は、ASEAN加盟国のミャンマーやカンボジアなどとの経済的な関係を通じて、それらの国に中国の要求を受け入れさせている。しかし、このような恫喝にも似た外交戦略が、いつまでも通用するわけではないだろう。
3月にマレーシア航空機が失踪した事件で捜索活動に参加した中国は、18隻の軍艦を投入したが、補給にはオーストラリアの港を使わせてもらった。だが、オーストラリアはアメリカの同盟国であり、有事になれば、それができなくなることは言うまでもない。
中国外務省は、「日本の指導者は国内では歴史の大逆行に忙しくし、『積極的平和主義』の旗印を掲げ、改憲と軍拡の推進に拍車をかけている」と、日本を批判している。だが"お友達"を作れない自国の外交を考えれば、見当外れもいいところだ。中国は、戦後一貫して平和国家であり続け、経済大国になった日本の"平和的な台頭"を見習い、反日や軍拡路線を改めるべき時ではないか。(慧)
【関連記事】
Web限定記事 集団的自衛権容認に向けて検討開始 戦争はすべて悪なのか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7844
2014年5月19日付本欄 中国艦船体当たりのビデオ公開 南シナ海の「どこかで見た風景」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7851
2014年5月13日付本欄 ASEANが対中牽制で一歩前進 日本は引き続き協力を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7828
2014年5月8日付本欄 オバマ米大統領の力不足を見透かす中国 南シナ海でベトナム・フィリピンと衝突
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7811
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実際、中国は同盟国と呼べる国がなく、友好国と言っても、核開発を続ける"ならず者"の北朝鮮やパキスタンぐらいしかいない。また、中国が自ら南シナ海の緊張を高めたことで、東南アジア諸国連合(ASEAN)は外相会議を緊急で召集し、「深刻な懸念」という文言を初めて盛り込んだ声明を発表するに至った。ミャンマーといった中国寄りの加盟国も、声明に同調せざるを得ない状況を作ってしまったのだ。
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◆危機の張本人は中国だ 習近平・中国国家主席「アジアの安全、アジアで」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7860
習近平・国家主席が、アジア支配の攻勢を強めている。
習近平氏は20日、中国を訪問したロシアのプーチン大統領との共同声明に、中露で開催予定の第二世界大戦戦勝70周年行事について「ドイツのファシズムと日本軍国主義」への勝利を祝うものであると明記し、日本の歴史認識を見直す動きに対しても、中露で共闘する姿勢を表明するものとなった。
同行したロシアのガスプロムは、10年来の交渉が続いた中国へのガス輸出の契約を合意。欧米によるロシア制裁が続く中、経済的にも中国に接近せざるを得ないロシアの立場が見え隠れする訪問となった。
欧米にとって懸念すべき、中露の接近が具現化しつつあると言える。
実際、この翌日に上海で開かれたアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)のなかで、習近平氏は「アジアの問題はアジアの人々が処理し、アジアの安全はアジアの人々が守る」と発言。さらに、「第三国に照準を合わせた軍事同盟の強化は、地域の安全維持のためにならない」と述べ、日本や韓国、フィリピンとの同盟関係を強化するアメリカを牽制。アジアからアメリカを追い出し、中国が安全保障秩序を主導する意図を国際社会に表明した。
しかし、アジアの秩序を壊し、近隣諸国を脅かしているのは、他でもなく中国自身である。中国公船のベトナム船への衝突や、南沙諸島での中国の軍事基地の建設など、中国は南シナ海への侵出を進めている。CICAに参加したベトナムのゾアン国家副主席は、「武力の使用、威嚇は行わないとの原則が重要。ベトナムは原則を堅持し、中国も守るべき」と発言。日本からオブザーバー参加した、北京の日本大使館次席公使の堀之内秀久氏は「国際法に基づき、紛争は平和的に解決すべきだ」と中国の自制を促した。
さらに21日には、フィリピンのアキノ大統領が、ベトナムのズン首相との会見後の声明で、「中国による多くの国際法違反行為によってもたらされている非常に危険な状況について、深い懸念を共有した」と、中国を名指しで批判した。
こうした状況下で、中国がアジアの安全保障を主導するなどという発言は、覇権拡大を宣言しているのに等しい。ロシアとの結びつきが強まれば、中国はますます露骨な態度に出てくるだろう。
日本で続く集団的自衛権の行使容認の議論や、フィリピンへの米軍基地再駐留など、アジア諸国の安全保障体制の強化は、すべて中国包囲網づくりの一環だ。そして、本来ならば日本がロシアを中国包囲網に引き込まなければならない。アメリカの意向に配慮しすぎることなく、ロシアと経済面、外交面での協力を進めなければならない。ロシアが、中国と日本のどちらと協調するかが、アジアの命運を大きく分けることになる。(晴)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『プーチン大統領の新・守護霊メッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1148
