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派遣法の抜本改正実現に向け、院内集会「もうひとつの労政審」開催

2009年12月02日 13時39分41秒 | 添乗員・旅行業界

政権交代により実現に向け大きく弾みがついたと思われた派遣法の抜本改正。
ですが、ここにきて派遣業界は「巻き返し」=抜本改正「反対」の声を強めています。

このような現状の中、現在派遣法改正案は厚生労働省の諮問機関である「労働政策審議会」(労政審)で審議されています。
労政審は中立的な立場の「公益委員」、経営社の利益を代表する立場の「使用者代表」、労働者の利益を代表する立場の「労働者代表」の各委員が法案の是非・内容について審議をし、最終的に結論を出します。

しかし現在行われている労政審において、使用者代表、そしてあろうことか公益委員までもが派遣法の抜本改正について耳を疑うような反対意見を述べているのです。

要旨は以下の通りです。
・征矢紀臣(全国シルバー人材センター事業協会会長)
「登録型派遣の禁止はILO180号条約や憲法22条からみてもおかしい。登録型は家計補助的に働く人や年金者が多く使っている。これを禁じるのは公共の福祉、職業選択の自由に反しないか?」

・市川隆治(全国中小企業団体中央会専務理事)
「現在、認められていることを法律で禁止するということは、権利を奪うことになる。一人でも権利が奪われた人がいれば、憲法違反で訴えることもできるのではないか」

・高橋弘行((社)日本経済団体連合会労働政策本部本部長)
「人材派遣協会のアンケートを見ると多くが女性で事務系だが、主たる生計維持者ではない。多様な人がいる。登録型の禁止は、確実に選択肢の減少を意味する」

・市川隆治(全国中小企業団体中央会専務理事)
「製造業への派遣を原則禁止することで、育児などによりフルタイムで働けない人たちの勤労権、職業選択の自由を侵害するのではないか」「厚生労働省のデータを見ると望んで派遣で働いている人は4割以上いる。原則禁止となれば、この4割を無視することになる」「派遣社員に正社員にならないか、と聞いても辞退される、という話を聞く。製造派遣や登録派遣がワークライフバランスを実現するための手段になっている」

・市川隆治(全国中小企業団体中央会専務理事)
「派遣から正社員になる例も聞いている。紹介予定派遣の制度もある。まったく道が閉ざされているとは思っていない。スキルが身につかないというが、大手の派遣会社の多くは、パソコンのスキルなどを身につけさせていると聞いている」「20万人の派遣社員が正社員化しているという統計もある」

このような「暴論」を労働者の立場で検証・批判するため、12月1日、院内集会「もうひとつの労政審」が120名の参加で衆議院第二議員会館で開催されました。会場は立ち見がでるほどの大盛況でした(写真)。

いわゆる「派遣切り」にあった労働者からの切実な訴え、毛塚中央大教授・元東大社研の田端さん両名の講演で、労政審で繰り広げられている「暴論」がいかに現実とかけ離れているかが明らかになりました。

労政審は派遣労働者の実態から目をそらさず、派遣法の抜本改正に道筋をつけるべきです!

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派遣法による利益 不利益 (O.M.)
2009-12-06 18:59:18
現派遣法は労使双方の利益という面から、会社側の利益のみ、私達働く者にとっては不利益のみです。個々の社会的地位の面から見ても、派遣労働者を無権利状態に置く、これは正社員も正社員だからといって決して安穏としていられない。派遣も正社員も競争させられ、それによって上がる利益も全て会社のものです。昔は潜在予備労働者として補助的な労働力であったものが、補助的でない業務においても予備労働者として扱うのが派遣法だと思います。添乗員という職業は明らかに業無責任は正社員と同じです。
例えほんの僅かの不利益者しかいないとしても法律が不利益が出る労働者の存在を容認する事は確かにおかしいと思います。

フランスの例をあげますと
派遣が許されるのは産休、長期病欠や研修者の代替、催物 新企画の試し期間等、採用時に期間も定めて契約されます。例えば契約期間が3ヶ月であったのに2ヶ月で担当業務が終了しても契約通り3ヶ月分の賃金が払われる。例としては珍しくても労働者に不利益が出ない様万全を期しています。
そして最も大きな違いは、例え1回1時間限りの契約でも社保の支払いは双方の義務です。そして有給休暇取得権手当て 臨時雇用手当てそれぞれ賃金の10%が払われる。(日本の旅行会社は払ってくれませんが!)フランス現地係員は日本の添乗員さん達と全く同じ待遇でも、年金 健保 失業保険料等の支払いが義務化されているので、健康を害しても、仕事が減少しても路上生活者になる心配だけはありません。

○ 年金者は社保の会社負担が軽減されるので採用のメリットを持っている。

○ 現在は家計補助的に働いていても、主たる生計維持者が亡くなったり、病気になったり、いつ主たる家計維持者に変わるかわからないのですから、社保加入を義務化する事によって、いざという時に路頭に迷わない、女性労働者が職業に定着できる様 こういったきめ細かい配慮こそ法が保証すべき事だと思います。

○ フランスでは正社員の労働時間はフルタイムだけではありません。パートでも常時必要な業務は、週に1時間しか働かない契約でも、正社員としての権利義務はフルタイムと同じです。

鳩山さんが選挙公約に掲げたものは全てがフランスには一応整っています。人生全面にセーフティーネットが張りめぐらされている感じです。

鳩山内閣の公約。いったい財源は?
この審議には学識経験者や行政の専門官はどの様に関わっているのでしょうか?

フランスの消費税は生鮮食料品と書籍以外は19.7%、今年からレストラン・キャフェは5.5%に下がりました。
ベビーシッターをしても社保の支払いは双方の義務です。

この「労政審」一見民主的な感じはしても
政治家や行政の責任逃れみたい 鳩山内閣の主体性が窺われない感じがします。
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