羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 1

2015-06-25 22:58:34 | 日記
夏休みが終わり、球技大会!! 種目はサッカーで猛男はキーパーだった。(ゴールは俺が守る!)気迫でデカい体がさらにデカく見える!!「ハイハイハイハイッ!!」左右に小刻みに移動し、シュートに備える猛男!「くそぉッ!」ゴール前で逡巡し、アフロにマークされたモブ男子はやみくもにボールを蹴り、猛男に片手で受けられた!「どおりゃああぁッ!!」猛男は相手キーパー目掛けてボールを投げ付けた! ドボォッ!! ボールが相手キーパーの腹にめり込む!「おふぅッ?!」相手キーパーはゴールネットまで吹き飛び意識を失った! ピピィッ! 鳴り響くホイッスル!! 歓声が上がった。
決勝の相手は3年! ゴールに構える猛男!! 両手をタラバガニにように拡げた!「あのキーパー、プレッシャーが凄え」「遠近感おかしいだろ?!」不安気な3年達! ショートカットされた試合の結果、1対0で猛男のクラスが3年のクラスを倒した!!「優勝1年6組、おめでとう」放送部の女子のアナウンスが入り、猛男達はやんやと喜んだ。「始まる前から心折られてたし」「剛田は反則だろ」3年達はガックリしていた。「男子良かったね!」女子は猛男ではなく、砂川の周りに集まっていた。それを見た猛男は『猛男君、おめでとう!』大和が祝ってくれる姿を妄想した。
(大和、何してるかなぁ、元気だろうか?)等と思いながら、更衣室で着替えていると、ケータイにメールが来た。大和だ。『たけおくん元気? うちは元気。今日みんなでスケート行くんだけど たけおくん暇だったらお友達と来ませんか?? 志須田町のスケート場 今月いっぱい学生300円なんだ』とある。(元気だった。大和、俺は元気だ)猛男は振り返り他の男子に声を掛けた。「今日これから、大和の友達とスケート行く奴!!」「行く行く!」アフロが食い付いて来た。「お前は前、行ったろッ! 次、俺!」
     2に続く

俺物語!! 2

2015-06-25 22:58:26 | 日記
他のモブ男子が自分が行こう阻止し出した。「俺バイトだけど仮病使おう」「俺も行く!」「俺も!」次々名乗り出す男子達。頷いていた猛男だったが、砂川は黙ってスーっと更衣室から出て行こうとした為、猛男は砂川の肩を掴んだ。「俺、寒いとこは」「大丈夫だ」「俺、スケートやったことないし」「俺も無い」猛男は逃さなかった!
「猛男くーん、ごめん待たせちゃって!」「いや、そんなに待ってない」駅で合流した一行は一路、ペシャワール城塞へ、じゃなくてスケート場へ向かった。特に伏兵やザンデはいなかった。(こんな感じか?)などと思いつつ、初めてにしては器用にリンクを滑る猛男。滑っていると前に人がッ!「のぁッ? ふんぐぅううッ!!」避けた『勢い』でトリプルアクセルを放つ猛男!「はうぅぅおおううッ!!」着地の『反動』でイナバウアーを決める猛男!「凄ぇ!」「なんだあの人?!」「回ったぁ?!」海老反りで片足と両手をあげて回転する猛男! これは『遠心力』の影響ッ!(人類の進化を早送りで見ているようだ)結局スケートには参加せず、客席で紙コップの暖かい飲み物を飲んでいた砂川は沁々思っていた。
「猛男くーん」リンクの端でプルプルしていた大和が声を上げると素早く猛男が滑ってきて、手を差し伸べた。「掴まっていいぞ?」「うん」猛男の手に掴まるがバランスを崩す大和。「ゆっくりだ、大和」近くをアフロが物欲しそうに猛男達を横目で見ながら一人で滑って行った。「猛男君初めてなんだよね、どうしてそんなに上手なの?」「右足と左足を順番に出すんだぁ」指導する猛男。後、リンクから戻った一同はストーブの置かれたロッカー室に集まっていた。「あったけぇ!」ストーブを囲む一同。「なんか飲む?」アフロが聞いて来た。「んん、何があんの?」短髪が聞くと、アフロはテンションを上げた。「ハァッ! じゃあ、
     3に続く

俺物語!! 3

2015-06-25 22:58:17 | 日記
一緒に行こう! 行こ行こ!!」短髪は意外と話に乗り、無言で立ち上がると、アフロについて行った。
赤くなった膝の辺りを掻く大和。「どうした?」問う猛男。「急にあったかいとこに来たから血行が良くなって腿が痒い」照れ臭そうな大和。本当は腿を掻きたいが自重しているらしい。リンクにスカート1枚で入ると冷え冷えになる。良い子はなんか穿きましょう。(好きだ)痒い様子に萌えたらしい猛男。「猛男、さっき名刺もらってなかった?」「ああ、そうそう、スカウトされてた」「さすが過ぎんだろ!」「さっきの上手いなんてもんじゃなかったからなぁ」「いやぁ、さっきのは偶然だぁ、偶然回転してバランス崩しただけだ」ことも無げな猛男。やはり遠心力らしい。ふと大和と目が合うと大和は照れた。
「楽しかったぁ! 今日は遅れちゃってごめんね」一同は駅まで来た。「ウチが漢字テストやり直しになってぇ」「漢字苦手なのかぁ?」「いや、むしろ得意なんだけど、途中で一問飛ばしちゃって、そこから解答欄ズレちゃって全部バツ」「最後に解答欄余らなかったか?」砂川が話に入ってきた。「余ったんだけど、予備かなって」「あんまり気にしなかったんだな」微笑む猛男。「うん、あんまり気にしなかったぁ」「ああ、でも凛子は意外と勉強できるよねぇ」「うん、真面目だし、ウチの学校ではできる方」短髪達も話に入ってきた。「そうなのかぁ、砂もできるぞぉ!」「キャーッ! やっぱりぃ!!」短髪達は砂川を囲んで騒ぎ出した。「猛男君は?」「中の下だ」「そうなんだぁ、中の下なんだぁ」無邪気な反応の大和。(下の中かもしれない)軽くいい風に答えていた猛男。
駅のホームで男子陣と女子陣それぞれ固まって向かい合う一同。「今日、俺達、球技大会だったんだけど、猛男ゴールキーパーで無失点のまま優勝!」身振り手振り付きで話すアフロ。
     4に続く