幸福の科学出版 『フビライ・ハーンの霊言』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1156
集団的自衛権とロシア外交で、「アジア安保」のイニシアチブ獲得を![HRPニュースファイル1010]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1466/
文/HS経塾一期生 彦川太志
◆集団的自衛権の行使容認が、「戦争の危機」を遠ざける
5月21日付けの産経新聞で、安倍政権の安保政策「安倍ドクトリン」の骨子が固まったことが報道されました。
その内容としては、ASEANの防衛体制を「日米共同で支援する」するものと報道されており、集団的自衛権の行使容認によって開かれる「アジア安保」安定化の第一歩といえます。
中国と緊張の続くベトナムやフィリピンなど、日本企業も数多く進出している東南アジア諸国を「戦火の危機」から守る努力は、わが国にとって決して無意味なものとはならないでしょう。
◆中国が進める、独自の「アジア安保構想」に備えよ
このように、安倍政権が日米同盟を機軸として新しい「アジア安保」を進める一方、中国も独自の「アジア安保」構想を進めています。
「安倍ドクトリン」発表とほぼ時を同じくして公表された、「アジア新安保観」です。これは21日まで開催されていた、「アジア信頼醸成措置会議(CICA)」で発表されました。
参照→HRPニュースファイル1007「中国のアジア新安全保障観」からアジアを救え
http://hrp-newsfile.jp/2014/1460/
この「アジア新安保観」は1991年より約10年ごとの発展段階を経て、現在では第三段階にある※ようですが、本質的には「米国中心の軍事同盟の解体」を目的としており、米国を排除した中国中心の軍事的支配を確立する試みに他なりません。
※(『解放軍報』2014年5月22日「亜州安全観助推命運共同体建設」)
習主席は、この「新安保観」を発表する中で、「中国は国家の領土主権と海洋権益の争いについて、平和的方式による処理を一貫している」と主張していますが、5月8日に世界的ニュースとなった「油田掘削作業に警告するベトナム船への体当たり」のように、「武器を使わない実力行使」がその実態です。
「力による現状変更を許さない」とする日米の立場をしっかりと堅持するためにも、国会にて集団的自衛権の行使容認を速やかに進めていくべきです。
◆中ロ接近をどう観るか
中国の「新安保観」に加えてもう一つ、わが国の大きな懸念となっているのが、同じくCICAで見られた中ロ接近です。
巨額のガス供給契約や海軍の合同演習、さらには第二次世界大戦の「歴史認識」に対する共闘姿勢の表明など、プーチン大統領は習近平主席の要求に対して“満額回答”で応えていることが報道されています。
特に海軍の合同演習は、尖閣諸島に近い海域で行われることが報じられています。歴史認識を軸とした「中ロ共闘」は、果たして現実のものとなるのでしょうか。
◆同床異夢の中ロ関係
しかし、中ロ両国のメディアを読み比べると、両国の報道に微妙なズレを感じる点があります。
中国側は今回の中ロ接近について、戦略的パートナーシップの進化について中心的に成果を報じる(※1)一方、ロシア国内の主要紙「プラウダ」(※2)では、今回のプーチン・習会談の「中心的テーマ」は、大型航空機の開発と、中国国内でのMi-26大型輸送ヘリの生産・改良といった航空分野の契約に関する点にあったと報じています。
※1(新華社通信、2014年5月19日「中露関係再顕“頂層設計”作用」)
※2(『Pravda(英語版)』2014年5月19日「In China, Putin to sign a package of ‘fantastic agreements’」)
そうしてみると、プーチン大統領は中国寄りの姿勢をみせることで米国に「牽制球」を投げ、中国に対しては「ロシアがサポートしなければ、国際社会で影響力を発揮できない」ことを露呈させ、存在感を示したと見ることもできそうです。わが国に対しては「反応を伺っている」とみるべきでしょう。
◆防衛体制の確立と共に、ロシアとの関係強化を
そのような見方に立てば、わが国の取るべき外交方針は明確となります。「中ロ関係を“経済”で切り放す」ことです。
報道によれば、今回中ロ間で最も大きな取引となる天然ガスの供給契約については、「30年間で4000億ドル(約40兆円)」と指摘されていますから、年間に直せば約1.3兆円です。この額は、本年2月に日本郵政グループが表明した、今後3年間の投資規模と合致します。
外交戦略を背景とした政府投資であるならば、1.3兆円の投資は決して「雲を掴む話」ではありません。極東ロシアの開発について中国の年間投資を上回る規模の投資プロジェクトを打診し、日露ウィン-ウィンの関係構築を目指していくべきでしょう。(ロイター2014年 02月 26日「訂正:日本郵政3年で1.3兆円投資」)
集団的自衛権の行使容認によって防衛体制を強化し、そのうえでコンテイニング・チャイナを考えていくべきです。
◆朝鮮半島は一触即発状態 集団的自衛権行使容認の決断を急げ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7863
