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阪急トラベルサポート裁判 組合員が証言した労働の実態 その1<江口さんの証言>

2010年02月18日 15時13分16秒 | 添乗員・旅行業界

昨年12月21日に行われた「事業場外みなし労働」適用の是非を問う裁判(第3陣)の証人尋問。
会社側として証言に立った細野課長の発言について、この間みなさんの意見を求めてきました。
今回は、同じ日の裁判に組合側から証言に立ったHTS支部江口副委員長、豊田組合員の証言の内容を掲載します。

添乗員として旅行の現場で長年業務に従事してきた二人の証言。細野課長の証言と比べ、どちらがより実態を正確に証言しているのかは火を見るより明らかです。

以下は、12月21日の裁判証人尋問でやり取りされた内容です。

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●組合側主尋問(組合側代理人松浪弁護士→江口さん)
松浪弁護士「会社は労働時間の把握ができない理由として、添乗中に休憩時間があるという主張をしているんですけれども、添乗中、休憩時間はありますか」
江口さん「全くないと思います」
松浪弁護士「会社は、飛行機内の時間はすべて労働時間ではないと主張していますけれども、飛行機内で休憩していますか」
江口さん「していません」
松浪弁護士「機内ではどういうことをしているんですか」
江口さん「飛行機の中では、国内の場合は、バスの座席表を作ったり、オプションの集計をしたり、お客様にも自分の座っている座席を伝えていますし、座る座席もお客様の真ん中です。荷物の上げ下ろしを手伝ったり、常に、お客様から質問を受けたり、話し掛けられる状態ができています」

松浪弁護士「バスの中では、どういうことをしてますか」
江口さん「オプションの集計を取ったり、次の観光地のことについて勉強したり、更に渋滞状況を見張っていたり、・・・したがって、バスの中では休んでいません」

松浪弁護士「列車の場合は、会社は、最後のツアー参加者が乗車する駅を発車してから到着前10分が休憩時間だという主張をしているんですけれども、列車内のことで会社から指示をされていることはありますか」
江口さん「列車の席はお客様の真ん中に座るように、通路側に座るようにと言われていることと、あと、食事がオプションになっている場合、昼御飯がオプションになっている場合は、その当日の9時や10時に締め切るので、一番最後のお客様が乗車してからそのオプションの集計を取って、その9時、10時までに連絡を入れなければなりません。到着後のバスの座席割りなど、同じように、常に隣に座って話し掛けられる状況にありますので、列車の中も休憩時間とは思っていません」
松浪弁護士「会社から指示されている内容をこなすのに前後10分で済むんですか」
江口さん「済みません」
松浪弁護士「お客様の目のある場所で休憩することはできるんですか」
江口さん「できません。そういった、休憩してサボっているというふうに報告をされると、後にお客様からアンケートや苦情が上がったときに、後々の私たちの給料の査定に響きますので、添乗中は、常にお客様に見られてる間は休めません」
松浪弁護士「会社は、この時間とこの時間は添乗員の休憩時間なので話し掛けないようにしてくださいと、お客様に対して明示することはありましたか」
江口さん「今までは一度もありません」

松浪弁護士「お客さんが同行している限り、添乗員は仕事をしていると思っているんですよね」
江口さん「はい、思っています。真夜中、早朝にでも電話はかかってきます」

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9 コメント

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ごくあたり前の主張をしたのである (Unknown)
2010-02-18 15:27:29
「阪急トラベルサポート(HTS)の添乗員・塩田氏等は、ごくあたり前の主張をしたのである。
不安定な雇用(登録型日雇い派遣)のなか、農奴のようにこき使われる添乗員。年々、エスカレートしていく人権侵害的サービス。それに意見をいうことすらできない現状。普通の社会人であれば、誰もがおかしいと思うはずだ。」