俺物語!! 4

2015-06-25 22:58:08 | 日記
「すごーい、ウチも見たかったなぁ。格好良かったと思う」「やっはっはっはっ」デレデレする猛男。「猛男君は運動なんでもできるの?」「バスケは酷いね」砂川が答えると男子達は爆笑した。「酷い酷い!」「フェイントというフェイントに引っ掛かる」「全力で引っ掛かる」「あとダンスも酷い」猛男と大和以外のメンバーが盛り上がる中、「いいなぁ、同じ学校だったら良かったなぁ」言ってきた大和を猛男は見ていた。
(同じ学校だったら、か)猛男と大和は方のメンバーと、駅近くで別れた。夕暮れの片側に石垣のある道を二人で歩いていた。「猛男君、大学は?」「わからん、あんまり考えたこと無かった。大和はどうなんだ?」「ウチはねぇ、紫藤大行きたいって思ってたけどぉ。猛男君も大学行くなら変えようかな。同じ大学へ行きたいし」(同じ大学)「そしたら、猛男君の活躍いっぱい見れるし」『ああ、凛子は意外と勉強できるよねぇ』猛男は短髪の言葉を思い出していた。「大和、行きたい大学を変える必用は無い」「ええ? でも」「俺が勉強すればいいんだ。俺が勉強して、追い付いて、大和の行きたい大学に一緒に行こう、大丈夫だ! 任せろ。受験まで、あと2年以上ある。なんとかなる!」「猛男君」「よおし!! 俺は今日から、毎日勉強するからなぁ!!」猛男は吠えた。
夜、『同じ大学へ行きたいし』大和の言葉を胸に、猛男は自宅で鉢巻きを締め、机に教科書を勢い良く置いた!「よおーしッ!! んんん~んんッ!」教科書からただならぬ妖気を感じる猛男! 後ずさる!!「砂ぁッ!!」間を置かず、猛男は砂川の部屋を訪れた。「頼みがある、お前しかいねぇ!」床に拳を置く猛男、砂川はビクリッ、と体を震わせた! 以前もあった流れ。慎重に振り返る。「俺を、俺を紫藤大に受からせてくれ」「は?」「頼む!」土下座する猛男。
     5に続く

俺物語!! 5

2015-06-25 22:58:00 | 日記
「いや、まともな頼みで良かったけど、お前に紫藤大は無理だから」「無理かぁ、テスト前しか勉強してこなかったからなぁ」「なんで紫藤大?」「大和が行きたい大学らしい」「へぇ、あの子、お菓子の専門とか行くんだとか思ってた」「だけど、俺に合わせて志望大学変えるって言うからよ」「ああ」そうなったかぁ、という顔の砂川。「一緒の大学に行きたいって言ってくれたんだ。俺にやれることなら、やってやりたいじゃないか」「ううん、そっか。まず、英語からやってみる? 文系でも理系でも英語いるし」「すまん、砂!」なぜか笑い出しそうになるが堪える砂川。
「いや、いいよ。じゃあ、ちょっと英単語の理解とか」「おう、来い!」「getは?」「げっええっと!!」思い切り何かを掴む動作をする猛男。「こんな感じだ!」ウケる砂川。「まあ、合ってる」「おう!」「じゃあ、escape」「こんな感じだ」泥棒のように身をすくめ、逃げる動作の猛男。「わかる!」またウケる砂川。「forget」「こんな、感じだぁ」呆けたような猛男。「プフッ! 合ってる、合ってる」机に突っ伏してウケる砂川。
ここで大和から、猛男のケータイにメールが来た。『たけお君、紫藤は無理でも蒼紅大とか松葉大なら近いよ うちは文系私大で受ける 今度マーク模試あるよね うちはまだいいかなって思ってたけど たけおくんが受けるなら受ける 一緒に受けてみない』とあった。「蒼紅とか松葉はどうなんだ?」「簡単ではないけど、紫藤より現実的かなぁ。紫藤が一番難しい」「そうかぁ」猛男は考え込んだが、「紫藤だ! うおおぉッ!!」闘志を燃やす猛男。「まぁ、頑張ったらいいんじゃない? マーク模試かぁ、じゃあ、そこを目標にしてみようかぁ」「うおおぉッ!!」「猛男、声デカい」興奮する猛男を砂川は取り敢えず宥めた。
翌日? 昼休み、
     6に続く