北朝鮮軍は22日、韓国との軍事境界線近くにある延坪島近海に2発の砲撃を行った。その砲弾が、哨戒活動を行っていた韓国軍艦艇からわずか150メートルの位置に着弾した。北朝鮮の砲撃は韓国軍艦艇を狙った意図的な挑発行動とみられ、韓国軍もこれに応戦した。
延坪島といえば2010年11月にも北朝鮮の砲撃事件が起こっている。北朝鮮軍が約170発もの砲弾を発射、そのうち80発が同島に着弾した。このとき韓国の海兵隊員2名、民間人2名が死亡、海兵隊員16名が重軽傷、民間人3名が軽傷を負うという被害が発生。住人1,300人には避難命令が出された。
最近、北朝鮮の軍事行動が激しさを増している。今年3月には北朝鮮が火砲や多連装砲など計約500発を発射し、うち約100発がNLLの韓国側海域に落下した。これに対し韓国軍は約300発を応射している。その他にも韓国の珍島沖での旅客船沈没事故に関しても北朝鮮の関与が疑われているように、北朝鮮と韓国はいつ交戦してもおかしくない一触即発の状態であることがわかる。
これらの事件を目の当たりにしたとき、北朝鮮という国はいつどのような軍事行動をとるか分からない国家だということも痛感させられる。
このような横暴とも言える北朝鮮が核を所持し、頻繁にミサイル実験を行っていることは脅威だ。
北朝鮮は06年、09年、13年に核実験を強行している。実験の爆発規模は研究機関(韓国・ロシア政府機関、 ノルウェー/NORSAR、米/核脅威削減評議会、独/連邦地質資源研究所など)の推定によると06年が0.5~15キロトン、09年が4~20キロトン、13年が7~40キロトンと確実に核実験が進んでいることが明らかとなっている。さらに韓国の専門家の分析では、北朝鮮がすでに核弾頭を弾道ミサイルに搭載した可能性も指摘されている。北朝鮮の動きがすでに楽観視できない域にまで達していることは間違いない。
朝鮮半島有事はいつ起こってもおかしくない目の前にある危機だ。しかし現状、朝鮮半島有事の際に集団的自衛権を行使できない日本は、軍事的行動をとることができない。安倍首相が先日の会見で挙げた「邦人輸送中の米艦船防護」の事例にあるように、日本が攻撃を受けていない場合では、日本人が乗っている米国船であっても、日本の自衛隊は守ることができない。また、朝鮮半島有事が発生しても在韓邦人を助けに行くこともできないのだ。主権国家なのに、自分の手足を縛っている状況だ。
北朝鮮という横暴国家を前に、日韓はしがらみを超えて連携する必要がある。そのためにも、集団的自衛権の行使容認は待ったなしだ。これは日本の自衛のためであると同時に、日本が国際社会の一員として役割を果たすために必要なことである。(HS政経塾 数森圭吾)
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Web限定記事 集団的自衛権容認に向けて検討開始 戦争はすべて悪なのか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7844
2014年5月1日付本欄 韓国の旅客船沈没は、北朝鮮の「魚雷」が犯人!? 憶測飛び交う
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7782
◆タイのクーデターはなぜ起きたのか!? 日本はタイの「民主主義化」を助けよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7866
タイの民主主義がまた中断された。
タイ軍が22日、クーデターを決行した。憲法は停止され、タイ全土に夜間外出禁止令が出された。軍は現政権の活動拠点を制圧し、現場からは銃声も聞こえたという。国内のテレビやラジオ放送も停止され、軍の最高実力者プラユット司令官が「軍と警察による『国家平和維持評議会』が国の統治を担う必要がある」と演説する様子が流れた。
軍がタイ政治を占拠したのは、前与党の「タイ貢献党」と、前野党の「民主党」の対立が泥沼化したためだ。
前与党の「タイ貢献党」はいわゆる「タクシン派」と言われる。タクシンとは2001年からタイ首相を務めた政治家。それまで政治を牛耳ってきた財界や官僚の既得権益を切り崩し、地方の農民のために産業育成やインフラ投資を行うことを約束。国民多数の農村部の支持を得て、選挙で圧勝した。
しかし、「民主党」を中心とする旧権力側は彼に反発。既得権益が崩れるのみならず、選挙で選ばれた強力な政治家の存在は、タイ王室の権威や権力を弱めかねないからだ。反対派はタクシン氏を「バラマキ」「ポピュリズム」と主張し、大規模な反政府デモを行った。それに対して軍が2006年、「対立回避」などを名目にクーデターを起こし、タクシン氏は失脚。国外逃亡を余儀なくされた。
しかし、「タイ貢献党」は2011年に再び選挙に勝ち、タクシン氏の妹であるインラック氏が首相に就任。野党は再び反政府デモを大規模に展開した。政情が混乱する中、インラック氏は今月7日に、憲法裁判所から政府高官の人事に関して違憲判決を受けて失職。反タクシン派とのつながりが濃い、司法関係者に、政争の一環として引きずり下ろされた形だ。
それに対し、今度はタクシン派の怒りが爆発。両勢力が衝突し、タイの治安は最悪となった。そこで軍部が、「対立の抑制」「治安維持」を名目に起こしたのが、今回のクーデターだった。メディアの中には、今回の軍の介入で治安が回復されることを評価する声もある。
