羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 11

2015-06-25 22:57:04 | 日記
「しまった! 寝ていた!!」「あ、起きた」大和は益々騒いだ。
「じゃ、がんばってね。明るいから一人で帰れるよぉ?!」「おう、またな」砂川の家から大和が出て来るのを猛男父母は猛男の家のドアからこっそり見ていたが、大和が振り返ると素早くドアを閉めた。砂川の部屋で答え合わせをしている二人。「砂、お前も大学行くのか?」「まあ、一応」「そうか、俺は何もそんなこと考えたことなかったなぁ。砂も一緒の大学にしねぇか?」「なんで?」「いや、お前が一緒なら、楽しいかと思って」「じゃあ、俺、お前に合わせるつもりないから、すっごい勉強してもらわないと」厳しい採点結果を見せる砂川。「おう」焦りつつも答える猛男。「勉強っていうのは、人生を間違わない為の知恵だから、お前には必要無いんだろうな」「なんでだ?」「ふふ、わかんなくていい。お前なら、紫藤受かるかもって気がしてきたわ」「本当かあッ?!」はしゃぐ猛男に、砂川は顔を背け、口元を隠した。(難しいことはわかんねーけど、俺は勉強は得意じゃないが、皆で笑えるんだったらよ、このくらいの苦手はなんとかしてぇなぁ)
マーク模試当日。「猛男」「話し掛けるなぁ! 覚えたことが脳ミソから零れ落ちそうだ」俯いて歩く猛男。「前!」砂川が言った傍から柱に頭をぶつける猛男!「のあッ?! 今、10個くらい零れたぞ!」拾おうとする猛男。「猛男君!」「大和!」大和はカーディガンの前を止め、髪は後ろで一つに束ねていた。「落ち着いてね! シャープある?!」「ふんッ!」鉛筆を出す猛男。「消しゴムは?!」消しゴムも出す猛男。「うん、じゃあ、後でね!」「おおう!」何やら自分仕度があるらしい大和は会場に去った。程無く、「それでは始め!」講堂で一斉に最初の試験が始まった!!(しゃああっ!!)猛然と取り組む猛男!
    12に続く

俺物語!! 12

2015-06-25 22:56:53 | 日記
(この問題は?!)『この辺出そう』砂川が教えてくれた!(これは大和が!)『年号カード作ったよぉ』それなりに手間掛けてた猛男!(よし! ちょっと、いや! 結構できる!! 世界史はもらったぁ!)イメージで擬人化した模試に柔道でオラオラオラッ! と威圧する猛男!!(ラストぉッ! あっ)マークシートの回答欄が最後余った!! 鉛筆を取り落とす猛男!(回答欄がズレているぅうう!!)『回答欄がズレて全部バツ』大和の漢字テストを思い出す猛男! ヤバい!!(どこだ?! どこからだ?!)血眼になってズレの起点を探す猛男!(諦めねぇ! ギリギリまで直すぅ!う!)消しゴム掛けまくる猛男!!!
試験後、机を汗と消しゴムかすまみれにし、荒い息の猛男。「猛男君、どおしたのぉ?!」「マーク1個ズレてたんだって」「えっ?!」「ギリギリまで直したが、どこまでいけたか」(せっかく勉強を見てくれたのに、一緒にがんばろうと言ってくれたのに! 二人ともすまんッ!!)落ち込む猛男。「本番じゃなくて良かったよ」「まだまだ始まったばかりだよぉ?」「そうかぁ、今だけじゃねーんだな」猛男は立ち上がった!「よーし! 次の教科は倒ーすッ! マークでもBでもなんでも来い!!」「だね」「がんばろう!」腕で自分胸をバシバシ打って気合いを入れる猛男を、砂川と大和は励ました。
結果は松葉と蒼紅はD。紫藤は×判定不可能だった。「エックス判定ってなんだ?」「バツじゃね? 判定不可能って書いてあるだろ?」「うううッ!」ショックを受ける猛男。教室ではアフロ達が他のモブ達とじゃれていた。「大和に電話してくる」力無く言って、席を立つ猛男。満開の花壇の前に小さくしゃがみ込んで大和と電話で話す猛男。「そうかぁ、やっぱり紫藤無理だったんだぁ。やっぱ無理だよね、ウチも全然だった。あのね、
     13に続く

俺物語!! 13

2015-06-25 22:56:35 | 日記
白桃大とかだったらウチら頑張ったら一緒に行けるんじゃないかって思うんだ! だから、その辺りを目指そうよ! ウチ、頑張る!」「紫藤はいいのか?」「うん、あれはいいの、いいの! だって猛男君とは絶体一緒に行けないもん、紫藤女子大だからぁ」「じょ?」「なんか、猛男君なら行けちゃうような気がしたんだけど、やっぱ無理だよねぇ」「ぷぷッ!」窓辺で砂川が電話のやり取りを聞いて吹き出していた!「騙したなぁ、砂ぁッ!!!!」「砂川君?!」「ハッハハハハハッ!!!」花壇の花弁が風に巻き上がる中、砂川は珍しく大笑いするのだった。
・・・そりゃ怒るわ。今回展開が色々詰め込まれた感じだったな。久しぶりに平和なオチを見た気がしたぜ。