阪急トラベルサポートの劣悪
http://intouch.blog56.fc2.com/blog-date-20100217-1.html
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Unknown (Unknown)
2010-02-19 01:13:36
この会社は、あんな主張するくらいなら、アンケート廃止にしたらどうなの?いちいち車内でリラックスしていいっていうくらいなら、そうすべきだと思うな。結局、後でアンケート取って、どうですか?なんて聞くんじゃ、休憩なんて名ばかりじゃん?しかも、それが給料査定の一番大切な要素なんでしょう?それじゃ、どんなに休憩取ってください、なんて言ったところで、取れるもんじゃないでしょ。偽装休憩、ますます、悪いとおもうぜ。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-02-20 01:09:27
名ばかり休憩、止めろ!!
返信する
記事から離れるかもしれませんが (現役添乗員)
2010-02-20 14:09:02
アンケートは、契約日当査定の重要要素。ご丁寧に毎月得点化集計して、全体平均値と本人得点を通知してきます。


先日社内新聞に、他社派遣会社の乗員によるアンケート破棄について記載がありました。

詳細はわかりませんが、添乗員が主催元や自分の所属派遣会社に見られたくないから破棄、同じ添乗員として気持ちは良くわかります。

どんな不本意なアンケートでも提出義務がある、破棄はいけない、しかしながら、それを見た主催元や所属派遣会社が添乗員を紙切れだけで判定する傾向にあるからでは?まぁ、他に判断材料がないのでしょうけど。


アンケートの添乗員項目が五段階評価だったり、弊社のように④項目だったり、旅行会社によって様々だと思いますが、せめて自由記載にしてもらえないかと思います。
大げさかもしれませんが、添乗員への人権侵害では??と思うのです。


『次の旅行もこの添乗員とご一緒したいですか』
弊社アンケートの④項目最後に設けられています。

こういう尋ね方をする必要性があるのでしょうか?


乗り物での移動中が添乗員の業務に入る・入らないと議論される自体、残念です。
弊社も時間管理表提出となり、お客様自由行動中(北海道なら小樽、旭山動物園など)は、労働時間外とされています。 
もし、この時間中に傷病人が発生しても、会社から労働時間外との指定の為、対応できませんとハネて良い?
1日の中で時間内・外と区分けできる仕事じゃないのに・・・・。
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阪急交通社のマニュアル(添乗指示書)はすごかった! (Unknown)
2010-02-20 17:40:40
お客と一緒に居る時間のすべてが、添乗員としての重要な勤務時間となる。
 乗物移動中は、もちろんである。

『ドサドサ、ガヤガヤしないからといって、添乗業務をしていないわけではない。添乗の主業務である「旅程管理業務」、「安全確保」、「保護義務」とは、お客の傍にいるから可能な業務なのである。ツアーにおけるお客の心身的状態を推し量るには、添乗員はお客の傍にいて、添乗員自身も同じサービスを受ける必要がある。当然、バスなどの乗物による移動中も、添乗員は休憩時間として乗車しているわけではなく、お客と一緒に居ること自体に意義があると考えるべきである。
 お客と一緒に乗車することによって、「旅程管理業務」、「安全確保」、「保護義務」という業務は遂行できるのである。
だから、もし、この移動中を添乗員の休憩時間というのであれば、添乗員は、このツアーにおいて、「旅程管理業務」、「安全確保」、「保護義務」という業務を遂行しなかったことになる。
於いては、この旅行会社は、募集型企画旅行がお客に対して負うべき債務をまっとうしなかったことになる。
 募集型企画旅行で、「添乗員つき」と明示することは、添乗員にそういう債務を全うさせることを指す。
 だからこそ、添乗員は、「有資格者」しかなれないのである。

 このような考えから、お客と一緒に居る時間のすべてが、添乗員としての重要な勤務時間となる。
 乗物移動中は、もちろんである。

 さらに、阪急やクラツーなどの格安ツアーは、昔から、オプショナル、車内販売、団体集合写真、弁当などあり、車内での煩雑な作業が多かった。これら一つ一つに付随する業務は、説明~販売~集計~集金~連絡~催行(実行・配布)~精算、とクロスワードパズルのように、各作業を組み合わせていかなければならなかった。今は改善されたことと思うが、一時など、一人の添乗員が、バス2台を受け持ったりしていたのではないか!