しかし、問題を複雑にしているのは「軍も旧権力寄り」という事実だ。軍部の総帥は国王ということになっており、官僚や財界と同じく既得権益側にある。また、国際的な常識では、民主的に選ばれた政府を暴力的なデモで転覆させる勢力は、警察か軍が放っておかないはず。政府と反政府を「仲裁」するような軍の存在は中立とは言えない。
こうしたクーデターはタイでは過去21回も起きている。ある政党が選挙で勝っても、反対勢力が過激に反対運動を展開すれば、「治安維持」と称したクーデターで政権を倒せる。これでは民主主義国とは言えない。
タイ情勢が本当に安定するのには時間がかかりそうだ。旧政権側は民主主義の意味を理解し、投票する側も、タイを繁栄させる政治家を選ぶ見識を身に着ける必要がある。タイは「真の民主主義」への移行期間にある。
日本としては、タイの「民主主義化」を最大限に支援する必要がある。教育支援や企業誘致などを通して民衆啓蒙に貢献し、「天皇制と民主主義を両立する」という手本も示さなければならない。そして何よりも、タイが政情不安につけこまれ、中国に乗っ取られるようなことがないように、目を光らせる必要がある。(光)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『守護霊インタビュー タイ・インラック首相から日本へのメッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1089
【関連記事】
2014年4月号記事 タイの政治的混乱はなぜ起こっているの? - そもそも解説 3分で分かる「世界の政治・経済のなぜ」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7422
2014年5月8日付本欄 インラック首相が失職 憲法裁判所が違憲判決 タイの民主主義を成熟させる方法は?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7806
集団的自衛権とは何か【前篇】[HRPニュースファイル1011]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1468/
文/岐阜県本部副代表 河田成治
集団的自衛権について、多角的な視点から、前篇・後編、2回に分けて検討を加えてみたいと思います。
◆集団的自衛権の定義
まず「集団的自衛権」の定義を一言でいえば、「攻撃を受けた国家への、他国からの援助」となります。従って、個別的自衛権とは明確に区別されるものであり、両者を混同する政党の発言には違和感を覚えます。
さらには、個別的自衛権とならんで独立国が持つ固有の自然権が、集団的自衛権です。
◆集団的自衛権の目的
日本の立場での集団的自衛権の行使には、以下の目的があります。
(1)日米同盟の維持――米軍を見殺しにすれば、日米同盟破棄につながる。
(2)日米共同作戦の具現化――そもそも日本の防衛力は、米軍とセットでつくられている。
(3)周辺事態への対応――シーレーンの確保や朝鮮半島の安定など、国際的な安全保障問題も日本の安全保障と不可分。
(4)国際的責任――正義に基づいた国際協力。厳密には自衛権とは区別される。
◆集団的自衛権の歴史的経緯
以上のように、日本にとって重要な意味を持つ集団的自衛権ですが、歴史的経緯を確認しておきたいと思います。
【日本の集団的自衛権の歴史】
◆はじめは日本も認めていた!
日本の集団的自衛権は、1951年のサン・フランシスコ平和条約で、連合国によりその保有が承認されました。
また、1960年(昭和35年)に締結された現行の日米安全保障条約(前文)において、「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、…」とあります。
当初は日本もその保有を確認しており、この規定が特に問題視されることはありませんでした。これは重要なポイントです。
◆変遷する政府解釈
しかし、その後の政府見解によって変質し、1972年に至って「国際法上保有するが、その行使は憲法上許されない」との現行解釈に行きつきました。
つまり、日本は当初から集団的自衛権を否定していたとは考えにくいのです。
世間には、法解釈だけで容認するのは、憲法に対する冒涜であるとの意見も散見されますが、歴史的経緯から見れば逆で、法解釈により制限してきたことがお分かりかと思います。
従って「解釈改憲は憲法ハイジャック:慶応大学の小林節名誉教授」(日刊ゲンダイ)というような発言は、正しくありません。
例えば、防衛大学校安全保障学研究会は、集団的自衛権について、以下のようにと述べています。(「安全保障学入門」より)
「もし仮に、当初から憲法上行使できないのであったとすれば、憲法上行使できない権利をなぜ国際条約類(サン・フランシスコ平和条約や日米安全保障条約)でうたったのかとの疑問に、説得力のある答を見いだせない」
さらに「個別的自衛権と集団的自衛権の差は、国際的には直接的な「自衛」か「他衛」かの差(河田注:単なる防衛手段の違い)とみなされているのに対して、わが国では、自国防衛のための「必要最小限度の範囲」を超えるか超えないかの差 (量的な差)と理解されている。この点も、解釈として特異である」
以上が、「日本の集団的自衛権の歴史」ですが、日本だけが集団的自衛権を、ことさら難しくしているのです。
後編では、「国際的な集団的自衛権の経緯」から見てみましょう。
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◆法律無視を助長する判決 大飯原発再稼働差し止め
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7861
福井地裁はこのほど原告の訴えを認め、大飯原発再稼働差し止めの判決を下した。
判決を下した樋口裁判長は、再稼働の是非を判断する安全性について完全な「ゼロリスク」を求めた。安全性の検討は起こりうる災害予測から行われるが、判決では「(地震の規模予測に関し)頼るべき過去のデータは極めて限られているので、確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能」とされている。つまり、裁判所が求めるゼロリスクとは「地震が発生しない」ということであり、地震の多い日本において原発を稼働させることは不可能となる。このような論理が通用するのであれば、そもそも「安全基準」を定める意味自体が成り立たなくなるため、この判決はナンセンスであると言わざるを得ない。
また「原発そのものが危険である」という判断にも根拠がない。2011年の震災をきっかけに起こった福島原発事故は、津波による電源喪失が原因だった。マグニチュード9.0という巨大地震でも緊急停止の安全装置はしっかり作動し、原発の性能の高さを証明したとさえ言える。
そもそも全原発が稼働停止に至った発端は、当時の菅直人首相が中部電力に対する稼働停止の「お願い」であり、その後に原子力規制委員会が安全審査のために稼働停止させているのだ。実は、この菅首相の「お願い」や「安全審査中の稼働停止」に法的根拠や強制力はまったく存在しない。今年2月、政府は「(規制委に)再稼働を認可する規定はない」という答弁書を閣議決定していることからも、規制委が再稼働に言及する権限がないことは明らかである。
これらの事実から考えると、法的根拠なく原発の再稼働ができない状況が問題であり、このような法が機能していない状態を解決することこそが、司法に求められる仕事ではないだろうか。
また、裁判長は「生存を基礎とする人格権」を根拠として今回の判決を下したとしているが、この「生存を基礎とする人格権」には矛盾がある。東日本大震災後は停電による寒さで体調を崩して死亡する人が続出し、近年続いている猛暑では節電による死亡事故が数百件発生している。今後電力不足で停電が発生した際には、人命に関わる重大事故となることは間違いない。今回の判決では、政治的判断によってこのように人命が失われている事態にはまったく触れられていない。これは本当の意味で「生存を基礎とする人格権」が考慮されていないも同然である。このような判決は、今後、同様の訴訟があった際に踏襲されるべきではない。
(HS政経塾 数森圭吾)
【関連記事】
2014年5月18日付本欄 今夏もまた原発ゼロへ 安倍政権は責任を規制委に押しつけず、早急に再稼働せよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7845
2014年5月14日付本欄 脱原発は非現実的 世界一安全な原発の開発を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7832
◆中国で止まらない爆発事件 今すぐウイグルの人々を解放し自由を与えよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7865
中国新疆ウイグル自治区ウルムチで22日、習近平政権発足後、最大規模となる爆発事件が起き、125人が死傷した。中国政府は「重大テロ事件」と断定し、同自治区での警備体制を強化している。
ウイグル問題をめぐる事件はここ3カ月連続して起きているが、これは単なる偶然ではない。いずれもそのタイミングに注目すべきである。
3月初めの雲南省昆明駅での無差別殺傷事件は、全国人民代表大会(全人代)の開幕直前に、4月末の新疆ウイグル自治区ウルムチ駅での爆発事件は習近平・中国国家主席の現地視察の最終日に、そして今回の爆発事件は、習近平氏が「テロには一切容赦しない」と宣言した「アジア相互協力信頼醸成措置会議」(CICA)の閉幕翌日に起きた。
振り返ると、昨年10月末の「天安門前車両炎上事件」も第18期中央委員会第3回総会(3中総会)が行われる直前というタイミング。中国政府はこうした事件が起きるとすぐさま「断定」という表現を用い、ウイグル人の関与を主張してきたが、真相は定かではない。しかし、もしそうだとすれば習近平政権に対する強い抵抗の表れであることは明白だ。
新疆ウイグル自治区は、正式には「東トルキスタン」と呼ばれる地域。トルコ系、モンゴル系などのさまざまな民族の興亡の中で、ジュンガル帝国など、「独立国家」が存在した。18世紀後半に満州民族の清が遠征し、「新疆」として支配下に置いたが、今の漢民族による支配ではなかった。ところが現在の中国は「計画出産」政策と漢人入植を同時並行で進め、支配の色を強めているのが現状だ。
以上より、同自治区は中国が主張する「古代から中国の一部」とはいえない。また、漢民族が統治する正当性もない。そう考えると、一連の事件を単なる「テロ」と片づけるのではなく、「独立運動」とする方が歴史的に見て正しい見方だろう。しかし中国は、欧米などと同じように「テロとの戦い」姿勢を打ち出し、国際世論を味方につけることに躍起になっている。
もちろん爆破事件などの無差別な殺傷行為は肯定できない。だが、ウイグル人はあらゆる分野での差別・排除に加え、言論・出版の自由が保障されていない。こうした状況では、今回のような「突撃行為」でしか意思表示ができない一面があることは事実だ。