 阪急交通社のマニュアル(添乗指示書)はすごかった!国内のツアーごとに、添乗員が何をするのか、事細かに記載してあった。
「ここで、あいさつ・・おはようございます」「ここから、昼食場所へ電話・・」などと、本当に事細かによくできたマニュアルであった。
阪急交通社は、ああいうマニュアルを作った先駆者ではないか?あの後、近ツリの「びっくりバス」が登場し、似たようなマニュアルを用意しだしたのであるから。』
http://intouch.blog56.fc2.com/blog-date-20100219.html
返信する
乗物乗車中も、自由散策中も、「旅程」中である。 (Unknown)
2010-02-21 06:18:32
http://intouch.blog56.fc2.com/blog-date-20100221.html

『阪急トラベルサポートの目論見は、
「運送機関(乗物)乗車中、自由散策中は、添乗員もフリータイムとなる。また、その時間帯に対して、旅行会社が添乗員に業務指示を出すことはない」という結論を導き出すことだろう。
きっと、そうすることによって、現場では、添乗員自身が業務時間を決め、添乗員自身が乗物乗車中、自由散策中をフリータイムと決めているようだ、という印象を植え付けようとしているらしい。

(略)

細野課長がここまで言うんだったら、これをマニュアルにできるのだろうか?
マニュアルにして、全派遣会社とお客(最終日程表に明記)へ連絡してほしい。

*解散中、添乗員は、お客様のことは気にせず、飲物を飲んだり、リラックスしてくつろぐこと!
*バス乗車中、添乗員は、なるべく喋らないこと!ガイドがいる場合:数分、ガイドがいない場合:20分以内
*バス乗車中、添乗員は、お客様のことを気にせず、車窓を楽しんだり、リラックスしてくつろぐこと!
*バス乗車中、添乗員は、お客様の質問に答えてはいけない!立ち歩く作業をしてはいけない!
*バス乗車中、添乗員は、寝てもかまわない!
*列車乗車中、添乗員は、お客様のことは気にせず、リラックスしてくつろぐこと!
*列車乗車中、添乗員は、お客様の質問に答える必要はない!
*列車乗車中、添乗員は、途中参加客のアテンドをする必要はなく、座席に座っていること!
*飛行機内、 添乗員は、お客様のことは気にせず、リラックスしてくつろぐこと!
(上記のことにより、お客様からクレームが発生した場合は、添乗員の責任とはしない)』
返信する
派遣の賃金 (Unknown)
2010-02-21 12:26:52
多忙な時だけ採用して、不要になったら首にする。ツアー一つ一つがすんだら、毎回クビにされている私達添乗員。一方的に、不安定な立場に置かれているからこそ、言いたいことも我慢しなくてはならない。ツアーがどんなに理不尽でも、だから、はっきりといえない。だから、ツアーなんか、悪いところが改善されるわけもない。ごますりする人が多いのも頷ける。そのほうが、仕事真面目にするよりも、おいしい汁を吸えるから。
良く考えてみたら、本来ならば、この雇用の不安定な分、大きな負担、リスクなのだから、その分を賃金に反映させるべきなのです。つまりは、正社員の倍くらいは必要なのじゃありませんか?まずは、キチンとした支払いをして、それからだよね。付加価値付けるならば。
移動中が労働時間じゃないって?これも、おかしな話ですね。私達が好きで移動しているって言うんでしょうか??
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Unknown (Unknown)
2010-02-23 03:30:23
この人たちの勇気と犠牲あっての今の現状。ゆめゆめ忘れるべからず・・・
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Unknown (Y売添乗員)
2010-03-10 13:50:02
私は他社ですけどどこもひどいですね。
しかし景色を見てリラックスなんてできませんよね。 オプションの集金、計算、コースタイムもひらわなきゃならないし、渋滞情報確認、帰りは車内で精算もします。
そりゃちょっとウトウトすることもありますよ。
人間だもの。
決して気を抜いてるわけじゃありません。
それをリラックスだのくつろいでるなんてお客様にそう思われるのは仕方ないとしても(車内では座ってますから)会社の上司にそんなふうに思われては・・・・。


呆れてものもいえませんね。
えらいバカにされたもんです。
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