ウイグルやチベットの問題については、そうした背景にまで踏み込んで考える必要がある。
今後も中国政府が徹底的な抑圧体制を取り続けるならば、こうした事件は収まらないだろう。その間、自国民の犠牲は増えていく。ウイグルの人々を支配下に置いておくことは、多くの犠牲を払ってでも守り続けなければならないほど重要で、ウイグルの人々にとって「幸福」なのか。中国共産党が掲げる「少数民族政策」は、もはや限界を通り過ぎていると言える。
中国の「憲法」第35条には、「中国の公民は言論、出版、集会、結社、デモ行進、抗議の自由を有する」と定められている。中国政府は名ばかりの体制を改めるとともに、ウイグルの人々を解放し、「自由」を与えるべきだ。(翼)
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◆習近平氏を超える「恐怖支配」 次の中国の指導者が描く、「中韓米による日本降伏計画」とは?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7822
中国の習近平氏が総書記に就任し、事実上、中国のトップに立ったのは、2012年11月のことだった。
「習近平」と聞けば、今では世界の多くの人々が「強硬派」「独裁的」というイメージを浮かべるだろう。しかし、実際に習氏が中国のトップに立つまで、国内外のメディアの習氏に対する警戒心は、極めて小さいものだった。
たとえば、中国に対する厳しい見方をする産経新聞でさえ、習氏の政治スタイルをこう紹介している。「(習氏は)もっとも毛沢東氏やトウ小平氏など過去の最高指導者の言葉を借りることが多く、政治スタイルは『慎重』『調整型』と評される」(2010年10月19日付)
この弱い習氏のイメージをくつがえし、いち早くその凶暴な本性を明らかにしたのが、2010年10月に行われた、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁による、「習近平の守護霊霊言」だった。その中で、習氏の守護霊はこう語っている。「黄色人種は、中国の支配下に入っていただきたい」「『大中華帝国』という新文明の建設に入ろうとしているわけだ。欧米文明は終わったということだよ」(『世界皇帝をめざす男 習近平の本心に迫る』所収、大川隆法著)
この霊言で習氏の守護霊は、モンゴル帝国の初代皇帝であるチンギス・ハンの過去世を持つことを明らかにしたが、その後、この世の地上でも、習近平政権は急速な海軍の増強を図り、日本に対して度重なる領海・領空侵犯をくり返したり、海上自衛隊の護衛艦に攻撃予告ともとれるレーダーを照射したりするなど、「恐怖による支配」を進めようとしている。南シナ海でも、フィリピンやベトナムと衝突をくり返し、領土拡張の野心を隠そうともしない。
こうした中国の軍拡による脅威は、世界中を悩ませているが、ここに来て、この習氏を「小者扱い」する人物が現われた。それが、鎌倉時代、二度にわたる元寇で日本侵略を試みた、元朝の初代皇帝で、チンギス・ハンの孫であるフビライ・ハーンの霊だ。
4月下旬、大川総裁が霊言を行うと、フビライの霊は、「(習近平は)弱い皇帝だなあ。尖閣だの、沖縄だの何をモタモタしてるんだよ。『皇居に向かって撃ち込む』って言って、終わりじゃないか」などと語った。
また、自身が現在の中国において、「ポスト習近平」の立場で生まれ変わっていることを明かし、こう話した。「今、中国・韓国・アメリカの三カ国で、日本を降伏させる計画が進んでいる」「まあ、見ていろよ。今に、中東からアフリカまで全部支配してみせるから」
この霊言の内容は、『フビライ・ハーンの霊言 世界帝国・集団的自衛権・憲法9条を問う』(大川隆法著)として、12日に全国の書店で発刊される。この霊言では、フビライの霊が、現在の中国に生まれる前にアメリカに生まれ、日本との戦争に深くかかわったことをほのめかすなど、多くの衝撃的な発言が飛び出している。
習氏の守護霊霊言と同様に、ポスト習近平の霊言によって、中国の危険性についていち早く警鐘を鳴らした同書には、日中関係のみならず、これからの地球人類そのものの存亡にかかわる重要な論点が記されている。
【関連書籍】
幸福の科学出版 『フビライ・ハーンの霊言 世界帝国・集団的自衛権・憲法9条を問う』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1156
同書 アマゾン紹介ページ
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4863954697/liberty0b-22/
幸福の科学出版 1回目の習近平の守護霊霊言 『世界皇帝をめざす男 習近平の本心に迫る』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=53
幸福の科学出版 2回目の習近平の守護霊霊言 『中国と習近平に未来はあるか 反日デモの謎を解く』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=818
【関連記事】
2011年1月号記事 中国の次期最高指導者 習近平の野望
http://the-liberty.com/article.php?item_id=136
変わりつつある香港の自由~アジアの平和を守れ~[HRPニュースファイル1001]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1448/
文/HS政経塾1期生 兵庫県本部副代表 湊 侑子
◆香港の自由は本物か
1997年にイギリスから中国に香港が返還されてから、今年で18年目。
「返還後、50年間は資本主義制度を変更しない」という一国二制度の下に、香港特別行政区の設置と高度な自治権による経済の自由を謳歌しているように見える香港。
香港の不動産王と呼ばれ、香港ボンド・グループ総帥のアンソン・チャン氏は2006年「The Liberty」の取材に対して、「香港と中国は一体化している」「自社の中国本土への投資は10年前の数億ドルの10倍に増えている」「北京政府に反対することは賢明ではない」と答えていました。(The Liberty 2006.6 「民主派は香港経済を脅かしている」)
規制の少なさとスピード感、安い税金を売り物にして、中国返還後も多くの投資を集めて来た香港と、中国大陸に大きな投資をしてきた香港企業ですが、ここにきて自由と発展に影が差し始めています。
アジアの大富豪で香港の有力企業家である李嘉誠氏は上海のオフィスビルを1163億円で売却するなどして、中国大陸の資産を次々と処分し、「中国から逃げ出す」動きをしています。
この理由に関して、時事評論家は「香港特別行政府および中国共産党政権への失望」、また李氏本人は「香港は『人治』になってはいけない」と政府への不満を示唆しています。(大紀元日本 12月16日)
つまり、今まで存在していた経済における自由がここにきて制限され始めているのです。
更に、明らかなる自由の制限が始まっています。それが言論の自由への圧迫です。
◆ジャーナリスト問題
今年2月、民主派のTV局の新規免許申請を拒否した香港行政政府を批判した「明報」の編集長劉進図氏は編集長の職を追われた上に、暴漢に肉切り包丁で襲われて重傷を負いました。
この後の編集長は、中国政府寄りの人物がついています。香港メディアによれば、劉氏を襲ったのはマフィア組織の構成員で、一人約1300万円の報酬で雇われていたことが明らかになりました。(2014.3.21 AFP通信)
また、日刊紙「香港晨報」の幹部2人は覆面の男4人組に鉄パイプで襲われました。
同紙は、中国本土の干渉を受けないために、発行資金を地元で集めると声明を発表していました。また、「香港の人々を代弁するために力を尽くす」「今の香港には、バランスのとれた信頼性の高い新聞が必要」と宣言していたのです。
行政長官が中国寄りでなければ立候補できないことを見てもわかりますが、普通選挙が行われない香港において、実際に自由を守っているのは政治家ではなくジャーナリストであるとの意見があります。
香港におけるジャーナリストの発言は、日本のものとは比べられないほど重いのです。その彼らの言論が抹殺されたという事実は、社会に大きな衝撃を与えました。これが中国共産党から香港市民への明確なメッセージなのです。
◆6月4日 天安門記念日に向けて
今年は天安門事件から25年目です。
民主派の有志が記念館建設を目指して募金を集め始めたところ、市民から約1億3千万円(976万香港ドル)が集まりました。これらの寄付により、4月26日に天安門事件記念館(64紀念館)がオープンしています。
場所は、香港市内の繁華街にあるビルの5階。香港にあるこの記念館が、中国統治下での唯一の記念館です。
しかし、このビルのオーナーが記念館の開設に反対して訴訟を起こす動きを見せたり、開館に反対する抗議活動がみられたりと、圧力が多いのです。もちろん中国共産党政府からの圧力です。結局、記念館は6月10日までの期間限定開催となりました。
自由の象徴ともいえる法輪功の活動も、最近香港ではあまり見られないと地元住民は証言しています。法輪功をなくすための組織が作られ、法輪功狩りが始まっているからです。
香港の自由は、中国共産党によって徐々に、しかし明らかに狭まっています。
いま、香港では6月4日の天安門記念日に向けて、自由を求める活動は活発になっています。
一説によれば、香港を自由にさせておくのは、台湾を一国二制度にもっていくためであるということですが、そうであるならば、香港―台湾―日本の安全保障は一体でなければならなりません。
南シナ海においても、中国の横暴さは目に余るものがあります。国内問題だけに目を向けておけばよい時代は既に過ぎ去りました。
私たち日本人は、広い視野と未来を見通す目を持ち、世界の平和のため、まずはアジアの平和に責任を持つべき時代に入ったことを知らなければなりません。
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中韓の情報戦に対抗するために[HRPニュースファイル1002]
文/HS政経塾2期生 服部まさみ
◆米国首都圏で起こっている慰安婦像“設置ラッシュ”
米国で韓国系団体などが、新たにワシントンDC近郊(バージニア州北部が有力)に「慰安婦」碑を、ミシガン州(8月に除幕式)に「慰安婦」像を設置する計画が明らかになりました。(5月5日付産経新聞)
米国ではカリフォルニア州、ニュージャージー州、ニューヨーク州にすでに「慰安婦」像、「慰安婦」碑が設置されています。新たに、ワシントンDC近郊、ミシガン州に設置されれば、合計6基の慰安婦像や碑が米国に存在することになります。
韓国系団体のバックには中国の強力な支援があるといわれています。中韓が仕掛ける米国での“設置ラッシュ”をいかに阻止するか、日本の対応が改めて問われているのです。
◆中韓の「情報戦」の強み
歴史認識や尖閣諸島、竹島の問題で中国と韓国が真実を捻じ曲げたプロパガンダを世界中に広めていますが、中韓の「情報戦」の強みとその特徴は、官民一体となったいくつもの層を持っていることにあります。また、国家戦略を達成するたに、長期的な戦略で攻めてきます。
例えば、米国に対しても、政府の指令を受けた民間団体や(民間といっても中韓の場合、政府と非常に強いつながりがあるが)個人などが票やお金を武器にホワイトハウスや議会など政治の中枢、司法、シンクタンクや大学、大手メディアなどの各層ごとに徹底的なロビー活動を行ないます。
注目すべきところは、それぞれの層の有力な人物にターゲットを明確に絞ってくることにあります。
例えば、従軍慰安婦問題で、2007年に日本を非難する決議案を可決するように動いたマイク・ホンダという下院議員がいますが、この人物に対しても、まだ下積み時代から中国は目を付けて、「抗日連合会」という反日団体を使って動かしていました。
◆中国のしたたかな手口
特に、中国は昨今、政治家だけでなく、海外メディアやシンクタンクを通じて情報戦を繰り広げています。有識者層の論調は各国の政策決定に直接影響力をもつとともに、世論を一定の方向に誘導する力を持っています。
そのため、中国は莫大な資金を使って欧米のシンクタンクや有識者に働きかけているのです。
海外の研究者やジャーナリストを中国に招待し、豪華な食事や贅沢な中国旅行、美しい女性でこれでもかというほどもてなします。そこで“おいしい”思いをしたジャーナリストや研究者は中国の悪口を書けなくなるという構図が出来上がってしまっているのです。
さらに、中国が徹底しているところは、現地の人をうまく使って、「中国色」を薄めることです。
例えば、中国の国際放送の内容は、北京政府から派遣された幹部が決めるので、プロパガンダと分かるのですが、それを放送するキャスターに元BBC、FOXニュース、CNNの売れっ子を引き抜いて使ったりするのです。
米国のトップ・ジャーナリストを引き抜いて雇い入れることは、米国世論に影響を与える層の中に中国の味方をつくりやすくしています。
また、一般の視聴者にとっても親しみがわきやすく、嘘のプロパガンダだとしても、あまりなじみのない国際問題であれば中国政府の主張をいつのまにか事実として受け入れてしまう可能性が高いのです。
中国政府が国際放送に充てている予算は、2700億円~6100億円以上ともいわれており、米国の580億円、イギリスの322億円、日本の130億円と比較しても圧倒的な違いがあります。
◆日本は官民の連携強化を
それでは、このような中韓のしかける情報戦に対して、日本はどのような対応をしていけばよいのでしょうか。
安倍政権は、中韓が仕掛ける情報戦に対抗するため、「広報の強化」に平成26年度予算を25年度の44億円から65億円に大幅に増額しました。また、官邸内の国際広報室、外務省内の広報文化外交戦略課には一級の人材が投入されました。
しかし、ほとんど中韓の情報戦に追いつかないのが現状です。中国は一党独裁なので、人もお金も政府の思い通りに動かすことができます。
日本のような民主主義が成熟した国家では、政府がどれだけ情報やイメージをコントロールしようとしてももはやできない状況にありますし、プロパガンダ的なものを使うことで相手国の国民の印象を悪くし、信頼を失うというリスクがあります。
政府自身の発信も強化されるべきですが、重要なのは、民間をベースとして、研究者や有識者、NPO、NGOなどが正論を国内外にはっきりと発信し、世論を盛り上げていくことで、政府が動きやすい環境をつくることです。
日本の大学やシンクタンクといった非政府機関からの客観的な発信が必要であり、政府としてその発信を最大限に活用することが重要です。
また、外国の有識者やジャーナリストを日本に招待し、自由に研究や取材ができる環境を増やすことが先決です。元々、親日的な人たちはもちろんのこと、特に、反日的な感情をもっている人たちに等身大の日本を知ってもらうことが重要です。
◆日本は今、世界のリーダー国家として真実を語る時
しかし、問題なのが等身大の日本の中には、「自虐史観」というくせものがいます。日本に来た有識者やジャーナリストが自虐史観のもとになっている、間違った歴史観を吸収し、自分の国で広げられてしまったら意味がありません。
また、日本近現代史の分野では、自虐史観を批判する教授は、大学で職を得ることができず、学術誌に論文が載せられないのが現状です。そのため、間違った歴史認識をつくり出している「論拠」を見直し、正しいものに変えていかなければなりません。
さらに、英語での発信や、海外の有識者の研究や記事の情報源になるものがきちんと英語に翻訳されている必要があります。
政府として、歴史問題の有識者会議や委員会を立ち上げ慰安婦問題の調査や検証を率先して行なうことが先決であり、国の未来のために良い研究をしている機関への財政面での支援を積極的に行なうことが重要です。
ジョン・F・ケネディ大統領の下、米国広報・文化交流庁の長官を務めたエドワード・R・マローは、次のような言葉を残しています。「説得力をもつためには、信憑性がなければならない。信憑性を持つためには、信頼性がなければならない。信頼性を持つためには、真実を語らなければならない」。
日本は今、世界のリーダー国家としての信頼を得るために真実を語るべき時がきているのではないでしょうか。
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